『FIRST DECADE』の3曲目は【THREE WISHES】(以下【スリー・ウィッシズ】)。


 【スリー・ウィッシズ】は,ジャズ・ピアニスト小曽根真が,ピアノではなく“サックスをいかに鳴らすか”をテーマに書き上げた,スリリングなグレート・ジャズ
 そして,ここまで見事に仕上げたことから推測すると,作曲時に単なる“サックス”ではなく“マイケル・ブレッカーテナー・サックス”を具体的にイメージした,と言い切ってもいい!

 【スリー・ウィッシズ】は,マイケル・ブレッカーカルテットの音である! 主役は間違いなく,マイケル・ブレッカーテナー・サックス! 1分48秒からの“熱唱”は,現代の「テナー・タイタン」そのものであろう。
 今回は裏方に回った小曽根真のサポートが実に素晴らしい。とても初共演とは思えない“絶妙な絡み具合”である。見事にマイケルの音色に“厚みと変化”を加えている。

 これには秘密がある。キーマン=ジェームス・ジーナスの存在である。そう。ジェームス・ジーナスは,元ブレッカー・ブラザーズベーシスト! 小曽根真の個性もマイケル・ブレッカーの個性も知り尽くしている“彼だからこそできた”見事な橋渡し!
 ベースで会話し,二人のアドリブを同じ方向にリードしている。
 
 最後にこれだけは言い添えておくが,小曽根真アドリブが凄い! 3分12秒からの“キレまくった”ピアノは,そうめったに聴けるものではない“上物”である。
 聴き初めは“テナーの大迫力”ばかりに耳が行く【スリー・ウィッシズ】であるが,聴き込むうちに小曽根真ピアノに惹かれるようになる。そう。自分の内で生じる「感動バロメーターの変化,好みの変化」を実感できるのが,たまらない! 快感! 次は,読者の皆さんも…。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

Special Guest
MICHAEL BRECKER : Tenor Saxophone