アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

チック・コリア・エレクトリック・バンド / トゥ・ザ・スターズ・ツアー・エディション / PORT VIEW 13

 『TO THE STARS TOUR EDITION/DISC 1』の2曲目は【PORT VIEW 1】(以下【ポート・ヴュー 1】)。


 【ポート・ヴュー 1】は,これから続く,長〜い宇宙旅行に出かけることへの「期待と不安」をチック・コリアなりに表現した,と見たがいかがなものか?
 まだ宇宙船は船出したばかりで,母なる地球への哀愁が強まってきた時にバックで流れる音だ。 ← ナンノコッチャ。

CHICK COREA ELEKTRIC BAND
CHICK COREA : Keyboards, Piano

チック・コリア・エレクトリック・バンド / トゥ・ザ・スターズ・ツアー・エディション4

TO THE STARS TOUR EDITION-1 「チック・コリア・エレクトリック・バンド」が,12年という時空間を越えて,ジャズフュージョン・ファンのもとに舞い戻って来てくれた。
 タイトルはズバリ『TO THE STARS』(以下『トゥ・ザ・スターズ』)! 「チック・コリア・エレクトリック・バンド」の新作にふさわしいタイトルである。

 確かに,キーボードチック・コリアに,ベースジョン・パティトゥッチドラムデイブ・ウェックルサックスエリック・マリエンサルギターフランク・ギャンバレと,5人のオリジナル・メンバーが全員揃った「チック・コリア・エレクトリック・バンド」の再結成は,はったりなしで“2004年最高の話題作”であった。

 う〜ん。残念ながら『トゥ・ザ・スターズ』は文字通り“最高の話題作”止まりかな?
 お〜っと,誤解がないように念押ししておくが,演奏の“質”そのものは最高! 「よくもまあ」という表現がピッタリの,最高のテクニック,ユニゾン,アドリブを披露してくれている。またまた腕を上げている。演奏に対する不満など“微塵”も感じさせない。

 では何が不満なのかと言うと『トゥ・ザ・スターズ』の“完全なるコンセプト・アルバム”仕立てが鼻につく。
 リーダーであるチック・コリアでさえ黒子に徹した「主役不在・オール脇役」風なBGMに聴こえてならないからである。

 チック・コリアのSF作家=L・ロン・ハバード好きは余りにも有名であるが,とりわけ『トゥ・ザ・スターズ』の一番の愛読者を公言している。
 そんなチック・コリアが“話題をかっさらうに決まっている”「チック・コリア・エレクトリック・バンド」再結成のタイミングで(ついにと言うか,念願のと言うか)『トゥ・ザ・スターズ』を勝手に?サントラ化してきたのである。
 『トゥ・ザ・スターズ』のライナーノーツには,ご丁寧にもチック・コリア自身による,本家『トゥ・ザ・スターズ』の解説書まで付いているではないか! この“熱の入れ具合”はただ事ではない。

 このような前置き抜きに一聴しても,すぐにそれと分かる抽象的な音! アルバム全般にチック・コリアのSFイメージが散りばめられている。
 間奏にあたるであろう【PORT VIEW】がその最たる特徴となっている。そういう意味では“狙い通りの大成功”なのであろう。ハマル人にはハマル! そんなアルバムなのだと思う。

 もし読者の皆さんの中に,SF好き,あるいはチック・コリア大好き人間がいるのなら,その人にとって『トゥ・ザ・スターズ』はかなりの“お奨め”なのかもしれない。
 しかしチック・コリアを聴くのが目的ではない,単なる“ジャズフュージョン好き”には…?である。

 ただし「エレクトリック・バンド」の“至福の音”が聴ける! この事実をどう評価するかが肝であろうが,個人的には大満足!
 チック・コリアさまさま。新生「エレクトリック・バンド」の再結成を・あ・り・が・と・う!

 なお『トゥ・ザ・スターズ』には,ボーナスCD付きの『TO THE STARS TOUR EDITION』(以下『トゥ・ザ・スターズ・ツアー・エディション』)なる「後出し」新バージョンが存在する。カモである管理人は即買い直し〜!

 『ツアー・エディション』とは『トゥ・ザ・スターズ』本編のレコーディング前に行なわれた“指慣らし”目的のスタジオ・ライブ音源。
 選ばれた4曲は過去の「エレクトリック・バンド」2曲+「エレクトリック・バンド」2曲からのレパートリーだから『トゥ・ザ・スターズ』のフォロー・ツアーを見据えた“軽めのセッション”気分なのだろうが,これが凄い&もの凄い!

TO THE STARS TOUR EDITION-2 顔合わせで音合わせ的な長尺の演奏は,たっぷりと時間を取り分けた全メンバーのソロ廻しに“悶絶”。リアレンジされた【GOT A MATCH?】と【ETERNAL CHILD】が「エレクトリック・バンド」史上最高の大名演
 【CTA】と【BLUE MILES】に至っては「エレクトリック・バンド」名義のオリジナルとは似ても似つかぬ“豹変ぶり”!

 なんたってエリック・マリエンサルからして大変身してしまっている。ジョン・パティトゥッチデイブ・ウェックルが加入すると,こんな感じに変わるんだ〜。フランク・ギャンバレが大物になって帰ってきたんだな〜。

 管理人の結論。『トゥ・ザ・スターズ・ツアー・エディション批評

 『トゥ・ザ・スターズ』本編は,チック・コリア・ファンのための“コレクターズ・アイテム”であって往年の「エレクトリック・バンド」ファンが買うべきアルバムではない。

 「エレクトリック・バンド」ファンが購入すべきは,断然『ツアー・エディション』!
 管理人は専らボーナスCDばかりを愛聴しています。『ツアー・エディション』は,往年の「エレクトリック・バンド」ファンにとっても「涙もの」の“コレクターズ・アイテム”ですよっ。

  DISC 1
  01. CHECK BLAST
  02. Port View 1
  03. MISTRESS LUCK - A PORTRAIT
  04. MISTRESS LUCK - THE PARTY
  05. Port View 2
  06. JOHNNY'S LANDING
  07. Port View 3
  08. ALAN CORDAY
  09. Port View 4
  10. HOUND OF HEAVEN
  11. Port View 5
  12. THE LONG PASSAGE
  13. Port View 6
  14. JOCELYN - THE COMMANDER
  15. Port View 7
  16. CAPTAIN JOCELYN - A TRIBUTE BY HIS CREW
  17. CAPTAIN JOCELYN - THE PIANIST

  DISC 2 (Bonus CD)
  01. CTA
  02. ETERNAL CHILD
  03. GOT A MATCH?
  04. BLUE MILES

(ストレッチ・レコード/STRETCH RECORDS 2005年発売/UCCJ-9073)
(ライナーノーツ/チック・コリア,小川隆夫)
(CD2枚組)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)

JAZZ PIANO BEST SELECTION TOP31-4

 《 ジャズにおいてピアノを究めた者はいまだかつて現れていない。
 トランペットマイルス・デイビスによって,アルト・サックスチャーリー・パーカーによって,テナー・サックスジョン・コルトレーンによって,それぞれ究められてしまった。
 最大音域の自由と平均律の呪縛を併せもつこの楽器とアーティストたちの感性と創造性との果てしない闘争は,やがて熟成された空気となって満ちてくる。 》

 「JAZZ PIANO BEST SELECTION TOP31」。
 今回は12位〜16位の発表です。

----------------------------------------------------------------------------

★16.CONCERT BY THE SEA
エロール・ガーナー


----------------------------------------------------------------------------

★14.KELLY AT MIDNITE
ウィントン・ケリー


----------------------------------------------------------------------------

★14.NOW HE SINGS, NOW HE SOBS
チック・コリア


----------------------------------------------------------------------------

★13.SONNY CLARK (BN)
ソニー・クラーク


----------------------------------------------------------------------------

スピーク・ロウ★12.SPEAK LOW
ウォルター・ビショップ・ジュニア


----------------------------------------------------------------------------

 このランキングこそ,ジャズ喫茶マスターズ・セレクトの証し! マニアが抱きしめる,ツウな愛聴盤のオンパレード!

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)

伊東 たけし / T.K. / THIS IS THE NIGHT4

 『T.K.』の3曲目は【THIS IS THE NIGHT】(以下【ディス・イズ・ザ・ナイト】)。


 【ディス・イズ・ザ・ナイト】は,男女ツイン・ボーカルによるラブ・バラード。この曲調と伊東たけしアルト・サックスは“意外”と相性が良い。伊東たけしの“絞り出す感じ”のサックス・プレイが,恋愛の“感情表現”としては,ハマッテいる。
 
 イントロや間奏で聴こえるアルト・サックスは,間違いなく“ディス・イズ・ザTK”! 伊東ファンとしては,この“テイスト”さえ感じさせてくれれば,それ以上,何を要求すると言うのだろう。

 2分31秒からの,サビに“かぶせながら”入ってくるアルト・ソロには大満足! 【ディス・イズ・ザ・ナイト】での伊東たけしは,恐らくザ・スクェアでは“禁句?”のフレーズを繰り出しており,これこそソロCDを制作する“意味があった”と言うものだ。
 “ジャズメン”伊東たけしを少しは味わえたかなぁ。

 ただし,この点は繰り返し強調しておくが“意外と良い”のであって,間違っても管理人の好みではない。

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine and Programming
DON ALIAS : Percussion
MARC COHN and LANI GROVES : Lead Vocals
LANI GROVES, LISA FISHER and CURTIS KING : Background Vocals

伊東 たけし / T.K. / FAMOUS4

 『T.K.』の2曲目は【FAMOUS】(以下【フェイマス】)。


 【フェイマス】は1988年の住友金属,TVCFイメージ・ソングとしてブラウン管に流れたので(←表現が古い?)聞き覚えのある方も多いのでは?
 管理人もバックで流れていたこのメロディよりも,崖の上でアルト・サックスを“吹き鳴らす”伊東たけしの映像の方が印象に残っている。

 【フェイマス】での,伊東たけしのプレイは完璧である。伊東たけし特有の“くすんだ”音色と“TK節”も全開である。
 しかし彼のその魅力がストレートに伝わってこない。なぜか? ビートがダンサブルで,いかんせん“タテノリ”なのである。

 例えばイントロからのテーマ36秒間と,後半2分53秒以降の盛り上がり部分を聴いてほしい。主役は明らかに打込みである。タテノリに負けた伊東たけしサックスは,悲しいかな,サイドメン的な音がする。

 とは言え【フェイマス】は伊東たけしライブでの18番! トラック自体に不足はない。伊東たけしには,フロントを立てる“良いバックと良いアレンジで”末永くプレイしてほしいと思う。

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers and Programming
DON ALIAS : Percussion
RANDY FREDRIX : Lead Vocal
LANI GROVES : Radio Broadcast
LANI GROVES, LISA FISCHER and CURTIS KING : Background Vocals
Guitar Samples Courtesty of NICKY MOROCH

伊東 たけし / T.K. / COWBELL3

 『T.K.』の1曲目は【COWBELL】(以下【カウベル】)。


 【カウベル】はディスコ・ナンバーであって“フュージョン”とは呼び難い。打込みとサックスとでは8:2。これではアドリブどころではない。

 伊東たけしの唯一の見せ場が1分46秒から始まるが,音がこもっている。フュージョンサックスさえも忘れてしまったのだろうか?

 良くできたダンス・ミュージックをお探しであれば一聴の価値もあるのだろうが…。
 我が耳を疑い何度もチャレンジしてみたが,その度に表情が曇ってしまった。「可愛さ余って憎さ百倍」とはこのことだ。

TAKESHI ITOH : Alto Sax
DAVID FRANK : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine and Programming
JEFF LORBER : Piano and Synthesizer solo

livedoor プロフィール

セラビー

記事検索
Categories
Keith Jarrett Gallery

キース・ジャレット(真田馨子) おんがく日めくり(c) keiko sanada
Pat Metheny Gallery

パット・メセニー(野々口和仁)
(c) Kazuhito Nonoguchi
ジャズ・アフィリエイト
セラビー厳選CD

パリ・コンサートパリ・コンサート
キース・ジャレット

THE WAY UPTHE WAY UP
パット・メセニー・グループ

イン・ア・サイレント・ウェイイン・ア・サイレント・ウェイ
マイルス・デイビス

HEAVY WEATHERHEAVY WEATHER
ウェザー・リポート

BRAINCOOL STRUTTIN'
ソニー・クラーク

MINT JAMSMINT JAMS
カシオペア

HUMANHUMAN
T-スクェア

LEFT ALONELEFT ALONE
マル・ウォルドロン

フル・ハウスフル・ハウス
ウェス・モンゴメリー

ザ・シーン・チェンジズザ・シーン・チェンジズ
バド・パウエル

セロニアス・モンク・トリオセロニアス・モンク・トリオ
セロニアス・モンク

枯葉枯葉
チェット・ベイカー

MOANIN'MOANIN'
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

BLOWIN' THE BLUES AWAYBLOWIN' THE BLUES AWAY
ホレス・シルヴァー

ウィントン・マルサリスの肖像ウイントン・マルサリスの肖像
ウイントン・マルサリス

メイティング・コールMATING CALL
タッド・ダメロン

Blu-spec CD ジャコ・パストリアスの肖像ジャコ・パストリアスの肖像
ジャコ・パストリアス

ザ・キング・イズ・ゴーンザ・キング・イズ・ゴーン
マーカス・ミラー

FIRST MEETINGファースト・ミーティング
テザード・ムーン

スペシャル・エディションSPECIAL EDITION
ジャック・デジョネット

ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリングYOU MUST BELIEVE IN SPRING
ビル・エヴァンス

ヴァイアティカムVIATICUM
e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)

STEP BY STEPSTEP BY STEP
ステップス

2424
DIMENSION

GANAESIAガネシア
渡辺香津美
カズミ・バンド

コンプリート・ピック・ヒッツ・ライヴPICK HITS
ジョン・スコフィールド

ニューポートの追想V.S.O.P.
ハービー・ハンコック

アス・スリーUS THREE
ホレス・パーラン

Manhattan StoryBLUE'S MOODS
ブルー・ミッチェル

AFRICAN PIANOOFF TO THE RACES
ドナルド・バード

AFRICAN PIANOAFRICAN PIANO
ダラー・ブランド

Manhattan StoryMANHATTAN STORY
アキコ・グレース

SPELLBOUNDSPELLBOUND
ジョー・サンプル

ランデヴーRENDEZ-VOUS
木住野佳子

RETURN TO FOREVERRETURN TO FOREVER
チック・コリア

BRAINBRAIN
上原ひろみ

イン・ラインIN LINE
ビル・フリゼール

ザ・サウンド・オブ・サマー・ランニングザ・サウンド・オブ・サマー・ランニング
マーク・ジョンソン

スインギン・マケドニアスインギン・マケドニア
ダスコ・ゴイコビッチ

タイム・スレッドTME THREAD
小曽根真 & ゲイリー・バートン

フルーツケーキFRUITCAKE
フルーツケーキ

THE DROPPERTHE DROPPER
メデスキ,マーチン&ウッド

Doin' SomethingDOIN' SOMETHING
ソウライヴ

SALT IISALT II
塩谷哲

Dance Your HeartDANCE YOUR HEART
Saya

地球は愛で浮かんでいる地球は愛で浮かんでいる
松永貴志
アンケートボードA

★当ブログについて望むことは?
アルバム単位で批評してほしい
同じ曲をテイク別に批評してほしい
多くのジャズメンを幅広く批評してほしい
一人のジャズメンを掘り下げて批評してほしい
超有名曲をもらさず批評してほしい
発売直後の新作を批評してほしい
初心者を意識したほんわかサイトにしてほしい
マニアを意識したニッチなサイトにしてほしい
オーディオについて批評してほしい



-Mini Vote-
アンケートボードB
How Much Is Your Blog Worth?

My blog is worth
$38,953.26

How much is your
blog worth?

最新コメント
Copyright (C) 2005-2018 アドリブログ All Rights Reserved.