STARS AND THE MOON-1 海風(神風)パンチラの『ラッキー・サマー・レディー』と純白ビキニ・ギャルの『メイク・ミー・ア・スター』。そう。ザ・スクェアと来れば“夏”である。
 ザ・スクェアは,その後も『リゾート』『スポーツ』での競泳,波乗り『ウェーブ』と“夏CD”を作り続けている。
 9TH『STARS AND THE MOON』(以下『スターズ・アンド・ザ・ムーン』)を除いては…。

 『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は,ザ・スクェア初の“冬CD”。要するに「夏から冬」→「昼から夜」→「動から静」→「メジャー調からマイナー調へ」。これが『スターズ・アンド・ザ・ムーン』のコンセプトである。

 この突然の変化は一過性のもの。読者の皆さんにもあるでしょう。ほら「いろんな私を見て」的欲求の発散が…。
 『アドヴェンチャー』の大ヒットによりメディアへの露出が激増したザ・スクェア。その紹介のされ方は決まって,フュージョン・バンドお決まりの“明るく爽やかな元気ハツラツ系”。それは全てその通りなのだが,フュージョン・ミュージックは特定の型にはめられることを嫌う。
 『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は『アドヴェンチャー』大ヒットの反動作ではなかろうか?

 反動作と書いてはみたが,これは無意識の感情の発露ではなく狙いに狙ってのもの。これはきっと思いつきではない。
 管理人がそう思ったのは【いとしのうなじ】の存在である。【いとしのうなじ】は『脚線美の誘惑』で脱退したキーボード・プレイヤー久米大作の作で,実際に【マジック】のライブで新作として演奏されていた(らしいのです。あるファン談)。
 そう。【いとしのうなじ】は,ザ・スクェア数年来の持ち歌。ザ・スクェアはずっと【いとしのうなじ】の発表時期を温めていた。以前から“冬CD”のコンセプトは温められていたのだ。
 やるな,安藤まさひろ安藤まさひろは“策士”であった。

 ただしキャッチーな【いとしのうなじ】が“冬CD”のコンセプトとどうつながるかは説明できません。『スターズ・アンド・ザ・ムーン』のために温めていたわけではなくたまたま収録されただけ? これって妄想? 外れてる?

 “冬CD”『スターズ・アンド・ザ・ムーン』の真骨頂は【いとしのうなじ】【OVERNIGHT SENSATION】のツー・トップを支える,ミディアム・テンポで“地味系”の佳作6曲。とりわけ伊東たけしアルト・サックスの語り口がいい。
( ちなみに【OVERNIGHT SENSATION】は,TBS系「音楽の旅はるか供廚離董璽浙福こちらも旅つながりで『アドヴェンチャー』は【TRAVELERS】の後遺症有り )。

 思うに『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は,アルト・サックス奏者=伊東たけしのためにある。
 サントリー・ホワイトのTVCMで,伊東たけしリリコンのイメージが広く浸透した。これはこれでいいことなのだが,その後の伊東たけしの歩み=ソロCDを聴いていくと,伊東たけしアルト・サックス一本で生きている。
 そう。ここにも『アドヴェンチャー』の反動の痕跡。伊東たけしのメイン楽器はリリコンではなく“アルト伊東”なのである。

 濃密な伊東たけしアルト・サックスが,ザ・スクェアを月夜の音世界へと誘っていく。
 『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は,内から外への響きではない。下から上への響きである。向かっているのは星と月。月まで届き反響した音が天から優しく降って来る。正しく冬の夜空の透明感。月夜の光が心の奥底までも照らしてくれる。こんなにもアダルトなザ・スクェアは前例がない。いい。

STARS AND THE MOON-2 2001年発売の「DSDマスタリングシリーズ」で最初に買ったのが『スターズ・アンド・ザ・ムーン』だった。理由は伊東たけしアルト・サックスを高音質で聴こうと思ったから。

 ザ・スクェア名盤群の中で,管理人的に伊東たけしアルト・サックスと言えば『スターズ・アンド・ザ・ムーン』が最右翼。買い直して良かったと思った。
 伊東たけしアルト・サックスが高音質だったので,未入手の4枚+1枚(『ラッキー・サマー・レディー』『ミッドナイト・ラヴァー』『メイク・ミー・ア・スター』『ロックーン』と半額セールで投売りされていた『スウィート・アンド・ジェントル』)も買い揃えようと思った。
 それくらい『スターズ・アンド・ザ・ムーン』には,なぜだろう,惹かれてしまう。きっかけは覚えているのだが…。

 ここまで硬派に書いてきましたが,皆さんどうもすみません。
 ぶっちゃけ管理人にとっての『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は【いとしのうなじ】がテーマ曲だったフジテレビの寺田理恵子。寺田理恵子のカワユサはアイドル以上でした。ちゃんちゃん。

  01. いとしのうなじ
  02. Maybe I'm Wrong
  03. Cry For The Moon
  04. Mistral
  05. Destination
  06. Overnight Sensation
  07. Mist Of Time
  08. 遠雷

(CBSソニー/CBS/SONY 1984年発売/VRCL2109)
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