『T.K.』の6曲目は【ALWAYS TOGETHER】(以下【オールウェイズ・トゥギャザー】)。

 【オールウェイズ・トゥギャザー】は“懐かしい”感じのラブ・バラード。その昔,LFでやっていた日立「ミュージック・イン」で流れていそうなトラックである。 ← これで分かる人っていますか? 正解は,スティービー・ワンダーなどのモータウン&ブラック・コンテンポラリーがよく流れる,AMラジオでは珍しい「ザ・音楽番組」でした。

 元来「ザ・システム」のデジタル・グルーヴは,アップテンポよりもミディアム〜スロー・ナンバーで輝きを増す。
 その手法をそのまま取り入れた【オールウェイズ・トゥギャザー】ゆえ,エレクトリック・ファンクになって当然のはずが,伊東たけしのエレクトリック“封印”の影響でブラック・ファンク仕上げの1曲。

 男女ツインヴォーカルに負けじと,3人目のヴォーカリスト伊東たけしアルト・サックスで“歌っている”。
 伊東たけしのワン・ホーンは男女ツインヴォーカルを主役から追いやる完璧な出来であるが,ここはエレクトリック・ファンクリリコンの投入が正解だったのでは?

 『T.K.』発売当時は「ザ・システム」の黄金時代。斬新すぎる最新のサウンドであったが,今,聴き直すと正直古臭い。そう。日立「ミュージック・イン」向けなのである。完。

 
TAKESHI ITOH : Alto Saxophone
DAVID FRANK : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine, Programming
IRA SIEGEL : Guitar
CRAB ROBINSON : Lead Vocals
DEBBIE COOPER : Lead Vocals

T.K.-1
T.K.
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