FRAGILE-1 アイドルから女優への転進は機を掴むのが難しい。
 路線変更のタイミングを逸すれば新しく台頭してくるライバルたちに埋没に世間から忘れ去られてしまう。

 東芝EMIが育てた“アイドル”大西順子の“大胆なイメージ・チェンジ”もうまくいかなかった。そう。『FRAGILE』(以下『フラジャイル』)である。

 『フラジャイル』で,大西順子は“禁断の電化”へと手を出した。東芝EMIは大西順子に,ハービー・ハンコックチック・コリアを重ね見たことだろう。
 管理人もエレクトリック路線は何ら悪いとは思わなかった。しかしいかんせん大西順子は,J-ジャズ界の“アイドル”であった。ファン層は“アコースティックな4ビート以外はジャズとは認めない”とする保守層が圧倒的だった。

 大西順子ファンは“禁断の電化”で一斉にソッポを向いた。“売れっ子”の大西順子は実力で,レコード会社を牛耳ることに勝利したが,世間は“女流ピアニスト”の大西順子を求めていた。東芝EMIはそこを読み間違えた。

 そう。敗因は東芝EMIのマネージメント力にある。大西順子の“ジャズ・ロック”作=『フラジャイル』には,エレクトリックと8ビートが導入されたにも関わらず,特に目新しさは感じなかった。ハービー・ハンコックチック・コリアを聴いた時に感じた衝撃度は薄かった。

FRAGILE-2 『フラジャイル』の完成度の低さゆえ(結果論ではあるが)時期早尚の“禁断の電化”で大西株は大暴落!
 正にメディアに踊らされメディアに潰された“悲運の”ジャズ・ピアニスト。それが大西順子である。

  01. PHAETHON
  02. COMPLEXIONS
  03. YOU'VE LOST THAT LOVIN' FEELIN'
  04. COMPARED TO WHAT
  05. HEY JOE
  06. EULOGIA VARIATION
  07. SUNSHINE OF YOUR LOVE (JAM)

(サムシンエルス/SOMETHIN'ELSE 1998年発売/TOCJ-8008)
(ライナーノーツ/佐藤英輔)

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