『4,5 AND 6』の3曲目は【CONTOUR】(以下【コントゥアー】)。

 【コントゥアー】はメロディ&ハーモニー重視。ジャッキー・マクリーンとしては良く言えば「ソフト」で悪く言えば「気合不足」。
 ジャッキー・マクリーンの伸びやかな“ハスキー・アルト”は“らしさ”を感じさせてくれるが,すぐに“らしい”演奏が消え失せてしまう印象を持つ。

 原因はトランペッタードバルド・バードの“端正な”演奏にある。【コントゥアー】でのドナルド・バードは,なぜか,いつも以上にキッチリとフレーズを吹いている。
 思うに,ドナルド・バードは【コントゥアー】のメロディが好きなのだろう。アウトすることのない「正攻法」のアドリブが,曲の魅力をストレートに表現する。
 この迷いのない演奏がジャッキー・マクリーンの演奏にまで“伝染”してまったのかも?

 管理人がドナルド・バードを高く評価している理由の1つが,このトラックでの「マクリーン越え」である。
 4分13秒からのユニゾンを聴いてほしい。ジャッキー・マクリーンドナルド・バードにリードされるがまま「ソフト」に音を合わせていく。
 録音前のリハーサル演奏から,徐々に影響されてしまったのであろうが,音の変化は継続している。イントロからのユニゾンと聴き比べてみると,ドナルド・バード調に“染められてしまった”アルト・サックスの“変貌ぶり”に気付かずにはいられない。

 
JACKIE McLEAN : Alto Sax
DONALD BYRD : Trumpet
MAL WALDRON : Piano
DOUG WATKINS : Bass
ART TAYLOR : Drums

4, 5 AND 6-1
4, 5 and 6
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詩編39編 人は単なる息にすぎない
DIMENSION 『IMPRESSIONS