『DEXTER CALLING...』の7曲目は【SMILE】(以下【スマイル】)。


 喜劇王チャーリー・チャップリンの名バラード【スマイル】であるが,ジャズ界のロング・トール王=デクスター・ゴードンは,成功へのバラードの歩みを捨て,ミディアム・テンポでの熱演を“演じて”いる。

 【スマイル】の極上テーマは“いじることなく”素直に吹き上げ,それ以外は徹底的にドライブする。それがデクスター・ゴードンのやり方である。
 ケニー・ドリュー・トリオのごきげんな演奏に乗せられたのか,デックスアドリブが軽快フレーズのオンパレード。肩の力の抜けきった,あたかもライブでのアンコール演奏の雰囲気である。
 そう。花道を練り歩きながら客席へ感謝のウインクを飛ばすデクスター・ゴードンこそジャズ・ヒーロー! 豪快な男に親しみを覚える瞬間が【スマイル】にある。

DEXTER GORDON : Tenor Sax
KENNY DREW : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
PHILLY JOE JONES : Drums