『TIMELESS』の10曲目は【PRELUDE】(以下【プレリュード】)。


 【プレリュード】は,悲しみにどっぷりと浸かった,ビル・エヴァンスのようだ。「ビル・エヴァンス好き」を公言しているSayaだけにあながち外れてはいないと思っている。

 ビル・エヴァンスというジャズ・ピアニストは,悲しいことを楽しげに,楽しいことを悲しげに表現する。時にビル・エヴァンスは,男の中の男であり,女の中の女でもある。
 ビル・エヴァンスを知らない人には,理解不能の表現でも,分かる人には分かるはず!? 拍手喝采の自画自賛である。かたじけない。

 【プレリュード】は,結婚式当日のSayaの胸の内! Sayaが本当に好きな人とは結ばれず,しかしSayaを心から愛してくれる人との結婚式。女性にとっては,愛するより愛される結婚の方が幸せになれる確立は高いのだろう。
 「しかし…。それで…。だから…。果たして…」。そう。この“心の葛藤”こそがビル・エヴァンスなのである。

 この幸せは永遠には続かない。Sayaはそのことを知っている。Sayaの【プレリュード】=藤沢周平の『蝉しぐれ』である。

SAYA : Piano