アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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ジョン・コルトレーン / バラード / TOO YOUNG TO GO STEADY5

アナログレコード

 『BALLADS』の3曲目は【TOO YOUNG TO GO STEADY】(以下【トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ】)。


 【トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ】でのジョン・コルトレーンの情感といったら…。間の取り方といい,フレーズの崩し方といい,もうたまらない。
 音色にしてもテナー・サックスというよりもアルト・サックスに近い。しかしほんの少しだけ聴こえる“テナーっぽさ”が,これまた,たまらない。
 ある意味【トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ】一曲に『BALLADS』の魅力が全て凝縮されたとも言える,それ位の名演

 2分4秒からのマッコイ・タイナーピアノ・ソロを挟んで,コルトレーンのソロを前半,後半に分けるとすれば,前半は“内に秘めた美しさ”,後半はそのふつふつとした情感が“表に現われた美しさ”と言えるだろう。
 前半と後半では趣が大いに異なっているが,それがマッコイピアノで見事に一つに束ねられ『BALLADS』の“裏”ハイライトとなっている。実に素晴らしい。
 
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JOHN COLTRANE QUARTET
JOHN COLTRANE : Tenor Sax
McCOY TYNER : Piano
JIMMY GARRISON : Bass
ELVIN JONES : Drums


Ballads
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ジョン・コルトレーン / バラード / YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS5

アナログレコード

 『BALLADS』の2曲目は【YOU DON’T KNOW WHAT LOVE IS】(以下【ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ】)。


 【ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ】(邦題【恋の味をご存知ないのね】)を是非聴いてほしい。
 甘いメロディーをいかにも甘くプレイするのではなく,ジョン・コルトレーンはノンビブラートでストレートに吹く。バラードには不釣り合いな“ドライ”な情感とでも呼んでおこう。
 ここが管理人の推す“コルトレーン・バラードの本質”である。

 1分20秒からの曲想に注目してほしい。甘いテーマからエモーショナル・ビートへと変化するが,ジョン・コルトレーンは決して強くは吹かずに,ささやくように,哀しげにテナー・サックスを吹いている。
 それゆえジョン・コルトレーンの情感の変化が,ほんの少しの音量,ほんの少しのスピードの変化に如実に顕われているようであり,ファンとしては“たまらない”。
 時たま鳴り響く“かすれた歌声”が,これまた“たまらない”のである。
 
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JOHN COLTRANE QUARTET
JOHN COLTRANE : Tenor Sax
McCOY TYNER : Piano
JIMMY GARRISON : Bass
ELVIN JONES : Drums


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ジョン・コルトレーン / バラード / SAY IT (OVER AND OVER AGAIN)5

アナログレコード

 『BALLADS』の1曲目は【SAY IT (OVER AND OVER AGAIN)】(以下【セイ・イット】)。


 管理人は,いつでも・どこでも・何をしていても,このトラックにやられてしまう。【セイ・イット】のワンフレーズが流れるだけで,ジャズの“甘〜い”世界へとトリップしてしまう。
 これは初恋の味? ミルキーの味? 自分自身でもよく分からないが【セイ・イット】が流れ終わるまでは“金縛り”にあったかのごとくフリーズしてしまう。何も手につかなくなってしまう。

 ゆえに【セイ・イット】の“ここがどうのこうの”と解説する気など全く起こらない。たった一言。エモーション! それだけ!

 にしようと思ったが,自称ジャズ批評家としての“虫”がどうしても疼いてしまった。
 え〜と,ジョン・コルトレーンの出来は完璧+1分56秒からのマッコイ・タイナーの“溜めに溜めまくった”ピアノ・ソロが快感!
 
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JOHN COLTRANE QUARTET
JOHN COLTRANE : Tenor Sax
McCOY TYNER : Piano
JIMMY GARRISON : Bass
ELVIN JONES : Drums


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ジョン・コルトレーン / バラード5

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 「シーツ・オブ・サウンド」と形容されるように,ジョン・コルトレーンの特徴は“激しくもメロディアスなブロー”にある。
 しかし少数派ではあるが,ジョン・コルトレーンの本質はバラードにある,と主張する人々もいる。かく言う管理人もその一人である。

 ジョン・コルトレーンこそ,テナー・サックスの王者である。後に続くテナー・サックスの実力者が皆,ジョン・コルトレーンから影響を受けた,と公言している。
 しかし彼ら“コルトレーン派”が真似できたのは,ジョン・コルトレーンの“激しくもメロディアスなブロー”という一面であって,彼の内面を如術に表現したバラード作品には当てはまらない。
 そう。ジョン・コルトレーン特有の世界を“堪能”するには,ここに紹介する『BALLADS』(以下『バラード』)なのである。

 『バラード』には“棚ボタ”的な制作エピソードが残されている。
 この時期,たまたまジョン・コルトレーンのマウスピースの調子が悪かったらしく,コルトレーンの求める“全速力”の演奏ができなかったらしいのだ。そこでバラード! 
 レコード会社にとっても,ジョン・コルトレーンの行き過ぎたスタイルが一般のジャズ・ファンに受け入れられず,売上げの鈍りを危惧していた。正に“渡りに船”。なにはともあれ,この偶然とも安易とも言える“世紀の大発想”のおかげで,私たちは“奇跡のバラード”を手にすることができたのだ。

 発売当時のアメリカでは,ジョン・コルトレーンのイメージからして“軟弱なアルバム”と決めつけられていたらしい。しかしそれはファンの勝手な思い違いというもので,このCDから聴こえてくるのは,むしろ彼の“強さ”である。
 世のファンに求められていることとも,レコード会社に求められていることとも違う,自分のポリシーに忠実な演奏! これを全うするには内面に大きな力が必要だ。そこでジョン・コルトレーンは曲の魅力をストレートに,素直に表現した。ゆえにかえって心に訴える。そんなプレイである。

 最後に軽いエピソードを一つ。
 管理人の友達に大のオーディオ・マニアが一人いる。その彼もジョン・コルトレーンが大好きだ。彼は車の中でもコルトレーンを聴いている。しかし自分の望むコルトレーンの音が聴こえてこない。ついにカー・オーディオの大改造。総額100万円だそうだ。
 その彼がオーディオ・チェックとして『バラード』を選んだ。彼にとっては『バラード』から聴こえてくるテナーのトーンこそが,ジョン・コルトレーンの“音”そのものなのである。

(1961,1962年録音/MVCI-23006)

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パット・メセニー・グループ / 想い出のサン・ロレンツォ / APRIL JOY4

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 『PAT METHENY GROUP』の5曲目は【APRIL JOY】(以下【エイプリル・ジョイ】)。


 【エイプリル・ジョイ】は4曲目【エイプリル・ウィンド】の組曲として語られることが多い。
 もちろん,タイトルからしてもCDの構成からしても,それが“正解”ゆえ異論を唱えるつもりなどないのだが,全体として感じる曲のテイストは【エイプリル・ウィンド】よりも,2曲目【フェイズ・ダンス】に近いかな?

 実際に曲の後半で【フェイズ・ダンス】のフレーズが割って入ってくる。それで何分何秒からフィルインするのか調べてみようと,繰り返し聴いてみる。
 しかしそんなの無意味! 毎回【エイプリル・ジョイ】のメロディ・ラインに注意を奪われ,何分何秒からなのかは判別不能。あきらめざるを得なかった。この辺りが【エイプリル・ジョイ】の魅力である。
 よろしければ読者の皆さんにも,是非挑戦して欲しい。そして結果をお教いただければ,これ幸い。ただし相当な集中力が求められますが…。

 【エイプリル・ジョイ】は2部構成。4分8秒からのシンセによって第2幕が切って落とされるが,このライル・メイズの奏でるテーマが,ボディ・ブローのごとく“じわじわと”身体に効いてくる。
 第1部のイントロがまたいい。メロディアスなマーク・イーガンベース・ソロからパット・メセニーギター・ソロへのつなぎっぷりが最高。二人ともよく歌っている。

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PAT METHENY GROUP
PAT METHENY : 6-and 12-String Guitars
LYLE MAYS : Piano, Oberheim Synthesizer, Autoharp
MARK EGAN : Bass
DAN GOTTLIEB : Drums


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パット・メセニー・グループ / 想い出のサン・ロレンツォ / APRIL WIND4

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 『PAT METHENY GROUP』の4曲目は【APRIL WIND】(以下【エイプリル・ウィンド】)。


 【エイプリル・ウィンド】は,パット・メセニーギター独奏であるが,12弦の“華やかさ”にまず惹かれ,聴き込む度に“完成された”曲の構成に舌鼓を打つ。思いの外,聴き応えのあるトラックである。

 全編12弦なので,より繊細な“ギタリスト”としてのパット・メセニーを楽しめる! 静かなプレイなのだが,終盤,1分36秒から41秒の一鳴きが,妙に熱い。さすがのジャズギターである。
 
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PAT METHENY GROUP
PAT METHENY : 6-and 12-String Guitars


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