アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

伊東 たけし / T.K. / THIS IS THE NIGHT4

 『T.K.』の3曲目は【THIS IS THE NIGHT】(以下【ディス・イズ・ザ・ナイト】)。


 【ディス・イズ・ザ・ナイト】は,男女ツイン・ボーカルによるラブ・バラード。この曲調と伊東たけしアルト・サックスは“意外”と相性が良い。伊東たけしの“絞り出す感じ”のサックス・プレイが,恋愛の“感情表現”としては,ハマッテいる。
 
 イントロや間奏で聴こえるアルト・サックスは,間違いなく“ディス・イズ・ザTK”! 伊東ファンとしては,この“テイスト”さえ感じさせてくれれば,それ以上,何を要求すると言うのだろう。

 2分31秒からの,サビに“かぶせながら”入ってくるアルト・ソロには大満足! 【ディス・イズ・ザ・ナイト】での伊東たけしは,恐らくザ・スクェアでは“禁句?”のフレーズを繰り出しており,これこそソロCDを制作する“意味があった”と言うものだ。
 “ジャズメン”伊東たけしを少しは味わえたかなぁ。

 ただし,この点は繰り返し強調しておくが“意外と良い”のであって,間違っても管理人の好みではない。

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine and Programming
DON ALIAS : Percussion
MARC COHN and LANI GROVES : Lead Vocals
LANI GROVES, LISA FISHER and CURTIS KING : Background Vocals

伊東 たけし / T.K. / FAMOUS4

 『T.K.』の2曲目は【FAMOUS】(以下【フェイマス】)。


 【フェイマス】は1988年の住友金属,TVCFイメージ・ソングとしてブラウン管に流れたので(←表現が古い?)聞き覚えのある方も多いのでは?
 管理人もバックで流れていたこのメロディよりも,崖の上でアルト・サックスを“吹き鳴らす”伊東たけしの映像の方が印象に残っている。

 【フェイマス】での,伊東たけしのプレイは完璧である。伊東たけし特有の“くすんだ”音色と“TK節”も全開である。
 しかし彼のその魅力がストレートに伝わってこない。なぜか? ビートがダンサブルで,いかんせん“タテノリ”なのである。

 例えばイントロからのテーマ36秒間と,後半2分53秒以降の盛り上がり部分を聴いてほしい。主役は明らかに打込みである。タテノリに負けた伊東たけしサックスは,悲しいかな,サイドメン的な音がする。

 とは言え【フェイマス】は伊東たけしライブでの18番! トラック自体に不足はない。伊東たけしには,フロントを立てる“良いバックと良いアレンジで”末永くプレイしてほしいと思う。

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers and Programming
DON ALIAS : Percussion
RANDY FREDRIX : Lead Vocal
LANI GROVES : Radio Broadcast
LANI GROVES, LISA FISCHER and CURTIS KING : Background Vocals
Guitar Samples Courtesty of NICKY MOROCH

伊東 たけし / T.K. / COWBELL3

 『T.K.』の1曲目は【COWBELL】(以下【カウベル】)。


 【カウベル】はディスコ・ナンバーであって“フュージョン”とは呼び難い。打込みとサックスとでは8:2。これではアドリブどころではない。

 伊東たけしの唯一の見せ場が1分46秒から始まるが,音がこもっている。フュージョンサックスさえも忘れてしまったのだろうか?

 良くできたダンス・ミュージックをお探しであれば一聴の価値もあるのだろうが…。
 我が耳を疑い何度もチャレンジしてみたが,その度に表情が曇ってしまった。「可愛さ余って憎さ百倍」とはこのことだ。

TAKESHI ITOH : Alto Sax
DAVID FRANK : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine and Programming
JEFF LORBER : Piano and Synthesizer solo

伊東 たけし / T.K.4

T.K.-1 “Tetsuya Komuro”ではない,もう一人のT.K.“たけ”こと,伊東たけし
 伊東たけしの3枚目のソロCDは,タイトルもズバリ『T.K.』。

 伊東たけしに限らず,J−フュージョンの人気グループのメンバーは必ずと言って良い程,ソロCDを制作する。音楽界には一般人の知らない“法則”とか“公式”とか呼ばれるものが存在するのだ。

 別にグッド・ミュージックが多数制作されるのは大歓迎なのだから,ここで深く突っ込んで“その公式を解明する”とか意気込むつもりはさらさらない。しかし気になるのが“人気グループのメンバー”というキーワードだ。
 
 人気グループであれば,それなりにCDであれライブであれ,発表の場は多いはずである。なのに,なぜソロCDなのだろう?
 答えは各個人によって異なり,それこそ多種多様にあるのだろう。でも,そのグループのファンなら純粋に“グループの成長”に力を傾けてほしい,と願うのが人情と言うものではなかろうか?

 さて,伊東たけしである。彼こそスターだ! J−フュージョンのある意味“顔”である。
 伊東たけし“主演”「SUNTORY WHITE」の例のCMで,ザ・スクェアを,そしてJ−フュージョンを一気にメジャーへと押し上げた!
 乱暴な言い方だが「もう伊東さんのご自由に。どうぞ好きなことを好きなだけ」の域にいるスーパー・スター。あっ,そうか。だからソロCDなのね。自己完結のノリツッコミ。チャンチャン!

 さてさて,ここからは真面目に?『T.K.』について語ってみよう。このCDの音は当時のザ・スクェアとは全く異質だ。
 本当に,伊東たけしがソロとして“やりたい放題”やったのであろう。ザ・スクェアの延長線上を期待していた管理人も,他の多くのファンと同様,すっかり“肩すかし”を食わされた口である。

T.K.-2 しかし伊東たけし本人も,気付かずして“肩すかし”を食らっているように思えてしまう。
 そう。“超辛口”で申し訳ないが『T.K.』は,伊東たけしを“踏み台”にした,プロデューサー=ドッペルギャンガー2人のための“実験作”に仕上がっているのではなかろうか?

 つまり『T.K.』は,伊東たけしのレッテルが貼られた,実質“ドッペルギャンガーを聴くための”CDに聴こえてならないのだ。
 前作『エル・セヴン』もドッペルギャンガーのプロデュースだったが『エル・セヴン』の何倍にもドッペルギャンガーのパワーが“増幅”されている。

 『T.K.』での伊東たけしは全く目立っていない。アピールできていない。
 彼自慢のアルト・サックスが,バックに“負けている”。完全にドッペルギャンガーの音の中に“埋もれて”いる。聴き応えを感じない駄盤である。 ← 伊東たけしを,熱烈に愛するがゆえの“愛のムチ”です。伊東さん,伊東たけしファンの皆さん,気に障ったかもしれませんが,どうかお許しを。

  01. COWBELL
  02. FAMOUS
  03. THIS IS THE NIGHT
  04. UPTOWN SATURDAY NIGHT
  05. PLACEBO
  06. ALWAYS TOGETHER
  07. BOUNCE BACK
  08. COLOUR OF LIFE

(CBSソニー/CBS/SONY 1988年発売/32DH5129)

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マーカス・ミラー / シルヴァー・レイン / SILVER RAIN FEATURING JOEY KIBBLE OF TAKE 64

 『SILVER RAIN』の16曲目は【SILVER RAIN FEATURING JOEY KIBBLE OF TAKE 6】(以下【シルヴァー・レイン〔フィーチャリング・ジョーイ・キブル〕】)。


 【シルヴァー・レイン〔フィーチャリング・ジョーイ・キブル〕】が,【シルヴァー・レイン】の“本妻”である。管理人の評価も断然,このジョーイ・キブル・バージョンがいい。

 エリック・クラプトンには悪いが,ボーカリストの“格”としては,ジョーイ・キブルが上であろう。さすがはテイク6! 艶やか!
 マーカス・ミラーベース・ソロも,心なしか9曲目よりもノリがいい。フロントが替わるとリズムまで変わる“好例”である。

 ただし【シルヴァー・レイン〔フィーチャリング・ジョーイ・キブル〕】の真の主役は,ケニー・ギャレット! 4分59秒からのソロは『SILVER RAIN』で,唯一ケニー・ギャレット“らしい”プレイが聴ける! このファンキー&アウトこそ,ケニー・ギャレットの真骨頂!
 やはりケニー・ギャレットこそ,掛け値なしで“史上最強”のアルト奏者だと思ってしまう。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JOEY KIBBLE : Lead Vocals
MARCUS MILLER : Bass Guitar, Guitar, Piano, Keyboards, Background Vocals
KENNY GARRETT : Alto Sax Solo
POOGIE BELL : Drums
DEAN BROWN : Guitar
BRUCE FLOWERS : Fender Rhodes
PATCHES STEWART : Trumpet
ROGER BYAM : Tenor Sax
JOEY KIBBLE : Background Vocals
MARK KIBBLE : Background Vocals
JESSICA CELIOUS : Background Vocals


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マーカス・ミラー / シルヴァー・レイン / IT'LL COME BACK TO YOU4

 『SILVER RAIN』の15曲目は【IT’LL COME BACK TO YOU】(以下【イットル・カム・バック・トゥ・ユー】)。


 【イットル・カム・バック・トゥ・ユー】は,マーカス・ミラーの“歌もの”の中でも指折りの名曲である。このトラックが,ヨーロッパ盤では削られている,のは理解できない。ヨーロッパ人はマーカスの聴き所がわかっちゃいない?

 【イットル・カム・バック・トゥ・ユー】でのマーカス・ミラーの「多芸ぶり」に舌を巻く! 兼業楽器である,ボーカリストとしてもキーボード・プレイヤーとしても,超一流の域に到達したと言える。
 てっきり(クレジットを見るまでは)本職のゲスト参加だと思ったものだ。この管理人を騙すとは? マーカス・ミラー恐るべし。

 ベーシストマーカス・ミラーを知る者としては【イットル・カム・バック・トゥ・ユー】でも,やっぱりベースが主役に違いない! 安定感も有れば,メロディの“表も裏も”弾きまくる。ボーカルの“隠し味”程度の短いベース・ソロでは“前へ前へ”と出る!
 この辺りのトータルなバランス感覚がマルチ・プレイヤー=マーカス・ミラーの“凄さ”であろう。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

MARCUS MILLER : Vocals, Bass Guitar, Fender Rhodes, Beat Box, Synth Strings
LALAH HATHAWAY : Drums


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