『THE GENIUS OF BUD POWELL』の9曲目は【THE FRUIT】(以下【ザ・フルーツ】)。


 【ザ・フルーツ】での“ピアノの様変わりの速さ”と言ったら,逆ドリアン級!?( ← 熟れるのが早いと言いたいのですが,例えが浮かびませ〜ん。)演奏が進むにつれ,糖度が増している!

 【ザ・フルーツ】の,あの印象的なテーマは後半(2分32秒以降)でのみ鳴っていると思っていたが,今回聴き直してみて,イントロでも(9秒以降)鳴っていることに気が付いた。やはり全然演奏の“質”が異なっていた。

 豹変のターニング・ポイントは2分1秒以降の“荒くれ”のアドリブである。バド・パウエルのミィディアム・ファーストな連弾が,どっちに転ぶか分からない不安感と共に脳内をかき回した後で飛び出す,あのスッキリ・テーマ! 洗練された端正なピアノが粒立っている!

 果物の秋。収穫の秋。バド・パウエルの秋である。

BUD POWELL : Piano
RAY BROWN : Bass
BUDDY RICH : Drums