『TIMELESS』の1曲目は【AIR】(以下【G線上のアリア】)。


 数あるクラシックの名曲の中でも,最もジャズメンに愛されてきた?【G線上のアリア】であるが,Sayaの見事なアレンジにより【G線上のアリア】が“ジャズ・スタンダード”の仲間入りを果たす日が,にわかに現実味を帯びてきたように思う。
 超・硬派のジャズ批評家たちが,このトラックにどのような評価を下すのか,一度,意見してみたいところである。

 Sayaの絶妙な“崩し”はジャズだけが放ち得る緊張感で満ちている。「原曲がクラシックだから…」という理由だけで,素晴らしいアドリブの連続を聴き逃す手はない!
 ここは一旦,ジャズ・ファンとしてのプライドをかなぐり捨てていただきたいし(極上のアドリブを聴き逃したくないと思うのであれば)当然捨てるべきである。

 【G線上のアリア】の聴き所は,38秒からのピアノの入りと2分42秒からのメロディー・ライン。
 【G線上のアリア】で聴かせるSayaアドリブは,聴き手の心を熱くするチャーリー・パーカーソニー・ロリンズのそれではない。自然に身体に染み込んでくる“おとなしめ&控え目”なアドリブである。
 派手なインパクトは感じないが,最近,こうした“癒し系”のアドリブが,ジャズの魅力の一つとして語られてもいいかな,と思っている。

SAYA : Piano
JASON LEWIS : Drums
JOHN SHIFFLETT : Bass