『MOANIN’』の2曲目は【MOANIN’】(以下【モーニン】)。


 【モーニン】を知らないジャズ・ファンは“モグリ”である! なんたって「ソバ屋の出前持ちまでが口笛で吹いた」という伝説?が残っているくらい当時の音楽界を“席巻”した超有名曲なのだから…。

 テーマの親しみやすさ+マイナー調&ゴスペル風+ピアノとホーンによるコール&レスポンス! と来ればヒットしない方がおかしい?
 しかし,あのテーマ以外は典型的なハード・バップである。そう。【モーニン】ヒットの要因はボビー・ティモンズの作曲能力にあるのではなく“曲を形にした”ジャズ・メッセンジャーズの確かな“名演”にある。

 59秒から始まるリー・モーガントランペット・ソロは「落雷」のように痛烈である。このラッパの音が全世界を駆け巡り,ついに時代を突き破ってしまった。

 しかしそのリー・モーガンベニー・ゴルソンの手にかかると「かよわく&おとなしく」聴こえてしまうのだからジャズって不思議な音楽である。
 ユニゾンでのベニー・ゴルソンテナーの重低音が超強烈! リー・モーガンの最高の高域をも完全に押しのけている! 3分4秒からのアドリブ・タイムが“吠えまくり”! ベニー・ゴルソン特有の“暑苦しい”テナー・サックスが“ファンキー・ブーム”の到来を伝えている!

 NO! 【モーニン】のハイライトは,5分3秒からのボビー・ティモンズピアノソロ! 正しく“ファンクファンク”! 時にリズミカル,時に流ちょう,時に力業が交差する“魅惑のピアノ”を聴かされれば,誰でも“身体が反応してしまう”というもの。

 【モーニン】こそが,ハード・バップファンキーの“永遠”の定番ソング。指定席は変わらない。

ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS
LEE MORGAN : Trumpet
BENNY GOLSON : Tenor Sax
BOBBY TIMMONS : Piano
JYMIE MERRITT : Bass
ART BLAKEY : Drums