ジャズ/フュージョンを聴く楽しみの一つに“リーダー喰い”のサイドメンの名演がある。
当然,ロックやポップスにも存在するのだが,その質と量において“リーダー喰い”は,ジャズ/フュージョンの専門特許! アドリブの「幅と長さと高さと深さ」が,他のジャンルの追随を許さない“自由奔放の極み”へと達しているからである。
それで大方のジャズ/フュージョン・ファンは,気に入ったサイドメンの更なる名演を“漁る旅”へと出かけるようになるのだが,この手法には当然“ハズレ”が存在する。
ほら,読者の皆さんの周りにも1人や2人はいるでしょう? 上の者にはズケズケ文句を言うくせに,いざ自分が責任者になった途端にシドロモドロ。部下には何にも指示できない人が…。
しかし中には当然“当たり”も存在する。1度でも“大当たり”を引いてしまったが最期,サイドメンを“漁る旅”から2度と抜け出せなくなる“かっぱえびせん(♪やめられない,とまらない)”スパイラル! ジャズ/フュージョン中毒も“ホンマ物”であろう。
そんな管理人のとっておきの“大当たり”が,キース・ジャレットつながりで巡り会えた,チャールス・ロイドの『FOREST FLOWER』(以下『フォレスト・フラワー』)である。
管理人の中では『フォレスト・フラワー』の主役はキース・ジャレットであって,チャールス・ロイドはサイドメン。『フォレスト・フラワー』におけるキース・ジャレットの演奏が半端ない。若さ溢れるキース・ジャレットの,あの圧倒的な爆発力と無鉄砲な荒々しさが物凄い。
『フォレスト・フラワー』におけるキース・ジャレットのアドリブは,キース・ジャレット自身のリーダー・アルバムでもなかなかお耳にかかれやしない。単なるリズム・セクションの枠を超え,まるでフロントのように歌いまくるキース・ジャレットの最高峰の1つ!
キース・ジャレットというジャズ・ピアニストの辞書に「バッキングに徹するサイドメン」の文字など存在しない。
そう。『フォレスト・フラワー』はキース・ジャレットの“若気の至り”が堪能できる「お宝盤」なのである。
いいや違う。「お宝」は「お宝」でも『フォレスト・フラワー』が「お宝盤」たる所以は,サイドメンであるチャールス・ロイドの“キース・ジャレット喰い”!
チャールス・ロイドの快演がキース・ジャレットのピアノに割って入ってくる。どうしてもチャールス・ロイドのテナー・サックスに注意が向いてしまうのだ。
理由は単純明快。『フォレスト・フラワー』とはチャールス・ロイドのリーダー・アルバム。そりゃそうだ。ピアノよりもテナー・サックスがメインなんだ。
でもおかしいよなぁ。同じカルテット編成のアメリカンとヨーロピアンにおける,デューイ・レッドマンとヤン・ガルバレクの2人のテナー・サックスの音使いはピアノと明確に聴き分けることができるのだが…。
ここが「チャールス・ロイド=最強のサイドメン説」の要点である。「チャールス・ロイド=最強のサイドメン説」は,管理人の強引な“こじつけ”ではない。
チャールス・ロイド・ファンの皆さんには辛口で申し訳ないと思うが,悲しいかな,チャールス・ロイドが輝いていたのはキース・ジャレット在籍時の1966〜1969年の4年間だけなのだから…。
レヴューの結びに『フォレスト・フラワー』自体についても触れておこう。
『フォレスト・フラワー』は,テナー奏者のチャールス・ロイドが,ピアノ=キース・ジャレット,ベース=セシル・マクビー,ドラム=ジャック・デジョネットという,超豪華“目も眩むような”リズム・セクションを率いた1966年のモンタレイ・ジャズ・フェスティヴァルにおけるライブ盤。
当時流行の“フリー・ジャズのロック化”に違いないが,ラテンや4ビートを交えた“変幻自在”最新にして最高のリズム・セクションが,ロックの洗礼を受けた聴衆のハートをジャズの真髄=アドリブ勝負で“鷲掴み”した“サムシングな”大名盤。
『フォレスト・フラワー』は,チャールス・ロイド・ファンとキース・ジャレット・ファン双方にとっての「必聴盤」である。
01. FOREST FLOWER - SUNRISE
02. FOREST FLOWER - SUNSET
03. SORCERY
04. SONG OF HER
05. EAST OF THE SUN
CHARLES LLOYD : Tenor Sax, Flute
KEITH JARRETT : Piano
CECIL McBEE : Bass
JACK DeJOHNETTE : Drums
ハバクク書1章 私はいつまで助けを求めて叫ばなければならないのですか
大西順子 『ビレッジ・バンガードの大西順子』
当然,ロックやポップスにも存在するのだが,その質と量において“リーダー喰い”は,ジャズ/フュージョンの専門特許! アドリブの「幅と長さと高さと深さ」が,他のジャンルの追随を許さない“自由奔放の極み”へと達しているからである。
それで大方のジャズ/フュージョン・ファンは,気に入ったサイドメンの更なる名演を“漁る旅”へと出かけるようになるのだが,この手法には当然“ハズレ”が存在する。
ほら,読者の皆さんの周りにも1人や2人はいるでしょう? 上の者にはズケズケ文句を言うくせに,いざ自分が責任者になった途端にシドロモドロ。部下には何にも指示できない人が…。
しかし中には当然“当たり”も存在する。1度でも“大当たり”を引いてしまったが最期,サイドメンを“漁る旅”から2度と抜け出せなくなる“かっぱえびせん(♪やめられない,とまらない)”スパイラル! ジャズ/フュージョン中毒も“ホンマ物”であろう。
そんな管理人のとっておきの“大当たり”が,キース・ジャレットつながりで巡り会えた,チャールス・ロイドの『FOREST FLOWER』(以下『フォレスト・フラワー』)である。
管理人の中では『フォレスト・フラワー』の主役はキース・ジャレットであって,チャールス・ロイドはサイドメン。『フォレスト・フラワー』におけるキース・ジャレットの演奏が半端ない。若さ溢れるキース・ジャレットの,あの圧倒的な爆発力と無鉄砲な荒々しさが物凄い。
『フォレスト・フラワー』におけるキース・ジャレットのアドリブは,キース・ジャレット自身のリーダー・アルバムでもなかなかお耳にかかれやしない。単なるリズム・セクションの枠を超え,まるでフロントのように歌いまくるキース・ジャレットの最高峰の1つ!
キース・ジャレットというジャズ・ピアニストの辞書に「バッキングに徹するサイドメン」の文字など存在しない。
そう。『フォレスト・フラワー』はキース・ジャレットの“若気の至り”が堪能できる「お宝盤」なのである。
いいや違う。「お宝」は「お宝」でも『フォレスト・フラワー』が「お宝盤」たる所以は,サイドメンであるチャールス・ロイドの“キース・ジャレット喰い”!
チャールス・ロイドの快演がキース・ジャレットのピアノに割って入ってくる。どうしてもチャールス・ロイドのテナー・サックスに注意が向いてしまうのだ。
理由は単純明快。『フォレスト・フラワー』とはチャールス・ロイドのリーダー・アルバム。そりゃそうだ。ピアノよりもテナー・サックスがメインなんだ。
でもおかしいよなぁ。同じカルテット編成のアメリカンとヨーロピアンにおける,デューイ・レッドマンとヤン・ガルバレクの2人のテナー・サックスの音使いはピアノと明確に聴き分けることができるのだが…。
ここが「チャールス・ロイド=最強のサイドメン説」の要点である。「チャールス・ロイド=最強のサイドメン説」は,管理人の強引な“こじつけ”ではない。
チャールス・ロイド・ファンの皆さんには辛口で申し訳ないと思うが,悲しいかな,チャールス・ロイドが輝いていたのはキース・ジャレット在籍時の1966〜1969年の4年間だけなのだから…。
レヴューの結びに『フォレスト・フラワー』自体についても触れておこう。
『フォレスト・フラワー』は,テナー奏者のチャールス・ロイドが,ピアノ=キース・ジャレット,ベース=セシル・マクビー,ドラム=ジャック・デジョネットという,超豪華“目も眩むような”リズム・セクションを率いた1966年のモンタレイ・ジャズ・フェスティヴァルにおけるライブ盤。
当時流行の“フリー・ジャズのロック化”に違いないが,ラテンや4ビートを交えた“変幻自在”最新にして最高のリズム・セクションが,ロックの洗礼を受けた聴衆のハートをジャズの真髄=アドリブ勝負で“鷲掴み”した“サムシングな”大名盤。
『フォレスト・フラワー』は,チャールス・ロイド・ファンとキース・ジャレット・ファン双方にとっての「必聴盤」である。
01. FOREST FLOWER - SUNRISE
02. FOREST FLOWER - SUNSET
03. SORCERY
04. SONG OF HER
05. EAST OF THE SUN
CHARLES LLOYD : Tenor Sax, Flute
KEITH JARRETT : Piano
CECIL McBEE : Bass
JACK DeJOHNETTE : Drums
(アトランティック・ジャズ/ATLANTIC JAZZ 1967年発売/WPCR-25117)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/ジョージ・アバキャン,大村幸則)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/ジョージ・アバキャン,大村幸則)
ハバクク書1章 私はいつまで助けを求めて叫ばなければならないのですか
大西順子 『ビレッジ・バンガードの大西順子』
コメント一覧 (2)
はい。出てしまいました。出してしまいました。コレ。