『STANDARD OF LANGUAGE』の1曲目は【WHAT IS THIS CALLED LOVE?】(以下【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】)。

 オリジナルを中心に演奏するケニー・ギャレットにしては珍しいスタンダード曲。しかも『TRIOLOGY』以来の再演となる【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】には,他とは異なるどんな思い入れ(思い出)があるのだろう?

 【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】の激しすぎる演奏からは,きっとコード進行がツボなのだと思うくらいにメロディーが解体されている。
 もはや原曲の面影はなく,バップをなぞるでもなく,ハイテンションあるのみ。マイルス・デイビスの面前で10分超えのアルトソロをやらされていたケニー・ギャレットを思い出すというものである。

 …と,もはやハイテンション・ゾーンへのモチーフと化している【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】であるが,面白いことに『TRIOLOGY』での【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】と『STANDARD OF LANGUAGE』での【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】だけは似ている!?
 原曲とは“似ても似つかず”なのに【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】を崩すとなると,ケニー・ギャレットなら毎回こうなるの図〜。

 最後にどうしても言いたいドラマー比較。『TRIOLOGY』での【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】は“生き物のような”ブライアン・ブレイドドラミングが物凄かったが『STANDARD OF LANGUAGE』での【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】は“はっちゃけ音楽のような”クリス・デイヴドラミングも物凄い!

 だからアウトロでフェードアウトさせるのでなくクリス・デイヴに,もっともっと叩かせて欲しかった! ブライアン・ブレイドに一本!

PS ケニー・ギャレットの大ファンゆえの気付き。『TRIOLOGY』にも参加していたチャーネット・モフェットであるが『TRIOLOGY』での【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】はチャーネット・モフェットは外されて北川潔ベースを弾いた。今回再演となった『STANDARD OF LANGUAGE』での【ホワット・イズ・ディス・シング・コールド・ラヴ?】のベーシストこそがチャーネット・モフェット。おめでとうございます,って誰宛てに〜。

 
KENNY GARRETT : Alto Saxophone, Soprano Saxophone
VERNELL BROWN : Piano
CHARNETT MOFFETT : Bass
CHRIS DAVE : Drums

STANDARD OF LANGUAGE-1
STANDARD OF LANGUAGE
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