『NOW’S THE TIME』の6曲目は【COSMIC RAYS(ALTERNATE TAKE)】(以下【コズミック・レイズ(別テイク)】)。


 【コズミック・レイズ(別テイク)】も,本テイクとはガラリと雰囲気が変わっている。2度と同じ演奏はしない,チャーリー・パーカーゆえ,当然と言えば当然ではあるのだが…。

 さて,その第一原因は,チャーリー・パーカーの“弾き語り”にある。この趣きはまるでアメリカの伝統=カントリー&フォーク・シンガーである。
 勿論,必殺のパーカー・フレーズは度ジャズでありビ・バップである。しかしこの“ゆったり4ビート”にジャズらしさは感じない。パーカー・ショック発生までには油が(ビールが?)足りないようだ。

 例えば,1分17秒でのチャーリー・パーカーアドリブ終わりの覇気のなさ! 珍しく一瞬迷いがよぎったのだろうか? パーカーの体調の悪さが如実に記録されている。

 この“のほほん”パーカー節につられたのか,サイドメンのソロも凡庸でいただけない。これには第二原因としての,別テイクを重ねすぎた弊害があるのだが,それも“触媒”としてのパーカーの出来の悪さが録り直しを…。
 しかし,この没テイクの存在が,カルテット全体の演奏を左右する“天才”チャーリー・パーカーの“偉大さ”を逆に物語っている。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
HANK JONES : Piano
TEDDY KOTICK : Bass
MAX ROACH : Drums