『FOREST FLOWER』の2曲目は【FOREST FLOWER − SUNSET】(以下【フォレスト・フラワー,日没】)。

 【フォレスト・フラワー,日没】は【フォレスト・フラワー,日の出】との組曲! 叙情的でドラマティックで牧歌的! 次の時代を先取りした“フワフワとした浮遊感”漂う大作である。

 【フォレスト・フラワー,日没】の聴き所は“やっぱり”キース・ジャレット! 華麗で壮大で幻想的なフレーズが“とめどなく沸き出てくる”。まさに「アドリブの泉」「創造の宝庫」である。

 そんな中,3分20秒からのフレーズは,チック・コリアの『リターン・トゥ・フォーエヴァー』の【ホワット・ゲーム・シャル・ウィ・プレイ・トゥディ】を連想してしまう。
 そう。チック・コリアに“先んじた”キース・ジャレット! そう聴こえてしまうのは管理人だけ?

 7分50秒から,いよいよ【日没】となるのだが,太陽と地平線の傾き具合をキース・ジャレットが一人で演出してみせる。8分35秒からのピアノのバッキングでついに太陽は姿を消し,8分58秒からの“鐘の音”を合図に【フォレスト・フラワー】が花開く!
 この組曲における演奏スタイルが,後の「完全即興」への布石とも読み取れる。比類なき圧倒的才能を顕わにしている。

 ところで【フォレスト・フラワー,日没】には,モンタレイ・ジャズ・フェスティヴァル特有の“ハプニング”が記録されている。
 このモンタレイの会場,どうやら近くに飛行場があるらしく,キース・ジャレットのソロが始まる直前まで大きなプロペラ音が…。
 でもこれが「ナイスな演出」に思えて,毎回微笑んで(ニヤついて)しまう。プロペラ機を“露払い”とするあたり,さすがは天下のキース・ジャレット

 またしてもキース・ジャレットについてばかり書いてしまったが【フォレスト・フラワー,日没】についてこれだけは補足しておく。
 エンディングでのセシル・マクビーベースソロが“かなりいい感じ”ですよっ。

 
CHARLES LLOYD : Tenor Sax, Flute
KEITH JARRETT : Piano
CECIL McBEE : Bass
JACK DeJOHNETTE : Drums

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FOREST FLOWER
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ハバクク書3章 苦難の中でも神のことで歓喜する
ケニー・ドーハム 『静かなるケニー