『TO THE STARS TOUR EDITION/DISC 1』の3曲目は【MISTRESS LUCK−A PORTRAIT】(以下【ミストレス・ラック−ア・ポートレート】)。


 【ミストレス・ラック−ア・ポートレート】は,ゆったりと“情感たっぷり”に歌い上げていく!
 と,書けばエリック・マリエンサルのことと思うなかれ。もちろんエリックアルト・サックスが歌っているのも事実だが,チック・コリア・エレクトリック・バンドとしての表現力が“買い”なのである。
 特に終盤のユニゾンはフロントとリズム隊の全く異なるアプローチが違和感なく融合している! 互いの長所を引出し合う,ジャズ・コンボの一種の“理想型”であろう。

 勿論「個」の力量もすさまじい。ミディアム・ナンバーで“音を間引く”演奏はなかなかできるものではないのだが“空間に残響が響くアドリブ”と言ったら,分かる人には分かるだろう。これこそ抽象的な曲想を追い求めるチック・コリアの狙いでもある。

 1分8秒からのチック・コリアピアノソロと,3分10秒からのエリック・マリエンサルサックスソロもいいが,その間に挟まれ“ドンと構えた”ジョン・パティトゥッチアドリブが“歌心満点”だ。
 ん? よ〜く耳を澄ますとデイヴ・ウェックルのハッピーなドラムが効いている! やはり“リード・ベースの陰に名ドラム有り”は真実である。

CHICK COREA ELEKTRIC BAND
CHICK COREA : Keyboards, Piano
FRANK GAMBALE : Guitar
ERIC MARIENTHAL : Sax
JOHN PATITUCCI : Bass
DAVE WECKL : Drums