アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

メデスキ,マーチン&ウッド / トニック5

アナログレコード

 メデスキ,マーチン&ウッドと聞いて,眉をひそめるジャズ・ファンは多いだろう。その大半は,4ビート以外はジャズとは認めない,なんとも頑固で可哀想な人たち?である。
 勿論,どんな音楽どんなジャズを聴こうとも,それはその人の自由! 好みの問題なので,メデスキ,マーチン&ウッドを受け付けないのも致し方ない。誰しもどうしても受け付けないジャズメンの一人や二人はいるものだ。
 しかしここで管理人が指摘したいのは,メデスキ,マーチン&ウッド → ジャム・バンド → 正統派ジャズ・ファンは聴くものではない,と言う構図にハマッテはいないか? 要するに「喰わず嫌い」ではなかろうか?と叫びたいのだ。

 そもそもジャズの歴史は「何でもありの排他性なし」。多くの革命を経てジャズは進化を遂げてきた。そう。ジャズの魅力は,それがハード・バップだから,これがピアノ・トリオだから,と言った音楽形態の優劣ではない。アドリブインプロヴィゼーションの冴えなのである。

 アドリブインプロヴィゼーションが目的ならアンチ・ジャムは矛盾する。なぜならば,ジャムとは,ロック畑のインスト・インプロヴィゼーション! アンチ・ジャムは70年代のアンチ・ジャズ・ロックの歴史を繰り返すことに他ならない。
 そう。ジャムを,メデスキ,マーチン&ウッドを嫌うのは一向に構わないが,単なる「喰わず嫌い」は“もったいない”。このアドリブを聴き逃してはならない! 是非,自分の好みと合わないか一聴してから判断してほしい。 ← 幾分おせっかいが過ぎたかなぁ。でも聴いた人の半数ぐらいは,管理人のような“おせっかい焼き”に変貌すること請け合いですよっ? ジャズは4ビートに限る,と主張するのはもう辞めましょ?

 さて,おせっかいついでに,正統派ジャズ・ファンを自認する人への,メデスキ,マーチン&ウッドの一枚目としては『TONIC』(以下『トニック』)がいい。
 『トニック』は,メデスキ,マーチン&ウッドにしては珍しい,生ピアノに生ベースの全編アコースティック・セットでのライブ盤! これが超いける! 4ビートを聴き込んだ耳にも,驚嘆のインプロヴィゼーションの“雨嵐”であろう。

 特筆すべきはジョン・メデスキ! いつものオルガンを手放し生ピアノと対峙する新境地! 元来,ジャズ・ピアニストとしてピアノを知り尽くしたジョン・メデスキが,ピアノ版の電気グルーヴを産み落としていく! いや,生ピアノであるがこそ,電化の覆いを剥ぎ取った“生身のグルーヴ”がストレートに伝わってくる!

 いつもと勝手が違うであろう,ビリー・マーチンクリス・ウッドのリズム隊も“躍動する”ジャズ本来のビートで,ジョン・メデスキを攻めたてる! とぐろを巻き,スパイラルに陥るこのトランスこそ,現代の“疑似”4ビートである。

 『トニック』に,オルガンジャズメデスキ,マーチン&ウッドを期待すると“肩すかし”を喰らってしまう。
 しかし『トニック』には,メデスキ,マーチン&ウッドの“本質”が他のどのCDにも増して鮮明に記録されている。聴き込めば聴き込むほど,いつものメデスキ,マーチン&ウッドの音そのもの,であることに気付かされるに違いない。
 アンプラグドであるがゆえ,一層浮き彫りにされる彼ら3人の底力! オルガン抜きで成立した電気グルーヴ
 そう。ジャムジャズ! ジャムアドリブ! 本物を聴き込んだ耳には「ジャズ」も「ジャム」も相違なく聴こえるはずである。

(1999年録音/TOCP-65445)

ランキングを見てみよう!

JAZZ PIANO BEST SELECTION TOP31-2

 《 ジャズにおいてピアノを究めた者はいまだかつて現れていない。
 トランペットマイルス・デイビスによって,アルト・サックスチャーリー・パーカーによって,テナー・サックスジョン・コルトレーンによって,それぞれ究められてしまった。
 最大音域の自由と平均律の呪縛を併せもつこの楽器とアーティストたちの感性と創造性との果てしない闘争は,やがて熟成された空気となって満ちてくる。 》

 「JAZZ PIANO BEST SELECTION TOP31」。
 今回は22位〜24位の発表です。

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★24.BUD POWELL IN PARIS
バド・パウエル


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★24.JUNIOR
ジュニア・マンス


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★24.YOU MUST BELEIVE IN SPRING
ビル・エヴァンス


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★22.SOLO MONK
セロニアス・モンク


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★22.MAIDEN VOYAGE
ハービー・ハンコック


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 黄金の中盤は“ハード・バップ”系のピアニストたちで固められてきた模様!

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アメーバブログ(アメブロ)の読者の皆さんへ

AMEBLO RANKING<br>
 親愛なるアメーバブログ(アメブロ)の読者の皆さんへ

 こんばんは。私,セラビーはすっかり「ライブドア・ブログ」の人間になってしまいました。
 そうです。セラビーのジャズフュージョンブログは「アメーバブログ」から「ライブドア・ブログ」へ引っ越しました。

 幾人かのアメブロの読者の皆さんにはコメント欄をお借りしてご挨拶させていただきましたが,ぽつぽつと心配メールが届いてきますので,この場をお借りして報告させていただきます。

 私,アメブロには結構,思い入れがありました。
 【アメーバブログ運営局スタッフより】「ADLIBlog」について「アルバム批評がすごく詳しく書かれています。ジャズの初心者はジャズを知るためのの情報源として、ジャズファンはアルバム購入の参考としてこのブログを利用してみてはいかがでしょう」との紹介文まで頂いたことがありました。
 でもでも,あのメンテ地獄とランキング上位者潰しに嫌気が差しまして,使い勝手と安定性で評判の「ライブドア・ブログ」へお引越し〜。

 引越しに合わせてブログ・タイトルもライブドア仕様へ変更させていただきました。

ブログ(アメブロ) : 「ADLIBlog 〜セラビーのJAZZ/FUSION WORKSHOP〜」(略「ADLIBlog」)
ブログライブドア) : 「アドリブログ 〜セラビーのJAZZ/FUSION批評」(略「アドリブログ」)

 アメブロ同様,ライブドア・ブログでも引き続き仲良くしてくだされば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

PS 上記画像は「ADLIBlog」栄光のアメブロ「音楽ランキング:2位」のスクリーンショットです。勿体無かったかも?

 アドリブをログするブログ,それがアドリブログ。


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矢野 沙織 / YANO SAORI / IN A SENTIMENTAL MOOD4

 『YANO SAORI』の10曲目は【IN A SENTIMENTAL MOOD】(以下【イン・ア・センティメンタル・ムード】)。


 矢野沙織が,真正面からジャズの王道に取り組んだ【イン・ア・センティメンタル・ムード】での“貫禄”ある演奏が好きだ。
 これは正攻法に見えて,矢野沙織にとってかなりの大チャレンジであろう。一切小細工無しの演奏は,自ら言い訳の“退路を断った”証し。そう。逃げも隠れもせず,しっかりと吹き込んでいく。「ドンと来い」の貫禄。

 【イン・ア・センティメンタル・ムード】の,バラードサックスは数多いゆえ,ひいき目に見て完璧とは言い難い。
 でもこのビブラート&ブレない演奏姿勢! この一音一音に魂を吹き込んでいく“静かに熱い”名演に感動させられる。

SAORI YANO : Alto Saxophone
MASAAKI IMAIZUMI : Piano
SHIN KAMIMURA : Bass
MASAHIKO OSAKA : Drums
 

矢野 沙織 / YANO SAORI / BOHEMIA AFTER DARK4

 『YANO SAORI』の7曲目は【BOHEMIA AFTER DARK】(以下【ボヘミア・アフター・ダーク】)。


 有名バップ・ナンバー【ボヘミア・アフター・ダーク】に“熱演”を期待してしまうと“肩すかし”を喰らってしまう。勿論,熱演ではあるのだが,このトラックの仕上がり具合は“クール”である。

 松島啓之トランペットとのユニゾン・テーマは,若干スロー・テンポでありフレーズが乾いている。クールに吹ききっている!
 1分29秒から始まる矢野沙織アルト・ソロは,一転ハイスピード! これぞ2003年型【ボヘミア・アフター・ダーク】である。

 ここで管理人の本音を記そう。クールな【ボヘミア・アフター・ダーク】は好きではない。やはり“キャノンボール・アダレイ風”高速大ブロー無しの【ボヘミア・アフター・ダーク】はつまらない。
 幸い,ライブでの演奏はハード・バップ“仕様”で盛り上がっていた。矢野沙織の【ボヘミア・アフター・ダーク】はCDよりライブである。

SAORI YANO : Alto Saxophone
KEIJI MATSUSHIMA : Trumpet
HAROLD MABERN : Piano
NAT REEVES : Bass
JOE FARSWORTH : Drums
 

矢野 沙織 / YANO SAORI / BLACK ORPHEUS4

 『YANO SAORI』の6曲目は【BLACK ORPHEUS】(以下【黒いオルフェ】)。


 【黒いオルフェ】の名演は多いが,このトラックは他の誰とも似ていない,矢野沙織流。この“雰囲気たっぷり”の解釈が16歳の女子高生によるものと世間の誰が思おうか…。

 1分34秒から始まるロング・ソロは,基本=静かで深くそしてダーク。しかし2分17秒からと2分42秒からのブローでヤマ場も作る。さすがである。
 そんな中,管理人の好みは3分20秒からの6秒間! 今泉正明ピアノ・ソロへとつなげる“フェード・アウト”の感じが実にキマッテイル。
 もう自分自身の演奏はおいといて,共演者と共に楽曲の出来を気にかける。実に“頼りになる”最年少・バンド・リーダーがここにいる!

SAORI YANO : Alto Saxophone
MASAAKI IMAIZUMI : Piano
SHIN KAMIMURA : Bass
MASAHIKO OSAKA : Drums
 
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