アナログレコード

 『HEAD HUNTERS』(以下『ヘッド・ハンターズ』)ほど,ジャズ・ファンから“ダメ出し”されてきたCDもないであろう。
 『ヘッド・ハンターズ』発売時のハービー・ハンコックは,すでにジャズ・ピアニストとしての名声を博していた。ジャズ界の将来を嘱望されていた,と言ってもいいだろう。そのハービー・ハンコックが“ジャズを裏切った”のだから,尤もである。
 これは“インテリ気取りの辛口批評家”管理人の言葉である。

 一方『ヘッド・ハンターズ』は,新しもの好きの音楽ファンに支持された。マーケットではバカ売れした。世間では,ハービー・ハンコックと言えば『ヘッド・ハンターズ』が代名詞だった。
 管理人は『ヘッド・ハンターズ』を『フューチャー・ショック』の発売後に耳にしたのだが『フューチャー・ショック』の,あの“斬新な音”の直後に聴いても,十分“新鮮味”を感じたものだった。カッコつけて述べると「あっ,フュージョンが変わっちゃったかな?」と思わせる“衝撃”が走ったのだ。このCDはいい。
 これは“現場たたき上げ”の管理人の言葉である。

 ん? 読者の皆さんには,手探りで『ヘッド・ハンターズ』と向き合う管理人の苦悩が伝わっているだろうか? 一方ではけなし,もう一方では誉める。なかなか評価が一定しない。
 なぜなら,このCDは好きなのだが,管理人の好きなハンコックとは“ジャズと相対している時の”ハンコックだからである。

 本当は,このエレクトリック・ファンク路線も含めてハンコックが大好きなのだが,好きだからこそ“新主流派”路線のハンコックを知って欲しいと願うのだ。
 では『ヘッド・ハンターズ』は駄作,と決め込めばいいのでは? NO。何せいい音出している! そうやすやすとは外せない。
 そう。『ヘッド・ハンターズ』は,並のフュージョンと比べれば高評価だが,ハービー・ハンコックの諸作の中では,そこそこの2番手グループ! 批評する“時と相手”によって相対的に評価が上下してしまい,明確な判断はいつも決めかねてしまう。

(1973年録音/SICP705)

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