『FIRST DECADE』の4曲目は【THREE THE HARD WAY】(以下【スリー・ザ・ハード・ウェイ】)。


 【スリー・ザ・ハード・ウェイ】は,静かだが“高密度”のジャズ・ピアノが聴き所! 真夜中に間接照明と共に流れるジャズ・ピアノの“筆頭格”である。

 全編に漂う緊張感はジェームス・ジーナスベースにある。空間を振動させる重厚な一音一音が,濃密な闇夜を切り裂いていく。骨太なウッド・ベースが【スリー・ザ・ハード・ウェイ】の“硬質の魅力”と呼応している。

 前半のアコースティックなのにエレクトリックのような“細かく光り輝く”生ピアノが実に素晴らしい。この“豊かな残響音”は小曽根真のハイ・テクニックの成せる技!
 3分5秒の音と3分15秒の音触感の違いを確かめてみてほしい。きっと管理人の主張に同意いただけることと思う。

 3分57秒の“高音アタック”以降が,小曽根ドラマのハイライト! これぞ小曽根真ジャズ世界! 「ストレートに洗練された」といった一見矛盾した表現がピッタリ似合う,現代のピアノ・トリオの“息吹”を感じてしまう。
 そう。【スリー・ザ・ハード・ウェイ】は,小曽根真版,映画『氷の微笑』のサウンド・トラックである。このサウンド・トラックには,都会の良い意味での“冷たさ”が収められている。夜明けを待つまでの間,一人ひそかに楽しみたい逸品である。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion