JAZZ'N'POP-1 『JAZZ’N’POP』は“POP”というタイトルが表わす,打ち込み主体のポップ・インスト。

 『JAZZ’N’POP』のこの面子。キーボード笹路正徳ベース高水健司ドラム山木秀夫。ここへギターでリーダーの小沼ようすけ
 勘の良い方なら,小沼ようすけ版・渡辺香津美の「カズミ・バンド」を想起されたかも?

 しかし残念ながら『JAZZ’N’POP』で,小沼ようすけは“ジャズ・ギタリスト”の肩書きを降ろしてしまった。
 増尾好秋から松原正樹への路線変更。要は「笹路正徳・フィーチャリング・小沼ようすけ」である。

 『JAZZ’N’POP』の中の非打ち込みトラック=【OFF SHARE】と【FUNKY J】の見事な出来栄えを聴かされれば,生楽器とのセッションでこそ本領を発揮する“ジャズ・ギタリスト小沼ようすけの生存を確認できるが,単調な打ち込みが相手では,燃えない小沼ようすけ,前面に出て行けない小沼ようすけへの歯がゆさを感じてしまう。

JAZZ'N'POP-2 この“さらり”としたジャズ・ギターには,小沼ようすけの持つ超絶技巧の出番はない。もはやヒーリングに近い。
 残念である。「小沼ようすけよ,道を踏み外すな」!

 『JAZZ’N’POP』に,小沼ようすけのライフ・ワーク=サーフ・ミュージック志向の原型を見る。

  01. Three Roses
  02. Afro-Runner
  03. Free
  04. Off Shore
  05. Punk Jazz
  06. Workin' Day And Night
  07. Mask
  08. Funky J
  09. Doze...
  10. Discotheque

(ソニー・ミュージック/SONY 2003年発売/SICP-410)
(ライナーノーツ/小沼ようすけ)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)