昨日,テレビ東京(TVQ九州)にて「みゅーじん(音遊人)15分拡大スペシャル 第87回:小曽根真」が放送されました。
近年の小曽根真の「マルチぶり」には目を見張るものがある。ある時はジャズ・ピアニスト,ある時はビッグ・バンドのバンマス,またある時はクラシック・ピアニスト。そして…。
ジャズで成功を収めたピアニストがクラシックでも世界を目指すのは目新しいことではない。“超大物”キース・ジャレットだってチック・コリアだって…。トランペットには“クラシックの賞荒らし”ウィントン・マルサリスだっている。枚挙にいとまはない。
では小曽根真が,彼らの“二番煎じ”かと言うとそんなことはない。小曽根真が目指すのは,ジャズとクラシックの“融合”ではなく“共存”! 融合だと互いの原形が無くなるのでNGだそうだ。
「言うは易し行なうは難し」。小曽根真も40歳を過ぎてクラシック・ピアノと格闘していた。例えば左手。ジャズでは和音だけ。分散和音のように動かすことはない。
小曽根真がクラシック・ピアノの“奥深さ”と対面した瞬間が,マエストロ=井上道義との共演コンサート! 井上道義が3拍子の弾き方について小曽根真にレッスンをつけていく。「もっと跳ねていいんだ!」。小曽根真がクラシックのリズムを習得していく。
ハイライトはガーシュウィンの【ラプソディ・イン・ブルー】! ここまで必死に抑えていた“ジャズメン魂”解放の快感! 本来のクラシック・コンサートでは有り得ないジャズ・アレンジ! サックスとベースが小曽根流にスイングする! あの音は確かに,ジャズとクラシックの“融合”ではなく“共存”であった!
あのクラシック・コンサートを通じて小曽根真は何を感じたのだろう? キース・ジャレットは「クラシックを経験した結果,自分がインプロヴァイザーであることを強く意識した」と語っている。
番組では語られていなかったが小曽根真も同じく“ジャズ”を強烈に意識したのではなかろうか? それが近年の「マルチぶり」に表われているように思えてならない。そう。クラシックへの反動としてのビッグ・バンドである。
番組前半で流されたブルーノート東京での“子供向け”のライブ! 実に楽しそうにビッグ・バンド「NO NAME HORSES」をドライブさせる! スリリングなアンサンブルなのに敷居の高さなど微塵も感じさせない。やはり小曽根真は「プロでありアーティストでありエンターテイナー」なのである。
“子供向け”のライブなのに大人向けの“本気の”演奏。開始1曲で「聴いている」子供の瞳に手応えを掴む。15人が同時進行する緊張感と幸福感! しかし観客とどちらが子供か分からない。10歳の子供がピアノで遊んでいる部分が出ている。小曽根真は12歳の時,オスカー・ピーターソンに接してジャズ・ピアノに目覚めた。そう。この日のライブは,小曽根真がオスカー・ピータソンになる日であった。いつの日か,聴き方から“感じ方”に変わってくれることを願って…。
小曽根真は(ピアノに関する限り)いつまでも子供である。純粋にピュアなハートで挑戦を続けている。小曽根真は「自分ができないことがあるのは嬉しい。しんどいんだけど楽しい」と語っていた。「できることがあると嬉しい」管理人とは大違いである。
小曽根真にとって「ピアノとは?」との質問に,30秒の沈黙の後,彼はこう答えた。「僕をず〜っと支えてくれて,ず〜っと愛してくれて,絶対裏切ってはいけないもの。身体の一部とかそう言うものではなくて…。とにかく大切にしたいものだと思う」。そう。ピアノの音色に全ての答えがある!
ローマ5章 罪と死が全ての人に広がる
SHAKATAK 『イントゥ・ザ・ブルー』
近年の小曽根真の「マルチぶり」には目を見張るものがある。ある時はジャズ・ピアニスト,ある時はビッグ・バンドのバンマス,またある時はクラシック・ピアニスト。そして…。
ジャズで成功を収めたピアニストがクラシックでも世界を目指すのは目新しいことではない。“超大物”キース・ジャレットだってチック・コリアだって…。トランペットには“クラシックの賞荒らし”ウィントン・マルサリスだっている。枚挙にいとまはない。
では小曽根真が,彼らの“二番煎じ”かと言うとそんなことはない。小曽根真が目指すのは,ジャズとクラシックの“融合”ではなく“共存”! 融合だと互いの原形が無くなるのでNGだそうだ。
「言うは易し行なうは難し」。小曽根真も40歳を過ぎてクラシック・ピアノと格闘していた。例えば左手。ジャズでは和音だけ。分散和音のように動かすことはない。
小曽根真がクラシック・ピアノの“奥深さ”と対面した瞬間が,マエストロ=井上道義との共演コンサート! 井上道義が3拍子の弾き方について小曽根真にレッスンをつけていく。「もっと跳ねていいんだ!」。小曽根真がクラシックのリズムを習得していく。
ハイライトはガーシュウィンの【ラプソディ・イン・ブルー】! ここまで必死に抑えていた“ジャズメン魂”解放の快感! 本来のクラシック・コンサートでは有り得ないジャズ・アレンジ! サックスとベースが小曽根流にスイングする! あの音は確かに,ジャズとクラシックの“融合”ではなく“共存”であった!
あのクラシック・コンサートを通じて小曽根真は何を感じたのだろう? キース・ジャレットは「クラシックを経験した結果,自分がインプロヴァイザーであることを強く意識した」と語っている。
番組では語られていなかったが小曽根真も同じく“ジャズ”を強烈に意識したのではなかろうか? それが近年の「マルチぶり」に表われているように思えてならない。そう。クラシックへの反動としてのビッグ・バンドである。
番組前半で流されたブルーノート東京での“子供向け”のライブ! 実に楽しそうにビッグ・バンド「NO NAME HORSES」をドライブさせる! スリリングなアンサンブルなのに敷居の高さなど微塵も感じさせない。やはり小曽根真は「プロでありアーティストでありエンターテイナー」なのである。
“子供向け”のライブなのに大人向けの“本気の”演奏。開始1曲で「聴いている」子供の瞳に手応えを掴む。15人が同時進行する緊張感と幸福感! しかし観客とどちらが子供か分からない。10歳の子供がピアノで遊んでいる部分が出ている。小曽根真は12歳の時,オスカー・ピーターソンに接してジャズ・ピアノに目覚めた。そう。この日のライブは,小曽根真がオスカー・ピータソンになる日であった。いつの日か,聴き方から“感じ方”に変わってくれることを願って…。
小曽根真は(ピアノに関する限り)いつまでも子供である。純粋にピュアなハートで挑戦を続けている。小曽根真は「自分ができないことがあるのは嬉しい。しんどいんだけど楽しい」と語っていた。「できることがあると嬉しい」管理人とは大違いである。
小曽根真にとって「ピアノとは?」との質問に,30秒の沈黙の後,彼はこう答えた。「僕をず〜っと支えてくれて,ず〜っと愛してくれて,絶対裏切ってはいけないもの。身体の一部とかそう言うものではなくて…。とにかく大切にしたいものだと思う」。そう。ピアノの音色に全ての答えがある!
ローマ5章 罪と死が全ての人に広がる
SHAKATAK 『イントゥ・ザ・ブルー』
コメント一覧 (2)
クラシックとジャズを股にかけるピアニストはジャズ畑の人に限らず、クラシック畑のピアニストにもいますね。新しい人ではファジル・サイ、ジャン・イブ・ティボーデ、ちょっと古い人だとフリードリヒ・グルダなど。ジャズ演奏家のCDを聴くだけでも大変でしょうと思うので、あまり薦めませんが(笑)・・・・
びわこ放送! ジャズ<クラシックよりの編集です。ネタバレですが楽しんでください。
和仁さんが列挙してくださったピアニストは一人も知りませんが,本当にJAZZ? 私のクラシック知識の浅さがバレテしまいます。