『MOANIN’』の4曲目は【ALONE CAME BETTY】(以下【アロング・ケイム・ベティ】)。


 【アロング・ケイム・ベティ】は,真に名曲であり名演である。一日中リピートしても飽きない+もっともっと聴きたいと思わせる。
 「ジャズ界広し」と言えども,繰り返し聴き込みたい曲はそう多くはない。ジャズメンが好んで【アロング・ケイム・ベティ】を演奏したくなる気持ちが良く分かる。

 リー・モーガンベニー・ゴルソンが対話している! あの“神童”リー・モーガンベニー・ゴルソンに従順に服している。この全ては敬虔な従順であってリー・モーガンの心の内で育まれてた,ベニー・ゴルソンへの敬愛の念である。

 ベニー・ゴルソンアドリブを“一音も聴き逃すまい”と願うからリー・モーガントランペットがまるでアルト・サックスのように“鳴っている”。テナー・サックスの旋律に丁寧に音を合わせるサブトーン。いつもの“カミソリ&カミナリ”リー・モーガンとはまるで別人のようである。

 一方,リー・モーガンからのリスペクトを受けたベニー・ゴルソンの方はといえば,そんなリー・モーガンの気持ちに気付いているのに知らんぷり? クールにクールに吹き上げる!
 そんな“ゴーイング・マイ・ウェイ”なベニー・ゴルソンリー・モーガンも惚れてしまったのかしらん。管理人も【アロング・ケイム・ベティ】におけるベニー・ゴルソンアドリブにはいつになく聴き入ってしまう。

 そんな静かに盛り上がる2人の濃密な関係を察知したのか,アート・ブレイキーボビー・ティモンズジミー・メリットの3人も2人のユニゾンに聞き耳を立てていく。
 対話を邪魔することなく3人の個性で彩るナイス・サポート・チーム。実に暖かい音で全体を包み込んでいる。

ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS
LEE MORGAN : Trumpet
BENNY GOLSON : Tenor Sax
BOBBY TIMMONS : Piano
JYMIE MERRITT : Bass
ART BLAKEY : Drums