2006年03月20日

渡辺 貞夫 / パーカーズ・ムード(ライヴ・アット・ブラバス・クラブ・'85)5

アナログレコード

 “ナベサダ”こと渡辺貞夫はJ−ジャズの枠を越えた,世界のジャズ・ジャイアントの一人である。
 と,紹介しようとも,読者の皆さんに,渡辺貞夫の偉大さはストレートに伝わらないのではないか?
 管理人もそうだった。渡辺貞夫と言えば,草刈政雄と豪快に笑う「ブラバス」のCM。どこにでもいそうな,単なる“気のいいおっさん”でしかなかった。

 しかしあるCDとの出会いにより,それまで“色眼鏡”でナベサダを見ていたことを心から悔いた。CDから聴こえてきたのは“パーカー派”のアドリブインプロヴィゼーション。フレーズの節々にパーカーをカバーしてきた面影が色濃く残っていたのだ。

 その“パーカー派”としての渡辺貞夫との出会いが『PARKER’S MOOD』〈以下『パーカーズ・ムード(ライヴ・アット・ブラバス・クラブ・'85)』〉!
 この時期の渡辺貞夫フュージョンCDの大連発中! フュージョンナベサダが大好きだったので,当時高校生だった管理人にはきつかったが,発売されるCDは全部買っていた。
 『パーカーズ・ムード(ライヴ・アット・ブラバス・クラブ・'85)』もその流れで買ったものだったが,いつもとは違う空気感に心を“鷲づかみ”されたのだ!
 もう元には戻れないと感じてしまう何か…。そう。脱フュージョンジャズへの目覚め!
 管理人のジャズ好きは,ズバリ,このCDから始まった!

 『パーカーズ・ムード(ライヴ・アット・ブラバス・クラブ・'85)』は「BRAVAS CLUB」のライブ盤。渡辺貞夫が目と鼻の先にいる聴衆に全力でぶつかっていく。
 そんなストレートなジャズ・スタイルであるからこそ『パーカーズ・ムード(ライヴ・アット・ブラバス・クラブ・'85)』には,他のフュージョンCDでは聴くことができない“命がけのアドリブ”が持つ圧倒的な存在感がある。
 “命を削る”演奏とは,正にこのCDのことを指す!

 実は冒頭に述べた経験をしたのは,正確には数年後のこと。渡辺貞夫を追いかけてパーカーと出会い,そのパーカーとの出会いからアドリブのイロハを学ぶことができた。
 一皮一皮脱皮し,ジャズ好きとして成長するにつれ『パーカーズ・ムード(ライヴ・アット・ブラバス・クラブ・'85)』から“パーカー派”の渡辺貞夫を聴き取れるようにもなった。
 相当練習したんだろうなぁ。ナベサダが子供の頃は,王,長嶋ではなく,チャーリー・パーカーが“ヒーロー”だったんだろうなぁ。アルト・サックスをキラキラと輝く瞳で見つめている貞夫少年の姿を想像すると,知り合いでもないのに,今夜も目頭が熱くなる。

 やはり読者の皆さんに,渡辺貞夫の偉大さをストレートに伝えることはできなかった。是非,聴いていただきたい。言葉で伝えられるのは,ただそれっぽっち…。

(1985年録音/32XD-355)

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adliblog at 23:59 │Comments(4)TrackBack(1)この記事をクリップ!CD批評:渡辺 貞夫
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1. 渡辺貞夫 (Sadao Watanabe)  [ 楽しい音楽を聴く♪ ]   2006年04月01日 03:37
渡辺貞夫 (Sadao Watanabe) ジャズ サックス奏者 渡辺貞夫(1933~)は栃木県宇都宮出身。元はクラリネット奏者。 18才の時サックスに転向し、1953年穐好敏子のコージー カルテットに参加。脚光を浴びる。1962年穐好敏子の援助 の下、ボストンのバークリー音楽院に...
この記事へのコメント
1. Posted by 宮月美樹    2006年03月29日 15:34
癒されるピアノ中心のJAZZCDを教えてください。心地よい睡眠のために^^
2. Posted by セラビー    2006年03月29日 15:56
宮月美樹さん,コメントありがとうございます♪
ピアノで一番のお奨めは「ジョー・サンプル/スペルバウンド」なのですが,廃盤になってしまったので入手困難です。癒し系ならSayaがいいですよ。
「スーパートリビア」のコーナーも参考に覗いてみてくださいね。
3. Posted by 吉祥寺サスライヤー    2006年03月29日 16:57
どうもでっす。実は最近私もたまたま吉祥寺jazz館の激安コーナーで渡辺さんのアナログを発見(105円!)したので買いました。私も渡辺貞夫さんは子供の頃テレビで見ていてアーティストってよりもタレントとして見てました。でも、やはりあそこまで名を広めた人って事で気になって買ってみたのですがこれが中々グルーヴィーで素晴らしい作品でした。モーニング?っていうタイトルでニューヨークのマンションのベランダでナベサダさんが凄いさわやかな笑顔でこれから朝食をとるようなジャケットです。かなりインパクト大です。
4. Posted by セラビー    2006年03月29日 17:38
吉祥寺サスライヤーさん,コメントありがとうございます♪
「モーニング・アイランド」のことですね。お聴きの通り,あれだけの豪華メンバーを従えたナベサダのSAXがノリもよくカッコイイです。いいもの見つけましたね。
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