2007年09月13日
パット・メセニー・グループ / ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ
生涯に一度“立ち会えるか”どうかの奇跡のライブ! そのライブを偶然収録することができた奇跡のDVD! それこそ“我らが”パット・メセニー・グループの『THE WAY UP − LIVE』(以下『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』)である。『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』のおかげで,管理人も上記「奇跡の二重奏」の“目撃証人”となることができた。いずれ読者の皆さんも…。
むろん,正確には『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』は「奇跡の二重奏」などではない。恐らくライブの出来に関しては,パット・メセニー・グループというもの,ツアー中も更なる向上を目指すことで知られるバンドであるがゆえ,最終公演近くの“練りに練り上げられ,成熟された演奏”がベストだったと思うし,収録日に関しては,現地韓国スタッフが入念な準備のもと,いわばライブの開演を“手ぐすね引いて待ち構えていた”状態だったとも思う。
そんなの分かりきっている。百も承知である。でも,それでも管理人は『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』を,敢えて「奇跡」と呼ぶのである! ← 「セラビー,カッコイイ」! この掛け声はオリエンタルラジオ風でお願いしま〜す。
それはなぜか? 理由は『ザ・ウェイ・アップ』という楽曲のインパクトに尽きる! 『ザ・ウェイ・アップ』を(例えば1年後などと)時間を空けて,このクオリティで再演することなど,それが天才集団=パット・メセニー・グループの現メンバーたちであったとしても不可能に違いない,と思うからだ。
『ザ・ウェイ・アップ』の解説は次期CD批評に委ねることとし,ここでは詳細は述べない。ただ一言。『ザ・ウェイ・アップ』こそ音楽家=パット・メセニーの全て。間違いなく彼の最高傑作であろう。
そう。『ザ・ウェイ・アップ』は,どこをどう切っても,メセニー節のオンパレード! 68分にも及ぶ超大作を暗譜するのも大変だろうが,パット・メセニーの音符を弾ききることはもっと大変。一回一回の演奏が大チャレンジの場と化している。
管理人が上記の結論に達したのは,ふと目にした「特典映像」にヒントがあった…。
これまで何度,この『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』を視聴したことだろう。骨の有りすぎるDVDであるだけに何度も繰り返し視聴してみたが,自分の言葉でDVD批評を執筆できるレベルまでは達しない。これほど“凄い&手強い”DVDは初めてである。
読者の皆さんも,一度や二度は体験済みだと思いますが,演奏鑑賞中に手が止まってしまう。もはや批評どころではなくなってしまう。トリップさせられてしまう。例のアレのことです。
それで特に興味があったわけでもなく“筆休め”のつもりで見た“おまけ”=「パット・メセニー・インタビュー」の中に『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』の秘密を解き明かす答えがあった!
自宅には年に10日程しかいない,世界一の音楽バカ?=パット・メセニーをして「今回のツアーは特別」だと語っている。『ザ・ウェイ・アップ』については「スタジオの利点を生かして制作しようと思った。ライブのことは念頭になかった。“ライブで演奏するのは大変だ”と,過去の自分に文句を言いたい…」とも語っている。
そう。スタジオ・ワークと位置づけていた『ザ・ウェイ・アップ』の再演が,今回のツアーの一番の見所。いつもの新鮮なアドリブへの探求心など微塵も感じられない。
毎回会場も異なればオーディエンスも異なる。レコーディングからツアー・メンバーも変わっている。再演不能の理由なら幾らでも挙げることができるだろう。しかしそんな障害など何も無かったかのごとく,パット・メセニー・グループは『ザ・ウェイ・アップ』の再演を目指す! 過去の偉大な自分たちへ近づくため,いや,過去の偉大な自分たちを越えるために,新生パット・メセニー・グループが“命を削っていく”のである。
ただし,これはチャレンジであって苦行ではない。演奏中のメンバーの表情を見ていると,全員が超難曲『ザ・ウェイ・アップ』の演奏にハマッている。とりこになっている。この楽曲の深みへと誘われている。そんな超難曲と真剣に向きあい,幾つものギターを“弾きまくる”パット・メセニーの表情にグッとくる。
『ザ・ウェイ・アップ』のCDもそうだが『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』のDVDも,そう何度も視聴できるものではない。何せ1曲68分(ボーナス・トラック入り日本盤CDは更に驚異の74分!)の「プロテスト・ミュージック」! 所有していても,そう易々と視聴できるものでもない。リスナー側にも「時間・体力・集中力」が要求されている。
しかし注ぎ込んだその努力は必ず報われる。準備すれば準備するほど,得られる感動は倍加する。努力と喜びは『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』に関する限り比例する。この全てに関して管理人が全責任を担おう。そう。管理人のジャズ/フュージョン批評家人生をかけて「五ツ星」を保証する。
(2006年発売/VABG-1216)
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1. 次世代ディスク揃え ~Pat Metheny [ blog de rebrain*** ] 2007年09月18日 01:46
そろそろBlu-rayディスクを揃えていこうかと、 amazon.comで売って...
この記事へのコメント
1. Posted by
ayuki
2007年09月14日 00:23
お邪魔いたします。
仰ること全て、まさにその通りだと想います。ところが、実はこのDVDは未購入なんです。実際にジャパンツアーでその場を目撃したので、どうしても再度映像で見ることは、あの時の感動、感激、驚き・・その他もろもろの人間の持っている感覚で感じたこと、全てを失ってしまいそうな気が何となくするんです・・・。もうツアーからかなりの年月が経っているんですが・・・。ですからもう少し後にじっくり観たいと想っています。私もThe Way UpはPMGの最高傑作だと想っています。でも人間欲があるものでそろそろ新作を聴きたいと想いませんか?
仰ること全て、まさにその通りだと想います。ところが、実はこのDVDは未購入なんです。実際にジャパンツアーでその場を目撃したので、どうしても再度映像で見ることは、あの時の感動、感激、驚き・・その他もろもろの人間の持っている感覚で感じたこと、全てを失ってしまいそうな気が何となくするんです・・・。もうツアーからかなりの年月が経っているんですが・・・。ですからもう少し後にじっくり観たいと想っています。私もThe Way UpはPMGの最高傑作だと想っています。でも人間欲があるものでそろそろ新作を聴きたいと想いませんか?
2. Posted by
セラビー
2007年09月14日 00:57
ayukiさん,コメントありがとうございます♪
ayukiさんのお気持ち,私もよ〜く分かります。「伝説のライブ」の残像は心の目だけに焼き付けておきたいものですよね。DVD解禁のタイミングは,ayukiさんのタイミングで,ですね。ayukiさんも見てはいけないもの=最高の生ライブ=を見てしまったがゆえの天罰です。
と,やっかみですみません。うらやましい限りです。
今月はメセニー=メルドーの日本公演ですので,PMGの新作はまだまだでしょう。でもこれ程大好きな『ザ・ウェイ・アップ』だけでは満足できません。そろそろ新作を聴きたい! まさにJAZZ/FUSION好きって“欲深い”人間ですよね。
ayukiさんのお気持ち,私もよ〜く分かります。「伝説のライブ」の残像は心の目だけに焼き付けておきたいものですよね。DVD解禁のタイミングは,ayukiさんのタイミングで,ですね。ayukiさんも見てはいけないもの=最高の生ライブ=を見てしまったがゆえの天罰です。
と,やっかみですみません。うらやましい限りです。
今月はメセニー=メルドーの日本公演ですので,PMGの新作はまだまだでしょう。でもこれ程大好きな『ザ・ウェイ・アップ』だけでは満足できません。そろそろ新作を聴きたい! まさにJAZZ/FUSION好きって“欲深い”人間ですよね。
3. Posted by BN改めビルボード
2007年09月14日 13:23
仕事柄、ほぼ毎晩有名アーティストのライブを見守っている者の意見ですが、このDVDは確かに「奇跡」でしょう。立ち会ったスタッフも大満足だったと思います。CDとは違った「熱気」が伝わってきます。こんなライブを演られたら仕事どころではなくなります。PMGが来店と有れば、初めから休みをとって客席にいることと思いますが…。セラビーさんのアドリブログ大好きですよ。
4. Posted by
セラビー
2007年09月14日 14:56
BN改めビルボードさん,コメントありがとうございます♪
どこかでお会いしたことがあるようですけど…。スタッフ目線でのコメントが大変興味深いです。もしかして寺○さん?(別人でしたら失礼をお許しくださいませ)
PMG来店の際には一緒に客席で楽しみましょうね。いつも応援ありがとうございます。
どこかでお会いしたことがあるようですけど…。スタッフ目線でのコメントが大変興味深いです。もしかして寺○さん?(別人でしたら失礼をお許しくださいませ)
PMG来店の際には一緒に客席で楽しみましょうね。いつも応援ありがとうございます。
5. Posted by
優香
2007年09月14日 19:53
よく調和が取れたワインのようなパット・メセニー・グループの音楽は永遠ですよね。

6. Posted by
セラビー
2007年09月14日 20:07
優香さん,コメントありがとうございます♪
パット・メセニー・グループの音楽って「よく調和が取れたワイン」のようなんですね。素敵です。
パット・メセニー・グループの音楽って「よく調和が取れたワイン」のようなんですね。素敵です。
7. Posted by
BLUE LIFE
2007年09月15日 18:27
練りに練られたスタジオ版より、躍動的なライブ版の方が好きです。
8. Posted by
セラビー
2007年09月15日 19:50
BLUE LIFEさん,コメントありがとうございます♪
躍動的なライブが好き。『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』は,正にその通りです。でも練りに練られたスタジオ盤『ザ・ウェイ・アップ』には,別種の良さがありますよ。どちらも甲乙つけ難いとはこのことです。
躍動的なライブが好き。『ザ・ウェイ・アップ 〜 ライヴ』は,正にその通りです。でも練りに練られたスタジオ盤『ザ・ウェイ・アップ』には,別種の良さがありますよ。どちらも甲乙つけ難いとはこのことです。
9. Posted by
猫ケーキ
2007年09月19日 21:29
the way up liveが最高なのは勿論として、
私も早く新作聴きたいです!
今度はどういう作風になるんでしょうか?
楽しみでしかたないのですが、カルテット
やトリオで忙しそうで、PMG名義は
まだまだ先になりそうな気配ですよねえ、、、
10. Posted by
セラビー
2007年09月19日 22:27
猫ケーキさん,コメントありがとうございます♪
最近のメセニーは『シークレット・ストーリー』のリマスター2枚組を発売したり,アントニオ・サンチェスとデュオったり,そしてブラッド・メルドー・トリオに“ぞっこん”ですし…。
私もPMGの新作早く聴きたいで〜す。でもメセニー自身がやりたいことを全てやりつくしてからでないと,あの『ザ・ウェイ・アップ』の後だけに,作りづらいのが真相かなぁ,と思っています。
最近のメセニーは『シークレット・ストーリー』のリマスター2枚組を発売したり,アントニオ・サンチェスとデュオったり,そしてブラッド・メルドー・トリオに“ぞっこん”ですし…。
私もPMGの新作早く聴きたいで〜す。でもメセニー自身がやりたいことを全てやりつくしてからでないと,あの『ザ・ウェイ・アップ』の後だけに,作りづらいのが真相かなぁ,と思っています。
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