『BEYOND THE MISSOURI SKY (SHORT STORY)』の1曲目は【WALTZ FOR RUTH】(以下【ワルツ・フォー・ルース】。


 【ワルツ・フォー・ルース】の,ほんの数秒のイントロを聴いた瞬間『ミズーリの空高く』の成功を確信した! 繊細なのに奥深い=アコースティック特有の“美の世界”が,眼下に広がる「ミズーリの大地」を描き出していく!
 このインパクトは,正に音楽のビッグバン! ビッグバン理論が正しければ,今,この瞬間にも宇宙は膨張を続けている。
 仮にその場に立ち会うことができたなら,そこは【ワルツ・フォー・ルース】の“美の世界”なのかもしれない。

 パット・メセニー奏でるナイロン弦ギターの何と豊かな響きなのだろう。優しさが溢れ出している。「意外と低音も響くなぁ」と思えば,それこそチャーリー・ヘイデンウッド・ベースであった。素晴らしいインタープレイである。
 ユニゾンとは異なる(更に上を行く)一糸乱れぬデュオ名演。それぞれの楽器の「地声」で語っているが,2人は同じ言語で語り合っている。心でつながっている。心で感じあっている。
 
 【ワルツ・フォー・ルース】は「とにかくいいから聴いてみて」と,強引にお奨めできる数少ないトラック。
 2分26秒から始まる,チャーリー・ヘイデンベース・ソロのバックで鳴り続く“弦のかすれ音”が最高である。こんな“弦のかすれ音”が無意識に聴こえてくる辺りに『ミズーリの空高く』成功の秘訣がある。

CHARLIE HADEN : Bass
PAT METHENY : Acoustic Guitars and all other instruments