『VILLAGE VANGUARD Ⅱ』の4曲目は【RINGO OIWAKE】(以下【りんご追分】)。


 “日本女性のジャズ・ピアニスト”を意識したと思われる選曲の【りんご追分】が,大西順子ジャズ・ピアノに,かっちりとハマッタ! このトラックを聴いて以降,管理人も大西順子にハマッタ!

 【りんご追分】は“クールな”大西順子ピアノと“ホット”なリズム隊が一体となった大名演である。つまりは「頭寒足熱」の大名演。日本的情緒に溢れる【りんご追分】が,これほどスイングしようとは…。
 マイナー調のテーマが格調高く鳴り響いていると思った瞬間,たった一音のピアノのアタックで,ジャズ特有の“黒の深み”へと持っていかれてしまう。このアレンジたるやただごとではない。

 モーダルな大西順子ピアノ・ソロが続く中,7分43秒から突如として表われる美メロ! 【りんご追分】にジャズ・スタンダードの素養を見出した大西順子の構成力は真に天才の証しである。

 ついさっきまで大西順子を猛プッシュしていた,レジナルド・ヴィールハーラン・ライリーの2人も長めのソロ・タイムになると己の名人芸に没入している。この2人のレベルの高さは耳ダンボである。このアドリブは「ビレッジ・バンガード」という会場だけが産み出すことのできる“聖地の黒ノリ”である。

 17分49秒で再度テーマが登場するのだが,3人のソロを讃える観客が自然と拍手を送るその場に毎回自分自身もいるかのように感じてしまう。【りんご追分】を聴くと,何かしらスイッチが入ってしまう自分に気付く。

JUNKO ONISHI : Piano, Keyboards
REGINALD VEAL : Bass
HERLIN REILEY : Drums