アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテット / スタディ・イン・ブラウン5

STUDY IN BROWN-1 歴史に「たられば」は禁物であるが,ジャズ史において,クリフォード・ブラウンの“早すぎる死”がなければ,モダン・ジャズは今とは随分異なる趣きを呈していたかもしれない。いいや,間違いなく異なっているはずだ。
 なぜなら,ジャズ・シーンはマイルス・デイビスではなく,クリフォードブラウニーブラウンを中心に回っていたと思うからである。

 管理人はマイルス・デイビスが大好きだ。素直に“ジャズの帝王”という称号に値する,超VIPなジャズ・ジャイアントだと思っている。ここでマイルス・デイビスを卑下するつもりなど毛頭ない。
 しかし純粋にトランペッターとしての力量・資質を比較考量し,評価する時,クリフォード・ブラウンの実力は“桁違い”! 完全に頭一つ飛び抜けた,正にジャズ・トランペッター史上最高の実力者,いいや,ジャズが生み出した“大傑作”である。
 時代は明らかにマイルス・デイビスではなくクリフォード・ブラウンを求めていたのだ。

 余談であるが,この論議を別の観点から補足しておくと,クリフォード・ブラウンはかなりの人格者であったらしい。周囲に「この人なら…」と思わせることができていたとしたら…。
 クリフォード・ブラウンのためなら一肌脱ごうとする“ブラウニー組”の結成・大成長は必然の流れであろう。

 さて,これらの点を幾らでも語ることはできるのだが,まずは“論より証拠”! クリフォード・ブラウンマックス・ローチと組んだ大名盤STUDY IN BROWN』(以下『スタディ・イン・ブラウン』)を聴いてみてほしい。
 
 『スタディ・イン・ブラウン』収録時のクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットは,すでに人気コンボとされていたが,音楽的にはまだまだ荒削り。若さ溢れる“イケイケ”の時期である。
 そう。『スタディ・イン・ブラウン』には,この時期を逃すと一生聴けないであろう“伸び盛り”特有の圧倒的エネルギーが封じ込められている。円熟期では決して聴けない“青臭さ”を聴き取れる。そこがファンとしてはたまらない“お宝”的なCDである。

 『スタディ・イン・ブラウン』におけるクリフォード・ブラウントランペットこそが“天才”と称賛されるゆえんであろう。明瞭な音とアドリブ,そして細かなハーモニー・センスに至るまで,正にジャズ・トランペットの“王道”である。
 ミュートを多用するマイルス・デイビスが変化球の名手であるとすれば,クリフォード・ブラウンはいつでも直球勝負。ここが如何せん“物の違いを”感じさせてくれるのだ。

STUDY IN BROWN-2 一般的にジャズには“根暗”な雰囲気がつきまとっていると思う。難解で高尚で自己完結,閉鎖的で堅物…。
 しかし『スタディ・イン・ブラウン』でのクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットの演奏は“元気ハツラツ,オロナミンC”的な“根明”な演奏なのがまたよい。
 メンバー全員,純粋に「ジャズという音楽」を楽しんでいるのがよい。ジャズを演奏する「歓び」がストレートに伝わってくるのがよい。

 『スタディ・イン・ブラウン』におけるクリフォード・ブラウンの熱気,空気感を是非,肌で感じ取ってほしい。逃げずに正面から音圧を受け止めてみてほしい。
 身体の中に本物のジャズが充満したある時,風船が破裂するかのごとく,読者の皆さんの内にあるジャズに対する何かがきっと破裂する。クリフォード・ブラウンがもう少し長く存命していれば,きっとモダン・ジャズも今とは変わっていたはずなのである…。

  01. CHEROKEE
  02. JACQUI
  03. SWINGIN'
  04. LANDS END
  05. GEORGE'S DILEMMA
  06. SANDU
  07. GERKIN FOR PERKIN
  08. IF I LOVE AGAIN
  09. TAKE THE A TRAIN

(エマーシー/EMARCY 1955年発売/PHCE-4164)
(ライナーノーツ/児山紀芳)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)

メデスキ,マーチン&ウッド / トニック5

アナログレコード

 メデスキ,マーチン&ウッドと聞いて,眉をひそめるジャズ・ファンは多いだろう。その大半は,4ビート以外はジャズとは認めない,なんとも頑固で可哀想な人たち?である。
 勿論,どんな音楽どんなジャズを聴こうとも,それはその人の自由! 好みの問題なので,メデスキ,マーチン&ウッドを受け付けないのも致し方ない。誰しもどうしても受け付けないジャズメンの一人や二人はいるものだ。
 しかしここで管理人が指摘したいのは,メデスキ,マーチン&ウッド → ジャム・バンド → 正統派ジャズ・ファンは聴くものではない,と言う構図にハマッテはいないか? 要するに「喰わず嫌い」ではなかろうか?と叫びたいのだ。

 そもそもジャズの歴史は「何でもありの排他性なし」。多くの革命を経てジャズは進化を遂げてきた。そう。ジャズの魅力は,それがハード・バップだから,これがピアノ・トリオだから,と言った音楽形態の優劣ではない。アドリブインプロヴィゼーションの冴えなのである。

 アドリブインプロヴィゼーションが目的ならアンチ・ジャムは矛盾する。なぜならば,ジャムとは,ロック畑のインスト・インプロヴィゼーション! アンチ・ジャムは70年代のアンチ・ジャズ・ロックの歴史を繰り返すことに他ならない。
 そう。ジャムを,メデスキ,マーチン&ウッドを嫌うのは一向に構わないが,単なる「喰わず嫌い」は“もったいない”。このアドリブを聴き逃してはならない! 是非,自分の好みと合わないか一聴してから判断してほしい。 ← 幾分おせっかいが過ぎたかなぁ。でも聴いた人の半数ぐらいは,管理人のような“おせっかい焼き”に変貌すること請け合いですよっ? ジャズは4ビートに限る,と主張するのはもう辞めましょ?

 さて,おせっかいついでに,正統派ジャズ・ファンを自認する人への,メデスキ,マーチン&ウッドの一枚目としては『TONIC』(以下『トニック』)がいい。
 『トニック』は,メデスキ,マーチン&ウッドにしては珍しい,生ピアノに生ベースの全編アコースティック・セットでのライブ盤! これが超いける! 4ビートを聴き込んだ耳にも,驚嘆のインプロヴィゼーションの“雨嵐”であろう。

 特筆すべきはジョン・メデスキ! いつものオルガンを手放し生ピアノと対峙する新境地! 元来,ジャズ・ピアニストとしてピアノを知り尽くしたジョン・メデスキが,ピアノ版の電気グルーヴを産み落としていく! いや,生ピアノであるがこそ,電化の覆いを剥ぎ取った“生身のグルーヴ”がストレートに伝わってくる!

 いつもと勝手が違うであろう,ビリー・マーチンクリス・ウッドのリズム隊も“躍動する”ジャズ本来のビートで,ジョン・メデスキを攻めたてる! とぐろを巻き,スパイラルに陥るこのトランスこそ,現代の“疑似”4ビートである。

 『トニック』に,オルガンジャズメデスキ,マーチン&ウッドを期待すると“肩すかし”を喰らってしまう。
 しかし『トニック』には,メデスキ,マーチン&ウッドの“本質”が他のどのCDにも増して鮮明に記録されている。聴き込めば聴き込むほど,いつものメデスキ,マーチン&ウッドの音そのもの,であることに気付かされるに違いない。
 アンプラグドであるがゆえ,一層浮き彫りにされる彼ら3人の底力! オルガン抜きで成立した電気グルーヴ
 そう。ジャムジャズ! ジャムアドリブ! 本物を聴き込んだ耳には「ジャズ」も「ジャム」も相違なく聴こえるはずである。

(1999年録音/TOCP-65445)

ランキングを見てみよう!

JAZZ PIANO BEST SELECTION TOP31-2

 《 ジャズにおいてピアノを究めた者はいまだかつて現れていない。
 トランペットマイルス・デイビスによって,アルト・サックスチャーリー・パーカーによって,テナー・サックスジョン・コルトレーンによって,それぞれ究められてしまった。
 最大音域の自由と平均律の呪縛を併せもつこの楽器とアーティストたちの感性と創造性との果てしない闘争は,やがて熟成された空気となって満ちてくる。 》

 「JAZZ PIANO BEST SELECTION TOP31」。
 今回は22位〜24位の発表です。

----------------------------------------------------------------------------

★24.BUD POWELL IN PARIS
バド・パウエル


----------------------------------------------------------------------------

★24.JUNIOR
ジュニア・マンス


----------------------------------------------------------------------------

★24.YOU MUST BELEIVE IN SPRING
ビル・エヴァンス


----------------------------------------------------------------------------

★22.SOLO MONK
セロニアス・モンク


----------------------------------------------------------------------------

★22.MAIDEN VOYAGE
ハービー・ハンコック


----------------------------------------------------------------------------

 黄金の中盤は“ハード・バップ”系のピアニストたちで固められてきた模様!

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)

アメーバブログ(アメブロ)の読者の皆さんへ

AMEBLO RANKING<br>
 親愛なるアメーバブログ(アメブロ)の読者の皆さんへ

 こんばんは。私,セラビーはすっかり「ライブドア・ブログ」の人間になってしまいました。
 そうです。セラビーのジャズフュージョンブログは「アメーバブログ」から「ライブドア・ブログ」へ引っ越しました。

 幾人かのアメブロの読者の皆さんにはコメント欄をお借りしてご挨拶させていただきましたが,ぽつぽつと心配メールが届いてきますので,この場をお借りして報告させていただきます。

 私,アメブロには結構,思い入れがありました。
 【アメーバブログ運営局スタッフより】「ADLIBlog」について「アルバム批評がすごく詳しく書かれています。ジャズの初心者はジャズを知るためのの情報源として、ジャズファンはアルバム購入の参考としてこのブログを利用してみてはいかがでしょう」との紹介文まで頂いたことがありました。
 でもでも,あのメンテ地獄とランキング上位者潰しに嫌気が差しまして,使い勝手と安定性で評判の「ライブドア・ブログ」へお引越し〜。

 引越しに合わせてブログ・タイトルもライブドア仕様へ変更させていただきました。

ブログ(アメブロ) : 「ADLIBlog 〜セラビーのJAZZ/FUSION WORKSHOP〜」(略「ADLIBlog」)
ブログライブドア) : 「アドリブログ 〜セラビーのJAZZ/FUSION批評」(略「アドリブログ」)

 アメブロ同様,ライブドア・ブログでも引き続き仲良くしてくだされば幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

PS 上記画像は「ADLIBlog」栄光のアメブロ「音楽ランキング:2位」のスクリーンショットです。勿体無かったかも?

 アドリブをログするブログ,それがアドリブログ。


人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)

矢野 沙織 / YANO SAORI / IN A SENTIMENTAL MOOD4

 『YANO SAORI』の10曲目は【IN A SENTIMENTAL MOOD】(以下【イン・ア・センティメンタル・ムード】)。


 矢野沙織が,真正面からジャズの王道に取り組んだ【イン・ア・センティメンタル・ムード】での“貫禄”ある演奏が好きだ。
 これは正攻法に見えて,矢野沙織にとってかなりの大チャレンジであろう。一切小細工無しの演奏は,自ら言い訳の“退路を断った”証し。そう。逃げも隠れもせず,しっかりと吹き込んでいく。「ドンと来い」の貫禄。

 【イン・ア・センティメンタル・ムード】の,バラードサックスは数多いゆえ,ひいき目に見て完璧とは言い難い。
 でもこのビブラート&ブレない演奏姿勢! この一音一音に魂を吹き込んでいく“静かに熱い”名演に感動させられる。

SAORI YANO : Alto Saxophone
MASAAKI IMAIZUMI : Piano
SHIN KAMIMURA : Bass
MASAHIKO OSAKA : Drums
 

矢野 沙織 / YANO SAORI / BOHEMIA AFTER DARK4

 『YANO SAORI』の7曲目は【BOHEMIA AFTER DARK】(以下【ボヘミア・アフター・ダーク】)。


 有名バップ・ナンバー【ボヘミア・アフター・ダーク】に“熱演”を期待してしまうと“肩すかし”を喰らってしまう。勿論,熱演ではあるのだが,このトラックの仕上がり具合は“クール”である。

 松島啓之トランペットとのユニゾン・テーマは,若干スロー・テンポでありフレーズが乾いている。クールに吹ききっている!
 1分29秒から始まる矢野沙織アルト・ソロは,一転ハイスピード! これぞ2003年型【ボヘミア・アフター・ダーク】である。

 ここで管理人の本音を記そう。クールな【ボヘミア・アフター・ダーク】は好きではない。やはり“キャノンボール・アダレイ風”高速大ブロー無しの【ボヘミア・アフター・ダーク】はつまらない。
 幸い,ライブでの演奏はハード・バップ“仕様”で盛り上がっていた。矢野沙織の【ボヘミア・アフター・ダーク】はCDよりライブである。

SAORI YANO : Alto Saxophone
KEIJI MATSUSHIMA : Trumpet
HAROLD MABERN : Piano
NAT REEVES : Bass
JOE FARSWORTH : Drums
 
livedoor プロフィール
記事検索
Categories
Keith Jarrett Gallery

キース・ジャレット(真田馨子) おんがく日めくり(c) keiko sanada
Pat Metheny Gallery

パット・メセニー(野々口和仁)
(c) Kazuhito Nonoguchi
ジャズ・アフィリエイト
セラビー厳選CD

パリ・コンサートパリ・コンサート
キース・ジャレット

THE WAY UPTHE WAY UP
パット・メセニー・グループ

イン・ア・サイレント・ウェイイン・ア・サイレント・ウェイ
マイルス・デイビス

HEAVY WEATHERHEAVY WEATHER
ウェザー・リポート

BRAINCOOL STRUTTIN'
ソニー・クラーク

MINT JAMSMINT JAMS
カシオペア

HUMANHUMAN
T-スクェア

LEFT ALONELEFT ALONE
マル・ウォルドロン

フル・ハウスフル・ハウス
ウェス・モンゴメリー

ザ・シーン・チェンジズザ・シーン・チェンジズ
バド・パウエル

セロニアス・モンク・トリオセロニアス・モンク・トリオ
セロニアス・モンク

枯葉枯葉
チェット・ベイカー

MOANIN'MOANIN'
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

BLOWIN' THE BLUES AWAYBLOWIN' THE BLUES AWAY
ホレス・シルヴァー

ウィントン・マルサリスの肖像ウイントン・マルサリスの肖像
ウイントン・マルサリス

メイティング・コールMATING CALL
タッド・ダメロン

Blu-spec CD ジャコ・パストリアスの肖像ジャコ・パストリアスの肖像
ジャコ・パストリアス

ザ・キング・イズ・ゴーンザ・キング・イズ・ゴーン
マーカス・ミラー

FIRST MEETINGファースト・ミーティング
テザード・ムーン

スペシャル・エディションSPECIAL EDITION
ジャック・デジョネット

ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリングYOU MUST BELIEVE IN SPRING
ビル・エヴァンス

ヴァイアティカムVIATICUM
e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)

STEP BY STEPSTEP BY STEP
ステップス

2424
DIMENSION

GANAESIAガネシア
渡辺香津美
カズミ・バンド

コンプリート・ピック・ヒッツ・ライヴPICK HITS
ジョン・スコフィールド

ニューポートの追想V.S.O.P.
ハービー・ハンコック

アス・スリーUS THREE
ホレス・パーラン

Manhattan StoryBLUE'S MOODS
ブルー・ミッチェル

AFRICAN PIANOOFF TO THE RACES
ドナルド・バード

AFRICAN PIANOAFRICAN PIANO
ダラー・ブランド

Manhattan StoryMANHATTAN STORY
アキコ・グレース

SPELLBOUNDSPELLBOUND
ジョー・サンプル

ランデヴーRENDEZ-VOUS
木住野佳子

RETURN TO FOREVERRETURN TO FOREVER
チック・コリア

BRAINBRAIN
上原ひろみ

イン・ラインIN LINE
ビル・フリゼール

ザ・サウンド・オブ・サマー・ランニングザ・サウンド・オブ・サマー・ランニング
マーク・ジョンソン

スインギン・マケドニアスインギン・マケドニア
ダスコ・ゴイコビッチ

タイム・スレッドTME THREAD
小曽根真 & ゲイリー・バートン

フルーツケーキFRUITCAKE
フルーツケーキ

THE DROPPERTHE DROPPER
メデスキ,マーチン&ウッド

Doin' SomethingDOIN' SOMETHING
ソウライヴ

SALT IISALT II
塩谷哲

Dance Your HeartDANCE YOUR HEART
Saya

地球は愛で浮かんでいる地球は愛で浮かんでいる
松永貴志
アンケートボードA

★当ブログについて望むことは?
アルバム単位で批評してほしい
同じ曲をテイク別に批評してほしい
多くのジャズメンを幅広く批評してほしい
一人のジャズメンを掘り下げて批評してほしい
超有名曲をもらさず批評してほしい
発売直後の新作を批評してほしい
初心者を意識したほんわかサイトにしてほしい
マニアを意識したニッチなサイトにしてほしい
オーディオについて批評してほしい



-Mini Vote-
アンケートボードB
How Much Is Your Blog Worth?

My blog is worth
$38,953.26

How much is your
blog worth?

最新コメント
Copyright (C) 2005-2018 アドリブログ All Rights Reserved.