アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

ボブ・バーグ / サイクル5

CYCLES-1 ジョン・コルトレーン亡き後,メディアはこぞってマイケル・ブレッカーマイケル・ブレッカー,たまにブランフォード・マルサリス…。
 ジャズテナー奏者と来れば「マイケル・ブレッカー1強時代」が存在したように思えるが,それは大きな誤りである。

 “巨星”マイケル・ブレッカーの影に隠れてしまいがちだがマイケル・ブレッカーと同時代のコルトレーン派のテナー奏者は秀逸揃い。
 名前を列挙するならスティーヴ・グロスマンデイヴ・リーブマンボブ・ミンツァートム・スコットゲイリー・トーマス…。

 ただし,上記のテナー奏者は皆マイケル・ブレッカーと比較すると明らかに分が悪い。そんな中,唯一,マイケル・ブレッカーとがっぷり四つで勝負できるテナー奏者がいた。ボブ・バーグである。

 「マイケル・ブレッカー1強時代」なのだから,実力が伯仲しようとも,ボブ・バーグが劣勢である。ボブ・バーグのことをマイケル・ブレッカーのモノマネだと揶揄する不届き者さえ存在する。

 断じてボブ・バーグマイケル・ブレッカーのコピーなどではない。かつてマイケル・ブレッカーボブ・バーグについて語った記事を覚えているが,マイケル・ブレッカーボブ・バーグのスタイルが似ているのは,2人で共に音楽について語り合い,サックスを練習する機会が多かったからだそうだ。
 そう。マイケル・ブレッカーのスタイルもボブ・バーグのスタイルも,自分一人の研究・努力で確立したものではなく,互いが互いに影響し合い構築した結果としての「圧巻の超絶の饒舌」なのであった。

 ボブ・バーグの4枚目のソロ・アルバム『CYCLES』(以下『サイクル』)は,実際にはボブ・バーグテナーサックスというよりもマイク・スターンギターを聴くためのアルバムなのだが(ボブ・バーグがダメなのではなくマイク・スターンが絶好調すぎて凄すぎる!)ちょうどマイケル・ブレッカーのライバルとしてボブ・バーグが注目を集め始めていた時期のアルバムであって,個人的にはボブ・バーグの魅力を聴き漁った時期の思い入れの強い名盤である。

 『サイクル』はとにかく6曲目の【マユミ】である。管理人は【マユミ】だけを100回は聴いているが一向に飽きることはない。
 なぜならばマイク・スターンとのユニゾンで盛り上がり続けるボブ・バーグに,あのブチギレ・マイケル・ブレッカーのド迫力とは違う種類の凄みに打たれて最高に気持ち良くなってしまうのだ。

 特に4分38秒からのクライマックスである。【マユミ】におけるボブ・バーグの凄みは「タネも仕掛けなし」でハッタリなし」のド迫力にこそある。
 ただ単純に一本調子のストレートなのではなく,深い音楽的素養と極めて高度な技術に裏打ちされた“マッスラな”ストレートに心が震わされてしまう。感情が見事に表現されている。この表現力には高い技術力が必要なのである。
 曲の進行と共に感情が高まっていく様がこれほどリアルに伝わってくる秘訣こそがボブ・バーグの「圧巻の超絶の饒舌」なのである。

CYCLES-2 熱く行きつつ,何をそこまでブチギレるのか心配になることもあるマイケル・ブレッカー。しかしマイケル・ブレッカーの強みはいつでも冷静なロボット・タイプでいられるところにある。
 同じ言語表現を持つボブ・バーグなのだがボブ・バーグは曲の世界に完全没入している。ボブ・バーグの強みはいつでも人情味を伝えられるところである。

 そう。ボブ・バーグは,役に入れば一瞬で涙を流せる女優さんのようなテナー奏者なのである。
 マイルス・デイビスチック・コリアマイク・スターンに愛された女優・ボブ・バーグ。その芸名は【マユミ】であった?

  01. BRUZE
  02. BACK HOME
  03. PIPES
  04. THE DIAMOND METHOD
  05. COMPANY B
  06. MAYUMI
  07. SO FAR SO
  08. SOMEONE TO WATCH OVER ME

(デンオン/DENON 1988年発売/32CY-2745)
(ライナーノーツ/中原仁)

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佐藤 允彦 / ダブル・エクスポージャー5

DOUBLE EXPORSURE-1 “ジャズ・ピアニスト”としての佐藤允彦が堪能できる,ベースエディ・ゴメスドラムスティーヴ・ガットとのピアノ・トリオライブ盤が『DOUBLE EXPROSURE』(以下『ダブル・エクスポージャー』)である。

 いや〜,デジタル・リズム・セクションと讃えられる世界指折りのリズム隊に即応し,尚且つ,いなしまくる佐藤允彦のオール・ラウンダーぶりが最高に素晴らしい!
 超絶4ビートに超絶フリージャズオーソドックススタンダードの甘いメロディーの合間に聴こえる,カチカチとキマりまくるスリリングなアドリブに大興奮!

 佐藤允彦の図抜けた構成力,クリーンなピアノ・タッチとグラデーション,どんなリズムにも乗りこなせる幅の広さに唸ってしまう。
 そうして特筆すべきはアドリブ・ラインの滑らかさ。1つのアイディアから次のアイディアへの淀みの無い流れの中で,浮かび上がる一発のフレージングにやられてしまう。スイングするピアノがとにかく分かりやすい。気持ち良い。

 『ダブル・エクスポージャー』のピアニスト佐藤允彦でなければならなかった。佐藤允彦が奏でるピアノ・トリオのハーモニーは他に聴き覚えがない。
 甘いメロディー・ラインを巧みに変化させていく佐藤允彦が,正に必要としたその場所にベースドラムがピンポイントで鳴っている。

 佐藤允彦が思い描く『ダブル・エクスポージャー』の世界観を完成させるには,名うてのデジタル・リズム・セクションが,つまりエディ・ゴメススティーヴ・ガットのリズム隊がどうしても必要とされていたのだ。

 ただし,佐藤允彦エディ・ゴメススティーヴ・ガットに求めていたのは佐藤允彦の意図を汲んだ演奏以上のものであった。
 そう。佐藤允彦の意図を汲んだその上で,しっかりとエディ・ゴメススティーヴ・ガットの「自分の音」を聴かせることだった。

DOUBLE EXPORSURE-2 だからこそ『ダブル・エクスポージャー』=佐藤允彦の「カットマン」の技術が際立つライブ盤へと仕上がったのだ。
 エディ・ゴメスベーススティーヴ・ガットドラムの軽やかでデジタルな動きに重しを置き,終始,自分のペースでアドリブを決めまくる佐藤允彦の大名盤

 ちょっと聴き始めの印象はエレピの音色も手伝ってスピーディーで軽やかな展開。演奏が分かりやすい。しかし2週目以降,しっかりと耳を傾けると実に硬派で,押し倒されてしまう印象を持つ。所々の内角攻めには思わずのけぞってしまう。

 そう。『ダブル・エクスポージャー』は,一発勝負のライブを支配した佐藤允彦の“作戦勝ち”な1枚であろう。

  01. GO NO SEN
  02. ALICE IN WONDERLAND
  03. BAMBOO SHOOTS II
  04. EVENING SNOW
  05. PHODILUS BADIUS
  06. FUMON
  07. THUS THE SONG PASSED
  08. NOUVELLE CUISINE
  09. DUKE'S CALYPSO
  10. ALL BLUES
  11. ST. THOMAS

(エピック・ソニー/EPIC/SONY 1988年発売/28・8H-5051)
(ライナーノーツ/油井正一,清水俊彦,原田充,佐藤允彦)

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チック・コリア+スティーヴ・ガッド・バンド / チャイニーズ・バタフライ5

CHINESE BUTTERFLY-1 世界最高峰のピアニストであるチック・コリアと世界最高峰のドラマーであるスティーヴ・ガッド
 それぞれソロでも大活躍なのだが,多忙なスケジュールの中,過去に幾度も共演しその度に超名盤を量産してきた「旧知の盟友」である。

 互いに「ほぼバンド・メンバーの仲」である2人が,改めて真剣にレギュラー・バンドを組んだと言うのだから驚いた。今更何を〜!?

 その答えは言葉ではなく音にある! 双頭バンドを主張するバンド名「チック・コリア+スティーヴ・ガッド・バンド」の『CHINESE BUTTERFLY』(以下『チャイニーズ・バタフライ』)の中で表現されている!

 ズバリ「チック・コリア+スティーヴ・ガッド・バンド」が目指したのは「新時代のブラジリアン・フュージョン」である。
 チック・コリアスティーヴ・ガッドの過去の共演盤を例として語るなら「チック・コリア+スティーヴ・ガッド・バンド」が目指したは『FRIENDS』の焼き直しであり『FRIENDS』のレギュラー化である。

 個人的にチック・コリアスティーヴ・ガッドと来れば,真っ先に連想してしまうのが『FRIENDS』である。
 チック・コリアの和やかなエレピに,落ち着いたスティーヴ・ガッドのナイスなグルーヴ。やっていることは凄いのに“ほのぼのセッション”のに雰囲気が堪らなく好き。
 チック・コリアエレピ片手に「新時代のブラジリアン・フュージョン」を始めようと決めた時,イメージしたのは『FRIENDS』で間違いないだろう。

 しかし同時に『FRIENDS』と来ればジョー・ファレルであり,ジョー・ファレル,と来れば『RETURN TO FOREVER』の連想ゲームがチック・コリアの脳裏をよぎったのも間違いない。
 なんだかんだで「チック・コリア+スティーヴ・ガッド・バンド」として新曲を数曲レコーディングした過程において,チック・コリアの頭の中に「新時代のブラジリアン・フュージョン」のイメージが固まった!

 そう。「チック・コリア+スティーヴ・ガッド・バンド」の結成理由は「第一期リターン・トゥ・フォーエヴァー」の焼き直しであり「第一期リターン・トゥ・フォーエヴァー」のレギュラー化である。

 それこそがオール新曲のCD1枚分の録音を終えて,なおも性格の異なる2枚目を吹き込んだ理由である。もっと言えば『RETURN TO FOREVER』発表時以来,45年振りにレコーディングされた【RETURN TO FOREVER】再演の理由であろう。

CHINESE BUTTERFLY-2 「チック・コリア+スティーヴ・ガッド・バンド」は,フロント陣担当のチック・コリアとリズム隊担当のスティーヴ・ガッドの分業化がバンド運営の肝であろうが,チック・コリアジョー・ファレルの代わりに見立てたスティーヴ・ウイルソンが見事にハマッテいる。
 スティーヴ・ウイルソンフルートに運ばれたチック・コリアローズピアノが史上最高に響いている。これはオリジナルを越えたかなぁ。

 全曲ライト・フュージョンであり全曲ライト・ブラジルの『チャイニーズ・バタフライ』。
 その後ろに『FRIENDS』と『RETURN TO FOREVER』を感じられるファンにとっては愛聴盤になるに違いない。

 そうではない,過去のバックボーンなしの新規ファンも大いに楽しめるとは思うのだが…。スティーヴ・ガッドさん,最近はちょっとぬるいのかもしれません…。
 今更何を〜!?パート2だけが心配な星5つの新バンドの誕生です。

  CD1
  01. CHICK'S CHUMS
  02. SERENITY
  03. LIKE I WAS SAYIN'
  04. A SPANISH SONG
  05. CHINESE BUTTERFLY

  CD2
  01. RETURN TO FOREVER
  02. WAKE-UP CALL
  03. GADD-ZOOKS

(ストレッチ・レコード/STRETCH RECORDS 2017年発売/UCCJ-3035/6)
(CD2枚組)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/原田和典,チック・コリア,スティーヴ・ガット,リオーネル・ルエケ,スティーヴ・ウィルソン,カリートス・デル・プエルト,ルイシート・キンテーロ)

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DIMENSION / 305

30-1 『30』が好きだ。『30』は「ただ派手だとか,ただカッコ良いとか,ただ楽しいとか」そういうレベルのアルバムではない。

 『30』には,増崎孝司ギターにしても,小野塚晃キーボードにしても,勝田一樹アルトサックスにしても「近未来フュージョンユニット」の過去のDIMENSIONに憧れて作ったような雰囲気を感じる。

 『30』はDIMENSIONの25周年記念盤である。ただし,DIMENSIONとは,1枚1枚のアルバム制作に精魂込めて全力投球するバンドである。
 普段のメンバーのコメントを聴いている限り,キリ番の『30』だからといって「特別なアニバーサリー感」など無いはずである。

 『30』は惜しくも“最高傑作”の更新とはならなかったが,管理人は『30』に特別な地位を付与したい。『30』こそがDIMENSIONのDNAを受け継ぐ「ザ・ディメンション」“象徴”の1枚に違いない。

 つまり『30』こそが,DIMENSIONの最初の1枚にふさわしく,DIMENSIONの最後の1枚にも成り得る要素を備えている。
 DIMENSIONの過去と現在,そして未来を結び合わせる特別な1枚だと思う。

 管理人は考えた。DIMENSION25周年を1枚で網羅する『30』には,今年の4月にリリースされた『BEST OF BEST 25TH ANNIVERSARY』の影響が少なからずあると思う。

 『BEST OF BEST 25TH ANNIVERSARY』の“売り”は,オール・ヒットのベスト盤ではない。『BEST OF BEST 25TH ANNIVERSARY』の“売り”は,リマスタリングであり,音源を差し替えた過去音源のブラッシュアップにある。
 このスタジオ・ワークを行なった影響が『30』で去来する,過去のDIMENSIONへの憧れを生じさせたように思う。

 DIMENSIONとは「超絶であり,メロディアスであり,バラード」である。そのことを再確認したがゆえの「超絶ありの,メロディアスありの,バラードありの」『30』の完成なのだ。
 今の“成熟した”DIMENSIONが,過去の“青二才”のDIMENSIONを演奏してみせた。そんなアルバムだと思う。

30-2 『BEST OF BEST 25TH ANNIVERSARY』のパワーを原動力として,突っ走った『30』の「超絶も,メロディアスも,バラードも」これぞ「ザ・ディメンション」の一級品。

 若い頃のDIMENSIONは,当然カッコ良かったが,歳を重ねた「近未来フュージョンユニット」が超カッコ良い。
 過去のどのDIMENSIONでも表現できなかった「派手さ,カッコ良さ,楽しさ」のレベルが奥深い。25年間,DIMENSIONを続けてきたからこその『30』の完成であろう。

 DIMENSIONにとって『30』とは,いつも通りの年一の1枚に過ぎないのだろう。
 ただし,25年間,DIMENSIONを聴き続けてきたファンにとっては『30』の響きは,間違いなく「特別なアニバーサリー盤」そのものである。

 そう。『30』はDIMENSIONの自然体の大名盤。無意識のうちに作り上げられた“現在進行形”『30』の響きは,ちょっとやそっとでは超えることのできない高みに達している。

  01. Delusion
  02. Alive The Edge
  03. Mystic Eyes
  04. An Empty Dream
  05. Take It Up
  06. Turning Point
  07. Dance The Dance
  08. Fish Story
  09. Shadowy
  10. Unnatural Life

(ザイン/ZAIN RECORDS 2017年発売/ZACL-9097)
(☆スリップ・ケース仕様)
(☆BLU−SPEC CD2仕様)

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e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ) / ヴァイアティカム+ライヴ5

VIATICUM + LIVE IN BERLIN-1 「e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)」の“最高傑作”『VIATICUM』に『LIVE IN BERLIN』をカップリングして新たに再発?されたのが『VIATICUMLIVE IN BERLIN』(以下『ヴァイアティカム+ライヴ』)である。

 『VIATICUM』が素晴らしいのは言うまでもない。そんな大名盤に「e.s.t.」絶頂期のライブ盤がカップリングされたのだから,これ以上何を望めよう。
 管理人は『ヴァイアティカム+ライヴ』リリースの意味とは「e.s.t.」のファン向けという以上に,エスビョルン・スヴェンソン亡き後,喪失感を覚えていたダン・ベルグルンドマグヌス・オストラムを慰めるため,そして2人へ再始動を促すための企画ものだと思っている。

 そんな企画ものの性質上『VIATICUM』については『ヴァイアティカム批評を参照していただくとして,ここでは『LIVE IN BERLIN批評についてのみ記すこととする。

 『LIVE IN BERLIN』を聴いて,まず痛感したのは「e.s.t.」は3ピースのバンドだったという事実だ。
 個人的に「e.s.t.」がバンド・サウンドを前面に押し出してきたのは『SEVEN DAYS OF FALLING』からだと思っているが『LIVE IN BERLIN』の壮絶なライブを聴き終えて,改めて「e.s.t.」が「3つの肉体,6本の腕,1つの頭脳」と称される理由を鑑みる気分がした

 これは『LIVE IN BERLIN』が,キース・ジャレットトリオと同じ,ピアノ・トリオライブ盤だから余計に感じるのだろうが,個性の強い3人のせめぎ合いで芸術性をぐいぐいと高みに持っていこうとするキース・ジャレットに対し,エスビョルン・スヴェンソンは個人の個性以上にバンドとしての個性を追及している。

 「e.s.t.」にあって他のピアノ・トリオに無いもの。それはそれぞれの曲に対し,バンドとしてどうプレイするか,それがメンバー間で合意形成できている点にある。
 その“暗黙の了解”とか“阿吽の呼吸”が蜜だからこそ,アドリブの自由度が高い。毎回の演奏が予定調和で終わらない。いつでもリラックスと緊張感が程よく保たれているように聴こえる。

 その意味で『LIVE IN BERLIN』は,普段と何ら変わらない「e.s.t.」の1回のライブの記録のように思う。
 そう。『LIVE IN BERLIN』は,格段に素晴らしい決定的なライブではない。収録曲4曲,演奏時間も40分。どちらかと言えば単体でリリースしようにもできない「帯に短したすきに長し」的な音源集であって,オフィシャル海賊盤チックなライブ盤だと思っている。

 そんな記録用音源=『LIVE IN BERLIN』でもヤラレテしまうのだから,逆に「e.s.t.」の物凄さが際立っている。
 三者三様,自由な音選びでありながら,このうちの一人でも欠けたら「e.s.t.」の音世界は絶対に存在しなくなる。3つの異なる個性が1つでも2でも,そして3つでも確実にフィットする信頼感とコンビネーションが根底にある。互いに互いの音を聴き,次の音選びを予想することができるのだろう。

VIATICUM + LIVE IN BERLIN-2 ライブのハイライトとはハプニングである。曲が進行する過程で全く新しい曲へと変化していく。『LIVE IN BERLIN』がそのことを証明してくれている。
 だからエスビョルン・スヴェンソンが亡くなった時,ダン・ベルグルンドマグヌス・オストラムにとってメンバー・チェンジなど考えられなかったのだろう。

 エスビョルン・スヴェンソン亡き今「e.s.t.」は完全終了である。『ヴァイアティカム+ライヴ』で「e.s.t.」は完全終了した。

 『ヴァイアティカム+ライヴ』の真実とは「傷心のダン・ベルグルンドマグヌス・オストラムに捧ぐ」なのだと思う。

  Disc 1:Viaticum
  01. Tide Of Trepidation
  02. Eighty-eight Days In My Veins
  03. The Well-wisher
  04. The Unstable Table & The Infamous Fable
  05. Viaticum
  06. In The Tail Of Her Eye
  07. Letter From The Leviathan
  08. A Picture Of Doris Travelling With Boris
  09. What Though The Way May Be Long

  Disc 2:live in Berlin
  01. A Picture Of Doris Travelling With Boris
  02. In The Tail Of Her Eye
  03. The Unstable Table & The Infamous Fable
  04. The Rube Thing
  05. All The Beauty She Left Behind

(ビデオアーツ/ACT 2008年発売/VACG-1003/4)
(CD2枚組)
(ライナーノーツ/廣瀬大輔)

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伊東 たけし / ヴィジョンズ4

VISIONS-1 『VISIONS』(以下『ヴィジョンズ』)は,伊東たけしT−スクェア退団後のソロ第一弾アルバム。

 伊東たけしが本当にやりたかった音楽。その答えが『ヴィジョンズ』にたっぷりと詰まっているはず。
 そう思って聴き込んだ『ヴィジョンズ』の印象は,まさかのフィリップ・セスであった。伊東たけし安藤まさひろの腕から離れフィリップ・セスに抱かれている。

 『ヴィジョンズ』でスクェア・カラーが消された理由は伊東たけしサックスの“先鋭的な鳴り”にある。
 明るく爽やかな“T−スクェアのフロントマン”としての伊東たけしは『ヴィジョンズ』の中にはもはやいない。『ヴィジョンズ』の中にいるのは“HIPでCOOLな”ハイテンション・サックス・プレイヤー。再デビューしたかのような振り幅である。

 では『ヴィジョンズ』は駄盤なのかというとそうではない。『ヴィジョンズ』の最先端NYサウンドを駆け巡る,伊東たけしアルトサックスが相当にカッコ良い。
 アメリカ進出と言う目的でリリースされたスクェアの『WAVE』。その中の【BIG CITY】で痺れたあの感じが押し寄せてくる。

 スクェア・ファンであればあるほど,激変した伊東たけしばかりが耳に付くことと思うが,伊東たけしが目指した『WAVE』の夢の続きは,山下達郎と共演した【BLOW(N.Y.VERSION)】と『NATURAL』収録【HAPPY SONG】の聴き慣れたセルフ・カヴァーにこそ如実に表現されていると思う。

VISIONS-2 伊東たけしの中のアメリカとはLAのラス・フリーマンではなくNYのフィリップ・セスだったのだろう。でもよくよく聴くとフィリップ・セスではなく住友紀人だったりもする。

 伊東たけしとしてはオールド・セルマーへと音色も変えて,サックス一本で勝負していくためのEWIプレイヤー=住友紀人の起用だったと思うが,同じEWIプレイヤーだから分かった住友紀人のNYな才能に徐々に惹かれていくこととなる…。

 「影武者」住友紀人の覚醒は『ヴィジョンズ』におけるフィリップ・セスの音楽眼! 分かるかなぁ〜。

  01. MARBLES
  02. CORE ZONE
  03. VISION
  04. GAIYA
  05. BLOW (N.Y. VERSION)
  06. HAPPY SONG
  07. IN THE DISTANCE
  08. MANKALA

(アトランティック/MMG ATLANTIC 1992年発売/AMCM-4135)

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