ILLUME-1 『ILLUME』(以下『イリューム』)&『MOMENTUM』(以下『モメンタム』)。

 2枚同時発売の『モメンタム』が「動」なら『イリューム』は「静」!
 『イリューム』は,アキコ・グレース初のソロCD

 テーマは『イリューム』=「光る」である。そう。アキコ・グレースの音楽(ジャズ・ピアノではない)が“光り輝いている”。
 アキコ・グレースの繊細な指遣いから放たれた七色の光は,ビル・ラズウェルの持つ“鬼才のプリズム”によって,一音ごとに形を変え,光度を変えていく。しかもその光が明確な意思を持っているかのごとく揺れ動く。まるでWMPの「視覚エフェクト」を耳で聴いているかのように…。

 正直,管理人は『イリューム』を聴いて腰を抜かしそうになった。これ程完成度の高いソロCDにはめったにお耳にかかることはできない。

 エレピの無機質な機械音なのに,これぞ,アキコ・グレースの生身の音そのものである。優しい音色で包み込まれた瞬間,光の速さで「遠くへ,もっと遠くへ,光の射す方へ」と誘ってくる。光の先にはパラダイスが見えている。
 そう。アキコ・グレースの『イリューム』とは“希望の光”なのである。
 こんなソロCDを作れるのは,キース・ジャレットマンフレート・アイヒャーか,アキコ・グレースビル・ラズウェルぐらいのものではなかろうか?

 アキコ・グレースビル・ラズウェルの組み合わせ。『イリューム』の録音に際して,どのような話し合いがなされたのか非常に興味があるのだが,この圧倒的なイマジネーションは,ビル・ラズウェルの“伝家の宝刀”そのままであろう。

 ビル・ラズウェルの“孤高の音世界”へアキコ・グレースが足を踏み入れ“光”を射した。アキコ・グレースの照らす七色の光がビル・ラズウェルの造形美を照らし映す。
 この天才2人が構築した幻想の音世界を言葉で表現することはできない。『イリューム』を聴くしかない。聴いてイメージするしかないのだ。聴き込むうちにやがて眼前に浮かび上がる新世界! 一度浮かび上がった新世界は,もはや脳裏から消え去ることはない。手で掴むことさえできるようになる。

ILLUME-2 「アキコ・グレースよ,もっとビル・ラズウェルを追え。ビル・ラズウェルを捉えるんだ。『イリューム』を掴め! 『イリューム』を放て!」。

 もう一つついでに腰を抜かしそうになったのが,馬場雅之氏の(和田静香氏も)ライナーノーツ。これを読めば管理人のCD批評など不要である。素晴らしい文章力。

  01. Looking Glass
  02. Light and Shadows
  03. Pacific Wind
  04. Dream
  05. Drift
  06. Departure
  07. Whisper Prayer
  08. Angel Within
  09. Imagine
  10. Sakura

(サヴォイ/SAVOY 2006年発売/COCB-53546)
(ライナーノーツ/馬場雅之,和田静香)

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