アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

マーカス・ミラー / シルヴァー・レイン / BRUCE LEE3

アナログレコード

 『SILVER RAIN』の2曲目は【BRUCE LEE】(以下【ブルース・リー】)。


 【ブルース・リー】でも,メイン・テーマを奏でるのは“当然”マーカス・ミラーベースなのだが,全体の印象としては,3分50秒から4分37秒までのアルト・サックス・ソロがハイライト!
 2分0秒から始まるマーカス・ミラーベース・ソロも,全体の曲調に合わせた“バックと解け合う”もので,今ひとつだ。

 ブルース・リーの“奇声”をイメージさせるためであろう,ギターや種々のサンプリングがキメの部分で入ってくるが,正直,マーカス・ミラーには自慢のベースで「アチョーっ!」と叫びまくってほしかった。残念。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

MARCUS MILLER : Bass Guitar, Keyboards, Beat Box, Guitar with Talk Box, Fender Rhodes, Hi Hat, DJ Scratches
GERALD ALBRIGHT : Alto Sax
BERNARD WRIGHT : Additional Keyboards
LALAH HATHAWAY : Vocals Sample
PATCHES STEWART : Trumpet


SILVER RAIN

マーカス・ミラー / シルヴァー・レイン / INTRO DUCTION3

アナログレコード

 『SILVER RAIN』の1曲目は【INTRO DUCTION】(以下【イントロ・ダクション】)。


 【イントロ・ダクション】での,マーカス・ミラーチョッパー・プレイは,CD全体への“誘い水”。

 “ベーシストマーカス・ミラーを初めて聴く人にとっては“驚愕のチョッパー”なのかもしれないが,これはマーカス・ミラーにとって“ほんの肩慣らし”! いや,マーカス・ミラーからリスナーへ向けた気遣いあふれたプレゼント!
 「今から始まるショーに向けて,このトラックでもって,肩慣らししてくださいねっ」。
 そんなメッセージが,あ・な・たにも聞こえてきませんか?

 正に【イントロ・ダクション】! 朝飯前の29秒!

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

MARCUS MILLER : Bass Guitar, Fender Rhodes, Keyboards, Beat Box, Udu, DJ Scratches
EARTHA KITT : Vocals


SILVER RAIN
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マーカス・ミラー / シルヴァー・レイン4

アナログレコード

 人付き合いにおいて“第一印象”が重要であるように,あるアーティストの“第一印象”,つまり最初に出会ったCD,もっと言えば最初の一曲,これまた重要である。
 もちろん,長く付き合ってみれば“第一印象”の善し悪しなど吹き飛んでしまうものだが“食わず嫌い”なる言葉があるように,それ以降,箸を付けてもらえなくなるとも限らない。大げさであることは承知で述べるが,アーティストとの最初の出会いはそれこそ,一生の付き合いをも左右しかねない一大事なのである。
 もっともその逆もまた真実で,管理人の場合は,一度“お気に入り”としてインプットされたアーティストについては「どうせまた駄作なんだろうな」と思いつつも「今度こそは!」の繰り返し。数多くの駄作を掴まされている口である。

 さて,マーカス・ミラーである。管理人にとってマーカス・ミラー程,CDリリース毎に印象の異なるアーティストはいない。つまるところ“天才”なのであろう。本当に多くの切り口を持っているもので「よくもまあ」と関心させられてばかりである。
 マイルス・デイビスから入るとジャズディヴィット・サンボーンから入るとフュージョンジャマイカ・ボーイズレゲェ…。ベース小僧なら『THE SUN DON’T LIE』あたりか?
 まだまだ! 人気者のプロデュース業から入る道もある。うーん。何か良い解決策はないだろうか?…暫し考えてみる。

 YES! 『SILVER RAIN』(以下『シルヴァー・レイン』)! このCDにはマーカス・ミラーの魅力がバランス良く収められている。ジャズ,フュージョン,ポップス,ファンク,ボーカルものまであるではないか…。
 恐らく一度二度聴いたぐらいでは,マーカス・ミラーのイメージを掴むことなどできないであろう。本当に様々なジャンルのエッセンスが入り混じっている。『シルヴァー・レイン』の中に全体を貫く一つのテーマを見いだすのは至難の業だろう。そう。ここにあるのはマーカス・ミュージックそのものなのだから…。

 このCDの中に数曲,自分が今まで抱いていたマーカス・ミラーの曲がある。自分にとってはイメージ通り! しかし人によっては別の曲がマーカス・ミラーのイメージそのもの,という場合もあることだろう。そう。そのどちらも正解である。人によってマーカス・ミラーのイメージは異なる。マーカス・ミラーなら至極当然のことだろう。
 それで“ジャズ”の,“フュージョン”の,“ファンク”のマーカス・ミラーと言う固定観念を捨てて見る…。するとどうだろう。ついに一本一本の糸,一曲一曲のイメージが“マーカス・ミュージック”という,大きな“より糸”と化して迫ってくる!
 “カメレオン”マーカスの“七変化”に圧倒されたいなら,迷わず『シルヴァー・レイン』である!

(2005年録音/VICJ-61266)

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JAZZ PIANO BEST SELECTION TOP31-3

 《 ジャズにおいてピアノを究めた者はいまだかつて現れていない。
 トランペットマイルス・デイビスによって,アルト・サックスチャーリー・パーカーによって,テナー・サックスジョン・コルトレーンによって,それぞれ究められてしまった。
 最大音域の自由と平均律の呪縛を併せもつこの楽器とアーティストたちの感性と創造性との果てしない闘争は,やがて熟成された空気となって満ちてくる。 》

 「JAZZ PIANO BEST SELECTION TOP31」。
 今回は17位〜20位の発表です。

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★20.SONG FOR MY FATHER
ホレス・シルバー


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★20.THE TRIO VOL.1
ハンプトン・ホーズ


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★19.EXPLORATIONS
ビル・エヴァンス


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★18.THELONIOUS HIMSELF
セロニアス・モンク


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★17.LEFT ALONE
マル・ウォルドロン


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 個性的なCDのひしめき合い! このランキングは,余りにも出来すぎていて,ちょっとすごいです。
 真にジャズ・ピアノらしい,ジャズ・ピアノ名盤ばかり!

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アート・ファーマー / おもいでの夏 / THE SUMMER KNOWS5

 『THE SUMMER KNOWS』の1曲目は【THE SUMMER KNOWS】(以下【おもいでの夏】)。


 【おもいでの夏】で鳴り響く,アート・ファーマーフリューゲル・ホーンの音色は,秋風! 決して冷たいのではない。時折,の暑さも感じさせてくれる“熱風混じり”の“涼しい”風色!

 アート・ファーマーの“リリカル”な演奏は,彼の第二の故郷=オーストリアはウィーンの“短い”をイメージしてのことでは? そんな“おセンチ”気分に浸りたくなる,全編感傷の音楽世界。
 最初の一吹きから,最後の一吹きにいたるまで美しい。マイルス・デイビスミュートウイントン・マルサリスバラードと肩を並べる美しさ。感動的である。

 バックのピアノ・トリオも控え目であるが,連動性のあるインタープレイを聴かせてくれる。ただし4分40秒から一瞬であるが,シダー・ウォルトンの“お調子者のピアノ”が登場する。この展開はアンビリーバブル!
 こういう“意図的な外し”が,火照った身体をクールダウンさせてくれる“秘訣”であるに違いない。

 もうこの歳になると,夏全開!は耐え難い。【おもいでの夏】は憔悴しきった日における,16時からのBGM! あっ,山下達郎【さよならの日】もお忘れなく…。

ART FARMER : Fluegel Horn
CEDAR WALTON : Piano
SAM JONES : Bass
BILLY HIGGINS : Drums

アート・ファーマー / おもいでの夏5

THE SUMMER KNOWS-1 管理人は,頑固に“この道一筋”職人気質のジャズメンが好きなのであるが,マルチな才能溢れるジャズメンにとって,本職以外の楽器にチャレンジしたくなるのも当然であろう。
 ピアニストギタリストならアコースティックエレクトリック。ホーン奏者なら二刀流,例えば,木管奏者であればアルト・サックスフルートテナー・サックスソプラノ・サックスといったパターン。金管奏者ならトランペットコルネットトランペットフリューゲル・ホーン,と相場は決まっている。

 楽器を持ち替えたとしても,そのジャズメン特有のクセ,特徴までは変わらない。音色の変化が表現の幅を広げてくれるに過ぎない。そう。本質的には常に同じはずなのである。
 しかし,稀に楽器の持ち替えが“劇薬”になる場合がある。本職の楽器では決して見せない一面を“ここぞ”とばかりに,露わにする。要は持ち替えた楽器の方が,そのジャズメンの個性=本質に“ハマっている”のである。

 その代表格が“叙情派”トランペッターアート・ファーマー奏でるフリューゲル・ホーンであろう。
 アート・ファーマーと言えば,ご存知,ハード・バップ・トランペッター。ただしクリフォード・ブラウン流の“ストレートな”熱演タイプではなく,マイルス・デイビス流の“抑制された”熱演タイプ。
 以前に何かの文献で,素の彼も内省的で気が弱かった,と読んだ記憶があるのだが,アドリブにおける語り口からして“叙情派”トランペッターと言うキャッチ・フレーズは伊達ではない。

 そんな“叙情派”の本領発揮がフリューゲル・ホーン! フリューゲル・ホーンは幾分暗めで輪郭がぼやけた?抽象的な音色。そう。バラードとの相性がチリバツな,甘く・切なく・悲しく響く。全てがまろやかで柔らかく,朴訥にささやくような楽器,と書くと大袈裟?

 “いぶし銀”トランペッターであるアート・ファーマーの個性を引き出すために,フリューゲル・ホーンが存在するのか,はたまたフリューゲル・ホーンの個性を引き出すためにアート・ファーマーが必要なのか,これはもう「コロンブスの卵」!
 とにかく管理人の中では,アート・ファーマーと来ればトランペッターではなくフリューゲル・ホーン・プレイヤーなのである。

 『THE SUMMER KNOWS』(以下『おもいでの夏』)は,フリューゲル・ホーン・プレイヤーとしてのアート・ファーマーに焦点を当てた,全曲,フリューゲルによるワン・ホーンCD
 ピアノシダー・ウォルトンベースサム・ジョーンズドラムビリー・ヒギンズ,そして奏でられるスタンダード
 そう。このメンバーにこの選曲。悪かろうはずがない。この“お膳立て”を受けたアート・ファーマーも期待通りの名演で応える。正に完成された黄金比の“リリシズム”なのである。

THE SUMMER KNOWS-2 バラードとの「相性」の良さについて先述したので『おもいでの夏』は全編バラード,とお思いかもしれないが,バラードは全6曲中3曲である。

 しかしこれぞ選曲の妙! バラードが“秀逸”なのは当然としてバラード以外の3曲の「爆発するパッセージ」の名演が,かえってフリューゲル・ホーン・プレイヤー=アート・ファーマーを強く印象付けている。

 そう。『おもいでの夏』には“いぶし銀”アート・ファーマーの“叙情性”が色濃く記録されている。ハード・バップ・トランペッターとしてのアート・ファーマーしか知らないジャズ・ファンに一聴をお奨めしたい。

  01. THE SUMMER KNOWS
  02. MANHA DO CARNAVAL
  03. ALFIE
  04. WHEN I FALL IN LOVE
  05. DITTY
  06. I SHOULD CARE

(イースト・ウィンド/EAST WIND 1977年発売/PHCE-2041)
(ライナーノーツ/牧芳雄)
(紙ジャケット仕様)

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