『TALES OF ANOTHER』の3曲目は【MAJOR MAJOR】(以下【メイジャー・メイジャー】)。


 【メイジャー・メイジャー】こそ『テイルズ・オブ・アナザー』の“象徴”である。つまり,キース・ジャレット・トリオによるフリー・インプロヴィゼーションのようなインタープレイCD! しかし『テイルズ・オブ・アナザー』は,後の『チェンジズ』『チェンジレス』『インサイド・アウト』『オールウェイズ・レット・ミー・ゴー』の原型ではない。
 そう。『テイルズ・オブ・アナザー』録音時のゲイリー・ピーコックベースは,ポール・ブレイ菊地雅章と日本で座禅組んでいた頃の“シリアスなフリー・ジャズ”度が濃厚であって『スタンダーズ』のゲイリー・ピーコックとは別人であった。

 【メイジャー・メイジャー】は“シリアスなフリー・ジャズ・ベーシストゲイリー・ピーコックが,ピアノ・トリオのリーダーとしてキース・ジャレットを主導している! このゲイリー・ピーコックの“お膳立て”に,キース・ジャレットが飛びついた! キース・ジャレットの好みに完璧にハマッタのである。

 【メイジャー・メイジャー】のシンプルなメロディが,キース・ジャレットの好む“反復を繰り返しながら頂点に達する演奏手法”によって想定外の大爆発を生んでいる。ここでのキース・ジャレットの喜びようといったら…。ファンながら恥ずかしい。2分8秒から始まり中盤までずっとあえいでいる。これは子供が大好きなおもちゃを与えられた時の反応そのものである。
 このキース・ジャレットの大爆発が,3分15秒からのジャック・デジョネットの大爆発を導き,それがまた6分19秒からのゲイリー・ピーコックの“キース・ジャレットばりの”反復の連弾で構成されるベース・ソロへと導いている。3人が好き放題にやりながらも同じゴールを目指しパスを出し合う,これぞ完璧なインタープレイである。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

GARY PEACOCK : Bass
KEITHJARRETT : Piano
JACK DeJOHNETTE : Drums