『TROMPETA TOCCATA』の1曲目は【TROMPETA TOCCATA】(以下【トランペット・トッカータ】)。


 管理人は【トランペット・トッカータ】のイントロだけで“身震い”する。“ブワ〜っと”吹ききるケニー・ドーハムの圧倒的・存在感! 途中で“巻き舌”さえも絡めてくる! 46秒からと57秒からの一吹きで“武者震い”してしまう。
 そう。ケニー・ドーハムが“張っている”! ノドを嗄らして,これだけは聴いておくれ,と叫んでいる!

 ただし,これはバックの4人による「フィーチャリング・ケニー・ドーハム」の“演出”である。
 実に素晴らしいサポートぶりで,彼らの職人芸がなければケニー・ドーハムも一人虚しく大絶唱。さぞ落ち込んだことであろう。このナイス・フォローが,劇薬を産む秘密である。

 1分18秒からは一転,アフロ・ラテン・ロック! テーマをなぞりながらも“スキを見ては”アドリブが自在に飛び出すこの快感こそ,ジャズの醍醐味=ワクワクドキドキ! これぞ名演である。 
 
 6分19秒からは,トミー・フラナガン・トリオの演奏に変わるが,トミー・フラナガンピアノは“お飾り”であって,7分45秒から始まるリチャード・デイビスベースアルバート・ヒースドラムによる“デュオ”こそ聴き所!
 弦を叩きつけて鳴らす,リチャード・デイビスの起伏有るベースに構わず,アルバート・ヒースはシャカシャカ鳴らす。この対比の鮮やかさが【トランペット・トッカータ】の“隠れテーマ”であろう。

 さて,ここで一つトリビア…。このCDのマスター・テープは「音移り」している。14秒,28秒,36秒,45秒,57秒,1分9秒でかすかに聴こえる,ケニー・ドーハムトランペットがその証し。大音量で確認してほしい。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

KENNY DORHAM : Trumpet
JOE HENDERSON : Tenor Sax
TOMMY FLANAGAN : Piano
RICHARD DAVIS : Bass
ALBERT HEATH : Drums