PHOTOGRAPHS-1 管理人とカシオペアが“恋へ落ちる”きっかけとなった『PHOTOGRAPHS』(以下『フォトグラフス』)。当然思い入れはある。
 しかし『フォトグラフス』は“今となっては時代遅れの当時の最先端”のようなCDと言い切ってしまおう。

 おっと,誤解のありませんように! 『フォトグラフス』は名盤です。実際に『フォトグラフス』がカシオペアの全ディスコグラフィ中,最高の売り上げだそうです。 ← 噂です。本当なのか?
 (売り上げランキングはおいといて)『フォトグラフス』=カシオペアの代表作に異論はありません。『フォトグラフス』の“バカテク・ポップ”路線で,カシオペアは「楽器小僧のアイドル」から,シャカタクのように「オシャレなフュージョン・バンド」として広く一般に浸透できた。売り上げTOPもまんざらではない。

 ではなぜイマイチなのか? それこそ『フォトグラフス』は『PHOTOGRAPHS』! 『フォトグラフス』を聴き進めると“様々な風景写真”が見えてくるのです。
 ここが『フォトグラフス』の短所(ある人にとっては長所)! 『フォトグラフス』のバラエティに富んだ楽曲群。その一曲一曲はいいんですが,どうもアルバムとしての統一感に欠ける気が…。
 そう。管理人にとっての『フォトグラフス』とは,パット・メセニー・グループの『ファースト・サークル』と同じ立ち位置にいる。
 世間では大好評,いいアルバムだという評価にも同意できる。でも何かが違うんだよなぁ…。

 こうなりゃ全部ぶちまけちゃえ!? 『フォトグラフス』にはマイナス要因がもう一点ある。
 これは至極個人的な嗜好なのであるが,管理人は『フォトグラフス』収録の【ルッキング・アップ】が大好きである。【ルッキング・アップ】はカシオペアの全楽曲中,4人の力関係が見事に4等分されたアレンジが最高なのである。
 向谷実キーボードが“主役”としてトキメキの美メロ(テーマ)を奏で,桜井哲夫チョッパーを交えた特徴的なベース・ラインと,野呂一生アコギのコード・バッキングが絶妙に絡み合い,神保彰のタイトなドラミングが全体をまとめ上げていく。ジンサク時代のカシオペアにしか出せない“ザ・カシオペア”を代表する名曲である。ずっとそう思っていた。

PHOTOGRAPHS-2 【ルッキング・アップ】も名曲の宿命=カシオペア得意の“焼き直し”の洗礼を浴びていく。『カシオペア・ライヴ』『カシオペア・パーフェクト・ライヴ LIVE』と,次第に完成度とギターの比率が上がっていく。極めつけが『ASIAN DREAMER』で,キーボードギターのまさかの主役交代!
 しかしこのどれもがいい。結果『フォトグラフス』収録の【ルッキング・アップ】が“地盤沈下”で?まさかの最低ヴァージョンに…。ああ無情はアン・ルイスである。

( 上記が冒頭で述べた「『フォトグラフス』は“今となっては時代遅れの当時の最先端”」の理由です。単に『フォトグラフス』ヴァージョンを“聴き飽きただけ”という気もしないでもない? 禁句に絶句? )

 でもでも『フォトグラフス』には未だ“手垢のついていない”【ロング・ターム・メモリー】【ラヴ・ユー・デイ・バイ・デイ】【スパイス・ロード】【フルーツ・サラダ・サンディ】の名演が残されている。このまま封印された“永遠の輝き”をあなたの手に?

 …と言うのも『フォトグラフス』での“バカテク・ポップ”路線が復活するのは4作後の『ハレ』までおあずけ。次作『ジャイヴ・ジャイヴ』からは“ジャズ・ファンク”路線(シャカタク → レヴェル42)へと変容していくこととなる。

  01. LOOKING UP
  02. DAZZLING
  03. LONG TERM MEMORY
  04. STRASSE
  05. OUT DRIVE
  06. MISTY LADY
  07. LOVE YOU DAY BY DAY
  08. SPICE ROAD
  09. FRUIT SALAD SUNDAY
  10. FROM OVER THE SKY

(アルファ/ALFA 1983年発売/32XA-111)
(ライナーノーツ/土屋茶々丸)

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