アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / I'M IN YOU4

 『GROOVE GLOBE』の2曲目は【I’M IN YOU】。


 【I’M IN YOU】は,アコースティックなミディアム・バラード。
 ギターサックスピアノがバランス良くリードを取りあい,またサポートしあっている。T−スクェアというバンドとしての“暖かみある”表現が成功したと言えよう。

 メインは伊東たけしアルト・サックスなのだが,管理人はアルト・サックスの後ろで聴こえる,地味なフレージングに心奪わてしまう。
 例えば,1分32秒から53秒までのベースと3分47秒からのギターアルト・サックスの突出を中和する,見事なアクセントである。
 ただし逆に言えば,バラードとしては少々インパクトに欠けている。どうも小手先で“はぐらかされた”かのような…。

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

Additional Musician
MICHAEL S. KAWAI : Percussion

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / DREAM WEAVER4

 『GROOVE GLOBE』の1曲目は【DREAM WEAVER】。


 【DREAM WEAVER】からは,いわゆるスクェア“らしさ”を残しつつも,どことなく“大人になった”印象を受けてしまう。
 一気にはじけることもなく“淡々と”“粛々と”しかし確実に盛り上がっていく。“クール”な肌触りのする,実際は“ハード”な演奏なのだ。
 これはメンバー各自の音の整合性,バランスが“より洗練された”結果なのだろう。T−スクェアはバンドとしてまだまだ進歩し続けている。

 【DREAM WEAVER】にガツンとやられるのは,2分19秒からのギター・ソロが始まってから。何度も注意深く聴き返してみたが,やはりこのパートの前後で曲想が変化している。
 個人的には当然後半! ユニゾンの決まり具合が大好きだ。
 ただし以前ほどの爆発力はない。“クール・ビューティー”を愛する大人のフュージョン

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

Additional Musician
MICHAEL S. KAWAI : Percussion

T−スクェア / グルーヴ・グローブ4

GROOVE GLOBE-1 F1と聞くと読者の皆さんは何を連想するだろうか? 恐らく多くの人は「HONDA」であり「TOYOTA」であり,セナ,シューマッハ,佐藤琢磨かもしれない。
 しかしフュージョン・ファンであるならば,間違いなく“T−スクェア&『TRUTH』”であろう。あのテーマ・ソングは,紛れもなくJ−フュージョン最大のヒット曲である。

 さて,当時のことを思い返すと,複雑な心境にあったことを思い出す。ずっと応援してきたバンドが,やっと売れて良かった,と思う反面,周囲がこぞってT−スクェアを称賛している。まるで手のひらを返したかのように…。
 「T−スクェアは『TRUTH』だけのバンドじゃないぞ〜。おまえら真のスクェアの姿を見てやってくれ〜」。そう叫びたかった! インディーズ時代からメジャーになるまで,あるバンドを追いかけた経験がある人なら共感いただけることと思う。

 そして今,管理人はまたもこう叫びたい! 「T−スクェアは『TRUTH』だけのバンドじゃないぞ〜。おまえら真のスクェアの姿を見てやってくれ〜」。
 そう。T−スクェアは一発屋などではないのである。

 そこで『GROOVE GLOBE』(以下『グルーヴ・グローブ』)。『グルーヴ・グローブ』には正直,管理人も驚かされた。
 デビュー当時からT−スクェアザ・スクェア)にはポップな印象を持っている。キャッチーなメロディーが良質な演奏で楽しめる。そんなイメージ。
 しかし『グルーヴ・グローブ』では完全に,以前のスクェア“らしさ”が消えている。最初に違和感を感じたのである。

 よくよく聴き返してみる。安藤まさひろの地蔵ギター,復帰した伊東たけしのくすんだサックスの味は以前と何も変わらない。
 新サポートメンバー,森岡君の加入か? 確かに新しいスタイルのベーシストがバンドに変化をもたらしている。でも違う。ん〜。そうだ,曲調が違うのだ。

GROOVE GLOBE-2 『グルーヴ・グローブ』で感じた変化の本質は安藤まさひろの“新たなチャレンジ”であろう。バンドとして森岡克司ベース・プレイを売り出したいのではなかろうか?

 確かに森岡克司は斬新なベーシストで,安藤まさひろが目をつけた気持ちも良く分かる。
 だが森岡克司のカラーが今までのスクェア・サウンドにマッチするかどうかは,かなり疑問だ。管理人には今後のスクェアの存続をも左右する“大博打”に思えてならない。

 さて,ここで切ったハンドルを次回作でも継続するのか? それとも以前の曲調に戻すのか?
 『グルーヴ・グローブ』は“今現在の”T−スクェアを知る上での問題作! 個人的にはまだ耳が慣れず好きではない。

  01. DREAM WEAVER
  02. I'M IN YOU
  03. FUTURE MAZE
  04. JUNGLE FEVER
  05. PEACEMAKER
  06. CAPE VERDE
  07. MOON
  08. DON'T TELL ME A TRUTH
  09. MIRACLE CITY
  10. IN A SWEET TRAP

(ヴィレッジ/VILLAGE 2004年発売/VRCL-10002)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
★【初回生産限定盤】「ホログラム・シート」封入

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20050502-1 矢野沙織 LIVE NO.2

 LIVEの楽しみの一つはステージング! 今回は矢野沙織のビジュアル面,パフォーマンス面について触れてみます。

 まずビジュアル面。正直面食らった! でかい!(矢野さん,矢野沙織ファンの皆さん,気にされていたら誠にすみません)。
 まだまだ幼い“沙織ちゃん”,と勝手にジャケットだけでイメージしていたこちらの思い違いでした。
 18歳といえばもう立派な大人なんですね。中には丸の内OLとして働いている人もいるのかも…。本当,これらからはCDの聴き方が変わるくらいビックリしました!
 最初は「これが16歳?」と信じられなかったのに,いつしか「よちよち,よく頑張ってるね」という感じで応援してきた自分がとても恥ずかしくなりました。だからあんな深い音色を出せるのか? 妙に納得です。

 続いてパフォーマンスですが…。ここが唯一の不満。
 サックスに限らずリズム隊以外のフロントマンには,必ず手待ちの空き時間がやって来る。今回のステージでもサイドメンの長いソロが随所にフューチャーされていた。
 さて,問題はこの時間の矢野沙織の振る舞いである。聴衆と一緒にソロに耳を傾けるわけでもなく,かといって隣りで踊るわけでもビートをとるわけでもなく…。
 ただの棒立ちだったのである。これはいかん。

 もちろんLIVEの楽しみ方は人それぞれである。ただただ「良い音楽を聴かせてくれればそれで満足」という人も多いかもしれない。しかしそれならCDを繰り返し聴き込めばいいと思う。
 誤解があっては困るので補足しておくが,この意見は100%音楽目当てでLIVEに来る人を排除するものでは決してない。ここで言いたいのはCDの聴き方についてである。

 みなさんにも“お気に入りのCDを聴き飽きるまで聴いた”という経験があることだろう。しかしそれでも懲りずにそのCDを聴いてみる。するとどうだろう。“もう聴き飽きた,すっかりフレーズも覚えてしまった”と思っていたはずなのに,必ず何か新しい発見がある。
 体調のせい? 時間帯の違い? オーディオ・システムをいじってみたから? 理由はどうあれ“以前とは必ず違う印象を受ける”。そう。CDを聴く意義はここにある!

 ついでながら,そのような経験をしたことがないという人にジャズは向いていないと思う。無理してジャズを聴いているのでは? 背伸びせずにロックやポップスを楽しめれば十分なことと思う。本音トークで申し訳ない。

 さて,そういうことで管理人は,CDではどうあがいても決して見ることなどできない,パフォーマンスを楽しみにLIVEへ出かけている。
 今まで見てきたサックス奏者はみなエンターテイナーだった。おかげで彼らのCDをじっくりと聴き直す時,LIVEでの演奏シーンが浮かんでくる。雑誌を読んでも同じ。「あぁ,あの人ならそう語るかもしれない」。そう共感できるのである。ジャズの楽しみ倍増なのである。

 そこで管理人から矢野沙織への勝手な提言。まだ若いから? それとも照れくさいの? でも矢野さんのパフォーマンス目当てに会場へ足を運んでいる熱心なファンも大勢いるんです。ステージ上では自分のパート以外でも注目されていることを忘れないでいてください。
 これからその部分だけ勉強してくださったら,次は聴衆の反応に合わせて演奏を変化させられる,もうワンランク上のジャズ・ウーマンになれることと思います。

 以上,好き勝手なLIVE評です。沙織ちゃん,矢野沙織ファンの皆さん,後半の苦言を,名もない1ファンからの愛のムチだと受けとめ,どうぞお許しください。
 管理人はこれからも『矢野沙織』を大・大応援していきます!

 さて,この記事はLIVEレポートなので,ステージ後半のセットリストを報告しておきます。

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20050502-1 矢野沙織 LIVE NO.1

 行ってきました! 5/2「FUKUOKA Blue Note」の『矢野沙織SAKURA STAMP」ツアー』1st!

 矢野沙織,やるなぁ! 期待通りのLIVEで高額なチケット代もお安く感じました。えぇ。(といっても,管理人は6,300円→2,000円でしたけど。割引事情の裏話はおいおいと)。
 今回の座席はステージ中央・右端の最前。ジミー・コブの目の前でした。ドラムの大音量に矢野今泉の音がかき消された感もありましたが,そこは心地よいドラミング。逆に気持ちよく盛り上げられちゃいました。

 さて,まずは恒例のメンバー紹介から…

 ★ 矢野 沙織 : Alto Saxphone
 ☆ 今泉 正明 : Piano
 ☆ 増原 巌 : Bass
 ☆ ジミー・コブ : Drums

 今回の「SAKURA STAMP」ツアーは矢野沙織の新作プロモーションでしたが,レコーディング・メンバーはNY在住ゆえ不参加。しかし今の矢野沙織をサポートできる素晴らしいジャズメンが集っていました。
 矢野のファースト・アルバムにも参加したピアノ今泉正明。若手ベーシスト増原巌。そして円熟のリズムを創り出すジミー・コブおじさん。各人のソロも輝いていました。

 「BN」のキャッチ・コピーはこうだ。「天才プレイヤー現わる! ジャズ界期待のサックス奏者初登場!」。正にそうだった!

 矢野沙織について言えば,いい音出してた! メインストリーム・ジャズを志す姿勢に感激した!
 もちろんまだまだ成長途上の“沙織ちゃん”だから,時折,音にばらつきがあるのはご愛敬。そんなことよりも,あの若さでパーカー・フレーズと向き合う姿にまず感動! 本当に私はパーカーが好きなんだ,というメッセージが音を通して伝わってきた。
 それでいてジャズ特有の難解さ,泥臭さを忘れさせる軽やかさと清新さ。このあたりは“18歳”ゆえの特権でしょう。
 あのステージ上での音は,良い意味で2・3年後には出せない音だと思う。矢野沙織の今の音を聴けたことがたまらなくうれしい! そう感じさせる好演でした。

 選曲もよかった。「報道ステーション」で矢野沙織を知った“にわか矢野ファン”にとっては「OPEN MIND」が演奏されず,肩すかしを食わされたのかもしれない。
 しかしこちとらデビューからの“矢野の追っかけ”としては「CONFIRMATION」をアンコールに持ってくる“心憎い演出”に大満足なのである! 特に後半通しの3曲! 完全なハード・バップは圧巻! 次回はステージング編!

 さて,この記事はLIVEレポートなので,ステージ前半のセットリストを報告しておきます。

02-1
02
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ブランフォード・マルサリス / モ’・ベター・ブルース / HARLEM BLUES (ACAPULCO VERSION)4

 『MUSIC FROM MO’ BETTER BLUES』の9曲目は【HARLEM BLUES(ACAPULCO VERSION)】(以下【ハーレム・ブルース(アカプルコ・ヴァージョン)】)。


 【ハーレム・ブルース(アカプルコ・ヴァージョン)】は,1曲目のアレンジ違い。
 ストリングスが全面が押し出される代わりに,ゴッソリとブランフォード・マルサリスソロが削ぎ落とされている。
 これはシンダ・ウイリアムスの“艶っぽい”ボーカルフィーチャーするためであろう。

 満員のジャズ・クラブで,しかし愛するたった一人の男性を思い浮かべて“歌い上げる”シンダ・ウイリアムスのワンマン(ワンウーマン?)・ショーが心に染み入る。
 シンダ・ウイリアムスの“全身全霊”をかけたステージングが映像として見えてくるような歌声である。

BRANFORD MARSARIS : Soprano Saxophone
KENNY KIRKLAND : Piano
ROBERT HURST : Bass
JEFF 'TAIN' WATTS : Drums
TERENCE BLANCHARD : Trumpet
CYNDA WILLIAMS : Vocal

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