『TIMELESS』の8曲目は【BUTTERFLY】(以下【バタフライ】)。


 【バタフライ】を聴くと,いつも“どっぷりと”悲しみに沈み込んでしまう。こんなに“切ない気分”になるのはなぜなのだろう。今にも涙がこぼれ落ちてきそうで,この手の曲はどうも苦手である。

 原因は何となく分かっている。あの“ブツ切れ”のシンセサイザー。いい感じで上がってきてはブツ切れする。その繰り返し。そこへピアノが抑揚を付けて乗っかってくるから,たまったものではない。
 【バタフライ】を聴いているうちに,キース・ジャレットの名言を思い起こした。「私たちは生(誕生)と死の間を生きている」!

 【バタフライ】には,短くとも人生の喜びも表現されている。
 2分20秒から2分45秒までの“駆け足”のピアノは,Sayaの描く“喜びへの昇華”そのものである。

 ただし,すぐにまた,あの悲しみが襲ってくる。以前の何倍にも悲しみを増して…。ああ…。
 この一瞬の喜びのための悲しみなのか,それとも常につきまとう悲しみを乗り越えるための喜びなのか…。ああ…。

SAYA : Piano, Synthesizer