『EMERGENCY!』の4曲目は【VASHKAR】(以下【ヴァシュカー】)。


 【ヴァシュカー】を聴くと「ライフライム」の“縦一列”のサッカー風バンド構成をイメージしてしまう。先頭で暴れまくるFWがジョン・マクラフリン,中央で“バンドの顔”に収まるMFがラリー・ヤング,そして超攻撃的GK=トニー・ウィリアムスの布陣である。

 ドラマティックなテーマの後,55秒から始まるジョン・マクラフリンのハイ・テクニックな“小刻み”アドリブで「リード・リズム・ギター」の妙を披露したかと思えば,4分3秒から4分6秒までのカッティング・フレーズで,時代の最先端を突っ走るジャズ・ギタリストとしての飛び抜けた実力が記録されている。

 【ヴァシュカー】の主役は間違いなくトニー・ウィリアムス! 【ヴァシュカー】でのトニー・ウィリアムスドラミングこそ,パラグアイの「伝説の」GK=チラベルトであろう。
 正確なポジショニング,優れた反射神経,判断力の良さ,積極的な飛び出しなど勇敢なプレーと卓越したリーダーシップでチームを統率するGKであったチラベルトは,守備より攻撃! PKやFKをビシビシ決めていく。
 トニー・ウィリアムスの手数足数の多さと一音一音の粒立ちの良さは奇跡と呼ぶしかない! 最後尾で“プッシュ&プッシュ”したかと思った次の瞬間に,FWを追い越しゴールまで決めてしまう。この“規格外で常識破り”なドラミングは奇跡としか表現のしようがない。トニー・ウィリアムスの天才ぶりが記録されている。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

THE TONY WILLIAMS LIFETIME
TONY WILLIAMS : Drums, Vocal
JOHN MCLAUGHLIN : Guitar
LARRY YOUNG : Organ