キース・ジャレット・トリオの新作『マイ・フーリッシュ・ハート』を聴き込みすぎたがゆえの“裏ワザ”「ヘッドフォン批評」シリーズ! 棚ボタ・好評連載?の今夜は第2話です。

 昨日執筆した通り,コードレスヘッドフォンへの結論としては,どんなに最高の小細工を施したとしても電波ノイズの宿命ゆえに,高音質ヘッドフォンの定義からは外れてしまう。そう。一過性の“カンフル剤”として楽しむべき製品なのである。

 今夜は,真に音楽の味わいを変える“スパイス”と成り得る“サブ機”を引っ張り出してみた。管理人のサブ機とは,AUDIO−TECHNICAオーディオテクニカ)の「ATH−A10ANNIVERSARY」!
 今年の4月にウン万円を投じてオーバーホールしたのですが,オーバーホールから戻ってきても,そのまんまず〜っと箱の中! 銘機愛機との思い入れは今何処?
 しかしあの日のオーバーホールは今夜の『マイ・フーリッシュ・ハート』の快演のためにあった! SENNHEISER(ゼンハイザー) HD580 PRECISION の「ピュア&きらびやか」とは趣きの異なる美しさ! キース・ジャレットの指先が鍵盤に触れた瞬間の美しさ…。もうメロメロである。ダメだぁ。

 「ATH−A10ANNIVERSARY」とは,プロ仕様の中級(高級ではない)ヘッドフォン! 「アートモニター」シリーズの最上位機種&アニバーサリー品&限定生産品。管理人の「ATH−A10ANNIVERSARY」のシリアルNOは,3300台の432番である。
 原音忠実再生! プロ用モニターの名にふさわしく「ATH−A10ANNIVERSARY」の音質は,素直でナチュアルそのもの。この音作りの正しさは,時間をかけて耳が慣れた頃に実感する。そう。派手さのない大人の音であり,フラットで落ち着いた印象を受ける。これは日本のハイテク技術の賜物であり,音楽をよく知る開発者の存在が大きいのでは? その辺りの詳細は 「座談会」 で「疑似体験」されてみてください。
 管理人的にはやっぱり「チタンハウジング!」 管理人の趣味3本柱の1つにカメラがあるが,NIKON党としては「F3/T」で“チタン”という魔物の威力を「すり込まれて」しまっている。よく知りもしないのに“チタン”という言葉に過剰反応してしまう。でもって結果オーライ。やっぱり憧れの“チタン”は凄かった!

 無論欠点もある。密閉式の構造上,わずかに重低音が強いので,辛口批評で語るなら,これは高域の調整不足と取ることもできよう。
 それから,ここからは「ATH−A10ANNIVERSARY批評とは無関係であるが,オーディオテクニカ社の営業部に苦言を呈しておきたい。「もう“完全限定生産品”というキャッチ・コピーはやめにしませんか?」。
 うわさによると高級素材“チタン”の製品化は難しく,鋳型がすぐにへたれてしまうそうです。つまりは大量生産ができないということ。実際「アートモニター」シリーズのモデルチェンジのパターンは,限定生産品の発売 → 売り切ったら次の限定生産品の投入。つまり限定生産とは名ばかりの,実質・使い捨てモデルなのでは?
 そろそろネタバレ=希少価値ゼロの“完全限定生産品”はやめて,ロング・ヒットを飛ばせる製品作りにシフトしてほしい。世界に誇れる中級ヘッドフォンアートモニター」の“ブランド化”を望む!