T-SQUARE LIVE “FAREWELL & WELCOME”-1 『T−SQUARE LIVE “FAREWELL & WELCOME”』(以下『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』)は,T−スクェアの初代フロント=伊東たけしから,2代目=本田雅人へと“たすきを繋ぐ”言わば“歓送迎会”的なライブ
( ちなみに,フロントの“歓送迎会”ライブは,T−スクェアの恒例? 2代目=本田雅人から3代目=宮崎隆睦への交代の際にも『FAREWELL & WELCOME LIVE 1998』と同じタイトルで行なわれています )

 イレギュラー覚悟で述べると『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』のハイライトは,ズバリ,本編よりもおまけ。【JAPANESE SOUL BROTHERS】での須藤満ベース・ソロである。

 『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』は,伊東たけし本田雅人の“豪華共演”を堪能するのが,本来の楽しみであろう。勿論それは後述する『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』のハイライト3に違いない。
 しかし,管理人は『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』を買ってからというもの,ずっと「ボーナス8cmCDシングル」(DISC 2)の【JAPANESE SOUL BROTHERS】を,それも1分19秒から6分58秒までの須藤満ベース・ソロばかりを聴いていた。これぞ本編収録漏れの“暴れっぷり”の極みである。

 もはや聴きすぎて“普通の”ベース・ソロのような錯覚に陥ることもあるのだが,この須藤満ベース・ソロが圧巻! そうめったにお耳にかかれない“悶絶ものの”パフォーマンスが最高に素晴らしい!
 田中豊雪といい須藤満といい,スクェアベーシストは何故にここまでカッコイイ? スクェアライブ終わりには,決まってベースの練習を始めたくなる衝動に襲われたものである。

 須藤満の“緩急自在の”ベース・テクニックが炸裂している。いや,もう“ベースマン魂”そのものである。チョッパーの名手でありながら,敢えてフィンガーで押してくる辺りが“ドツボ”である。
 伊東たけし本田雅人を出し抜いて須藤満があの夜のヒーロー。『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』は,最初の一音から最後の一音までが須藤満の“スパーク”への誘い水であった。

 須藤満アドリブが耳タコになると,次に女性の歓声が耳タコに。的確な歓声=完璧な合いの手に(特に3分54秒と5分6秒と6分14秒)こちらもつられて乗せられてしまう。あの歓声がなければ【JAPANESE SOUL BROTHERS】もあそこまで盛り上がらない!

 須藤満+女性の歓声が耳コピできるようになったなら,最後の耳タコは則竹裕之ドラムに尽きる! 須藤満チョッパーベースが,どんなに“暴れ回ろう”とも常に則竹裕之T−スクェアドラムが観客の注意をステージから離さない。

 この須藤満則竹裕之のリズム隊の名コンビは,もはやジンサクにひけをとっていない黄金のリズム隊へと仕上がっている。
 思うに須藤満則竹裕之組は,桜井哲夫神保彰よりも“遠くで”互いに感じあっている。“密な一体感”のジンサクとは異なり,須藤満の“特攻”を許す則竹裕之の“内助の功”な雰囲気がある。この表現,分かるかなぁ〜。

 『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』2番目のハイライトは,これぞライブ録音的な音造りにある。観客の声や拍手が効果的にミックスされており,もう自分もその場にいるような臨場感! ステージと客席の“距離の近さ”が熱狂度を増している!

 通常,ジャズマンは演奏を通して観客とコミュニケーションするのだろうが,T−スクェアはアイドル・バンド! 客席からポンポン声援が上がる。この“親しみやすさ”が時に観客を演者に変える。T−スクェアが明らかに,客席のパワーに影響されている。

 キース・ジャレットライブの前説で観客に説教する逸話は有名である。説教の要旨は客に向かって「一生懸命に聴け」である。
 キース・ジャレットが言いたいのは「ライブとは会場にいる全員で作り上げるもの」。正論である。『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』を聴くにつれ,キース・ジャレットの主張がよ〜く理解できる。
 あの夜の観客は誰もがT−スクェアの7人目のメンバーであった(←サッカーのサポーター風)。観客の名演盤ここにあり〜!

T-SQUARE LIVE “FAREWELL & WELCOME”-2 『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』のハイライト3は“やっぱり”伊東たけし本田雅人の“豪華共演”!

 伊東たけし本田雅人の音のぶつかり合いを聴いて初めて感じた個性の違い。
 2人を野球の投手に例えれば,伊東たけしはナックル・ボーラー。剛球ではないが「こんな軌道ありえない」的で見逃し三振を喰らってしまう。
 一方の本田雅人は本格派の万能派。松坂やダルビッシュのような変化球も一級品な基本直球型。輪郭の整ったフレージングはそのどれもがスケールの大きい“これぞ大器”の音そのもの。球筋が分かっていても凄すぎて空振り三振を喰らってしまう。

 そう。『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』の真実とは,伊東たけし本田雅人の“夢の投げ合い”。T−スクェア初のオールスター戦であった。

 最後に『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』のセット・リスト!?

 【IT’S MAGIC】が伊東たけしのワン・ホーン。【LITTLE LEAGUE STAR】が本田雅人のワン・ホーン。
 【LICKIN’ IT】は,先攻が伊東たけしの後攻が本田雅人。【BIG CITY】は,先攻が本田雅人の後攻が伊東たけし。白熱のアルト・バトルは引き分けです。
 アンコールの【LITTLE MERMAID】は,特にフロントの2人をプッシュするではなく原曲通りに6人で演奏。EWIのパートを2人で,時に分け合い,時にユニンゾンする。ただしラストのEWI・ソロは“競演”ではなく楽しく“共演”しています。握手に拍手です。

  DISC 1
  01. IT'S MAGIC
  02. LICKIN' IT
  03. BIG CITY
  04. LITTLE LEAGUE STAR
  05. LITTLE MERMAID

  DISC 2
  01. JAPANESE SOUL BROTHERS

(ソニー/SONY 1991年発売/CRCL2027-8)
★【初回生産限定盤】ボーナス8cmCDシングル付 CD2枚組/DUOケース仕様

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