MELODY BOOK-1 相当昔の話なので,うろ覚えで申し訳ないのだが,インパクトだけは忘れないTV番組のお話。
 タモリ司会でカシオペアザ・スクェアのTV初共演を見た。雑談がメインでセッションはあったようななかったような…。

 肝心のセッションは忘れてしまったのだが,この時のトークのオチだけは今でも鮮明に覚えている。「カシオペアはメンバーの出入りがほとんどないのに,スクェアは出入りが激しいですね。これはリーダーの“人徳”の差?」。超ウケル〜。

 実際は“絶対に”そんなことはないのだが,安藤まさひろもあの時は苦笑するしかなかった様子。『マジック』にゲスト参加するくらい“旧知の仲”タモリと安藤まさひろの関係性から来た“ほのぼの”としたやりとりであったが,ナイスなツッコミのタモリはさすがでした。

 この時タモリからのフォローはなかったと思うので,ここで管理人からのフォローを…。
 「人をつなぎとめるのは苦手でも,実力派ミュージシャンを“集め寄せる魅力”と“才能発掘の才”はたっぷりなんですよ。ねっ,安藤さん!」 ← フォローになっていない?

 そんな安藤まさひろの“誘引力”たっぷりなエキスが詰め込まれているのが,安藤まさひろのファースト・ソロ・アルバム『MELODY BOOK』(以下『メロディー・ブック』)である。

 安藤まさひろのルーツはビートルズ。『メロディー・ブック』の全9トラックは,フュージョン・ファンだけではなく,ポップス,ロック・ファンにも訴えるキャッチーな“安藤メロディー”のオン・パレード!
 そう。『メロディー・ブック』は“ギタリスト安藤まさひろ”以上に“メロディー・メーカー・安藤まさひろ”の特徴を全面に押し出している。

 フュージョン以上に歌もの風に聴こえてしまうのは笹路正徳のアレンジによるところが大きいと思う。この「稀代のメロディー・メーカーの組み合わせが,殊の外『メロディー・ブック』をポップ・アルバムにクリエイトした一因であろう。

MELODY BOOK-2 『メロディー・ブック』のもう一つの聴き所が,スクェアでは余り披露する機会のない超バリバリのギター・プレイ!
 安藤まさひろは日本を代表する“生粋の”ギタリスト! ギター小僧の“教則”と呼ぶにふさわしいハイ・テクニックなアドリブの連続が楽しめる。

 さて,スクェア・ファンの焦点は,安藤まさひろのバンドとソロでの音造りの違いであろう。管理人の意見としては“スクェアそのまんま”である。

 伊東たけしの“失敗?”で懲りたので『メロディー・ブック』が,ザ・スクェアのニュー・アルバムであるかのような“淡い期待”を捨てたのが良かったのかも…。
 “恐る恐る”聴き始めたがまるで違和感なし! ヴォーカル入りが2曲もあるがそれも全く気にならない。

 『メロディー・ブック』の80%は“スクェア・サウンド! ブラインドして“スクェアの新作”と紹介しても信じてもらえることだろう。
 やっぱり安藤まさひろザ・スクェアの“屋台骨”。人徳が薄くとも(冗談です)ザ・スクェアのリーダーは安藤まさひろなのだ。

 仮に読者の皆さんがザ・スクェア・ファンでもなく,フュージョン好きでもなく,ギター小僧でもない“堅物”だとしても,真の音楽ファンならきっと心から楽しめる! 今夜も『メロディー・ブック』の残り香が,次のバンド・メンバーを集め寄せる。
 管理人もすでに安藤まさひろの人徳に首ったけ。早く捕獲して欲しいものである。(T−スクェアライナーノーツ担当希望!)

 
01. EYES OF DRAGON (OVERTURE)
02. HARLEQUIN
03. CHARLIE & IDOL
04. THE BOGI CLUB
05. ROMANCE
06. SMART BUNNY
07. ANOTHER NIGHT
08. SUSPICIOUS STORY
09. EYES OF THE DRAGON

 
MASAHIRO ANDOH : Electronic Guitar, Acoustic Guitar
MASANORI SASAJI : Synthesizers, Keyboards
DAREK LANE JACKSON : Bass
JUN AOYAMA : Drums
CINDY : Vocal
CARL MOORE : Vocal
EVE : Background Vocal
MASATOSHI MAEDA GROUP : Strings

(CBSソニー/CBS/SONY 1986年発売/32DH-454)

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申命記8章 パンだけで生きるのではない
ラリー・カールトン 『アローン・バット・ネヴァー・アローン