ADVENTURES-1 オリコンの総合チャートでフュージョンとしては異例のTOP10入り。同時期にカシオペアもTOP10入りしていたが『ADVENTURES』(以下『アドヴェンチャー』)を境に,順位としてはザ・スクェアカシオペアの上を行くようになった。
 「自分を白紙にもどす」サントリー・ホワイトのTVCMに【ALL ABOUT YOU】【TRAVELERS】が使用され,東南アジアの岩場?でリリコンを吹き上げる「僕はネシロ」な伊東たけしの活躍で,ザ・スクェアの一般への認知度も上昇した。

 そんなタイミングでついにブレイクを果たしたザ・スクェアの人気盤『アドヴェンチャー』であるが,管理人は絶賛できない。
 管理人のリアルなザ・スクェアは『アドヴェンチャー』なのだが『アドヴェンチャー』の時代に『アドヴェンチャー』そっちのけで夢中になっていたのは『マジック』『脚線美の誘惑』『うち水にRAINBOW』の3枚。
 今でもこれは強く思うのだが,個人的には『アドヴェンチャー』よりも『うち水にRAINBOW』でブレイクしてほしかった。

 安藤まさひろが『WORDLESS ANTHOLOGY』シリーズで「スクェアの2期」と分類した「きちっと設計図を引いて,シリアスに音楽を作っていく方向性」の芽が出始めたのが『アドヴェンチャー』からだと思う。

 そう。結局の所『アドヴェンチャー』は「冒険」をテーマにしたコンセプト・アルバムである。
 前作『うち水にRAINBOW』の【HELLO GOODBYE】で手に入れた【ADVENTURES】のプロローグエピローグが決まっている。壮大でドラマティックJAZZYな雰囲気で見事にまとまっている。いい。

 はて? 結局の所『アドヴェンチャー』以降のスクェアCDって,全てコンセプト・アルバムなのか? ドキッ,そうかも? 認めたくない?
 いえいえ。良くも悪くも『アドヴェンチャー』は「きちっと設計図を引いて,シリアスに音楽を作っていく方向性」が“不慣れなゆえに症状が表われすぎた”唯一のコンセプト・アルバム。フュージョン・ファンは大好きでもジャズ・ファンは物足りない。破綻しない。

 要するに『アドヴェンチャー』は聴き飽きるんだよなぁ。実際に過去に聴き飽きたのだと思う。
 事実『アドヴェンチャー』は,当初ミュージック・カセット・テープ版(最高音質のメタル・テープだった!)を購入したのだが,本当に本当で「テープが延び切るまで」聴き漁って,再度CD版を買い直した。お小遣いの少ない中学生に1枚3000円OVERを2枚も買わせた『アドヴェンチャー』って凄くない?

ADVENTURES-2 でもなんだかなぁ。中学時代には名盤と思っていたはずなのに,今聴き直してみるとスクェア得意の名曲も【ADVENTURES】【ALL ABOUT YOU】【TRAVELERS】の3曲にとどまっているんだよなぁ。管理人の大好きなスクェア特有の“混沌の個性派セッション”が薄れてしまっているんだよなぁ。
 そう。お腹周りと耳の肥えた40歳OVERのオヤジには『アドヴェンチャー』は,もうリピートできないんだよなぁ。

 管理人の結論。『アドヴェンチャー』は名盤の多いザ・スクェアのディスコ・グラフィーの中でも,人気投票を行なえばオリコン同様TOP10に入る“安定した評価の”名盤なのでしょう。
 しかし,上位までは狙えない。一流だが超一流ではない。「岡=安藤まさひろ,エースをねらえ!」。なんのこっちゃ〜。

  01. Adventures (Prologue)
  02. All About You
  03. Night Dreamer
  04. Sister Marian
  05. Rodan
  06. Jubilee
  07. Cape Light
  08. Travelers
  09. Adventures (Eplogue)

(CBSソニー/CBS/SONY 1984年発売/38DH79)

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