SOLO MONK-1 正直,管理人はソロ・ピアノが好きではなかった。『SOLO MONK』(以下『ソロ・モンク』)と出会うまでは…。

 ジャズの本質はインプロヴィゼーションにあり,曲の構成は決まっていても,その場その場で,その瞬間に“最善”と感じたフレーズが自由に飛び交いあう。
 そこでインタープレイ! 当初そのジャズメンが考えてもいなかったフレーズが,互いに音を重ねつつ“切磋琢磨”し合う最中に,なにかの拍子で飛び出てくる! 名演と呼ばれるものの中には,当のジャズメン自身が“俺の中にこんなフレーズが眠っていたのか?”と驚いている節さえある。

 そう。深い井戸の泉から良いものだけを汲みだしてくれる。これぞインスパイア=インタープレイの醍醐味!  
 ゆえに管理人はピアノに限らず,自己完結のソロ・アルバムには,その“共演の妙”という楽しみが奪われた気がしてなかなか触手が伸びない方である。

 ただし真の天才は違う。真の天才は自分の頭の中に完成された“GOOD MUSIC”が鳴っていると言う。そうであればそれを忠実に表現しさえすれば良いだけのお話。
 そんなの空論!? いえいえ。それが本当に真実であることを見事に証明して見せたのが,ご存じ“天才”セロニアス・モンクによる『ソロ・モンク』である。
 ゆえに管理人は『ソロ・モンク』をソロ・ピアノ嫌いの「特効薬」としてお奨めしている。

SOLO MONK-2 セロニアス・モンクソロ・ピアノ・アルバムは全部で4枚あり,その全てが秀作に違いないが,管理人は『ソロ・モンク』が一番好きだ。

 その理由は“モンクス・ミュージック”の中でも『ソロ・モンク』が一番の「王道」だからである。正しく『ソロ・モンク』こそが“モンクス・ミュージック”の完成形なのである。
 スタンダードの解釈に時折垣間見せる“アンニュイな”セロニアス・モンクを心より愛している。

PS セロニアス・モンクは管理人が考えるジャズ・ファンの終着駅。本当は“モンクス・ミュージック”がいかに素晴らしいかを絶賛すべきと思ったが,管理人にとっては『ソロ・モンク』のおかげでソロ・ピアノへの道が開けた重要盤。今回はソロ・ピアノ・アルバムの視点が“モンクス・ミュージック”に勝ったということでご理解を…。

 
01. DINAH
02. I SURRENDER, DEAR
03. SWEET AND LOVELY
04. NORTH OF THE SUNSET
05. RUBY, MY DEAR
06. I'M CONFESSIN' (THAT I LOVE YOU)
07. I HADN'T ANYONE TILL YOU
08. EVERYTHING HAPPENS TO ME
09. MONK'S POINT
10. I SHOULD CARE
11. ASK ME NOW
12. THESE FOOLISH THINGS (REMIND ME OF YOU)
13. INTROSPECTION

 
THELONIOUS MONK : Piano

(コロムビア/COLUMBIA 1965発売/SRCS-9354)
(ライナーノーツ/マーティン・ウィリアムズ,成田正)

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