『HANK MOBLEY WITH DONALD BYRD AND LEE MORGAN』の3曲目は【BARREL OF FUNK】(以下【バレル・オブ・ファンク】)。

 【バレル・オブ・ファンク】の聴き所とはホレス・シルヴァー「一択」である。
 ミディアム・ファンク&キャッチーと来ればホレス・シルヴァーの独壇場! 「フロントの3管が何者ぞ」と言わんばかりに,バッキングから自分の世界を構築する。

 お待たせ! 自分の出番になると“最高にハッピーでご機嫌な”ピアノを弾いてくれる。
 7分36秒からの“クリスマス・ソング風”の出だしで始まるアドリブは“ホレス節”のオンパレード! 「そこのけそこのけホレスが通る!」の“大物喰い”で,ハンク・モブレードナルド・バードリー・モーガンも“お口あんぐり”である。

 ホレス・シルヴァーに続くポール・チェンバースのピチカート奏法がこれまたいい。正確なリズムと美しく豊かな音色で放たれるベースが【バレル・オブ・ファンク】のもう一つのハイライト!

 2つの名演を聴き終えた所でセクステットの合奏へと戻ってくるが,明らかにフロント3管のノリが異なっている。前半の「ハーモニー主体」の演奏から,前へ前への「イケイケ」の展開へとシフト・チェンジ! 互いに触発し合いながら一気に高みへと駈け上る! ここに「ジャズの醍醐味」が記録されている。

 
HANK MOBLEY : Tenor Sax
DONALD BYRD : Trumpet
LEE MORGAN : Trumpet
HORACE SILVER : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
CHARLIE PERSIP : Drums

HANK MOBLEY WITH DONALD BYRD AND LEE MORGAN-1
HANK MOBLEY WITH DONALD BYRD AND LEE MORGAN
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