HALLE-1 『HALLE』(以下『ハレ』)は,カシオペアが一番“カシオペアしていた”時代の最高傑作である。
 「テクニック(演奏)よし,曲(メロディ)よし,アレンジ(アンサンブル)よし」の三拍子揃った,典型的なカシオペア・サウンドの「ホームラン王」である。

 『ハレ』のコンセプトは,一言で言えば“売れ線”である。『フォトグラフス』以来の“バカテク・ポップ”路線への回帰である。
 『ハレ』発売当時にメディアへの露出が一気に増えた。『フォトグラフス』で“プチ・ブレイク”を果たした時も,NHK「レッツゴー・ヤング」へ出演したが『ハレ』発売時にはCX「夜のヒット・スタジオ」に出演していた。目指すは,もろメジャー指向の成り上がりであった。

 しかしそこは“世界のカシオペア”。単純な“売れ線”ではない。
 『ハレ』の“バカテク・ポップ”は,カシオペアにしか作れない“仕掛け”満載の快心作! 「明るく爽やか」なメロディ・ラインを,キメキメキメ,の大嵐で,超難度のギミックが次々と登場する。この全てがHAPPY,かつ,カッコイイのだ。

 『フォトグラフス』を上回る「王者の領域」にまで登頂できたのは『ジャイヴ・ジャイヴ』『ダウン・アップビート』での「重くダークな音世界」を“完全消化”してきた結果であろう。

 そう。『ハレ』は,カシオペア・サウンドの集大成! デビュー当時のカシオペア・サウンドとも1年前のカシオペア・サウンドとも「近くて遠い」高次元のミックス・ブレンド・フュージョン

HALLE-2 『ハレ』は,J−POPとも洋楽ロックとも,そしてT−SQUAREとも決定的に違う,野呂一生が名付けた「ポップクリエイティヴサウンド」!
 カシオペアの新境地は『ハレ』で開花した。

PS 管理人はLPには未収録の【MATSURI BAYASHI】が聴きたくてCD盤を購入しました。【MATSURI BAYASHI】を聴くと,時代がLPからCDへとシフトしていたことを思い出します。

  01. HALLE
  02. HOSHI-ZORA
  03. STREET PERFORMER
  04. THE TURNING BELL
  05. NORTH SEA
  06. MATSURI-BAYASHI
  07. TOUCH THE RAINBOW
  08. AFTER SCHOOL
  09. FREESIA
  10. MARINE BLUE
  11. PARADOX MARCH

(アルファ/ALFA 1985年発売/32XA-38)
(ライナーノーツ/高橋理)

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