アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

高中 正義 / ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ5

JUNGLE JANE TOUR LIVE-1 『JUNGLE JANE』を高中正義の“最高傑作”に指名したのは『JUNGLE JANE TOUR LIVE』(以下『ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ』)の「相互作用」の後押しが大きい。

 順当なら高中正義の“最高傑作”は『夏・全・開』になったと思う。でも『夏・全・開』は「TUBE」みたいなもので冬には聴こうと思わない。その点で『ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ』は気分を上げたい時に丁度良い。
 そう。『ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ』こそが,管理人の高中正義一番の愛聴盤なのである。

 管理人の「高中聴き」のスタイルは,ほぼスピーカー再生であって,ながら聴きで聴くことの方が多い。いつものヘッドフォンでのリスニングはしない。
 これは悪口ではない。「タカナカ・サウンド」の真髄はメロディーであってテクニックではない。ギターであってヴォーカルではない。だからいつでも取っ付きやすく聴きやすいのだ。

 その意味で『JUNGLE JANE』が“最高傑作”で悔いはない。これぞ高中正義の「エンターテイーナー」のピークに違いない。
 特にライブ盤『ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ』が生バンドだから感じることだが,高中正義の緻密なスタジオ・ワークが素晴らしいことを何度も再確認させられた。

 高中正義は「ライブではエフェクターを極力少なく,レコーディングでは多く」と何かの記事で読んだ記憶があるが「スタジオではライブでの再現など考えず,今本気で聴かせたいギターフュージョンを追及していたことが「後から後から」発見できた。

JUNGLE JANE TOUR LIVE-2 …で,逆に言えば,高中正義ライブではライブでしかできないギターフュージョンを聴かせている。
 そう。『ジャングル・ジェーン・ツアー・ライブ』での高中正義が大熱演。こんなにも高中正義ライブアドリブを弾きまくるとは予想していなかった。

 キーボード森村献キーボード石川清澄ベースデレク・ジャクソンドラム北村健太コーラス大滝裕子吉川智子が見事に高中正義エレキと一体化している。素晴らしい。

 【BLUE LAGOON’86】におけるトリガー音源でのギターシンセソロが会場を煽りまくる様が圧巻。
 【渚・モデラート】も寂しい夏の終わりではなく,情熱的なライブ演奏の方が高中っぽくて好みである。

  01. JUNGLE JANE
  02. BAY STREET FIX
  03. WARM SUMMER WOMAN
  04. エピダウロスの風
  05. BLUE LAGOON '86
  06. CHASE
  07. JACKIE'S TRAIL
  08. CHINA
  09. JUMPING TAKE OFF
  10. SHAKE IT
  11. 渚・モデラート

(東芝EMI/EASTWORLD 1986年発売/CA32-1349)

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ボニー・ジェイムス / スウィート・シング(ニュー・エディション)4

SWEET THING-1 スムーズ系のサックス・プレイヤーと来れば「昔・グローヴァー・ワシントンJR.,今・ケニー・G」で決まりだと思う。
 ただし,グローヴァー・ワシントンJR.にしてもケニー・GにしてもBIGすぎる。声高に「グローヴァー・ワシントンJR.スムーズ・ジャズだ。ケニー・Gスムーズ・ジャズだ」と叫ぼうものなら異論噴出になるだろう。

 そう。グローヴァー・ワシントンJR.にしてもケニー・Gにしても,もはやスムーズ・ジャズのカテゴリーを超えている。ガッチリと自分の音世界を確立してる。イメージが出来上がりすぎている。
 ゆえに管理人はスムーズ系のお奨めサックス・プレイヤーと問われれば,最近はもっぱらボニー・ジェイムスと答えることが多い( ← たまに気分でネルソン・ランジェルだったりする )。

 ボニー・ジェイムスの答えは,絶対にグローヴァー・ワシントンJR.ケニー・Gの「格落ち」などではない。
 ボニー・ジェイムスグローヴァー・ワシントンJR.ケニー・Gに引けを取らない実力者。何よりも一音聴いてボニー・ジェイムスと認識できる個性を確立している。
 じわじわとBIG2との距離を縮めている。「全米ジャズ・チャート19週間NO.1」を獲ったのだから,グローヴァー・ワシントンJR.は超えたのかも?

 そんなボニー・ジェイムスの“売れに売れた代表作”が『SWEET THING』(以下『スウィート・シング』)!
 管理人が持っているのは『スウィート・シング(ニュー・エディション)』なる再発盤。エリック・ベネイヴォーカルを1トラック追加収録してロングセラーを狙ったわけなのです。それ位売れるアルバムです。

 売れる理由はすぐに分かります。この雰囲気なのです。軽い,それでいて軽くないのです。テクニックに裏付けられた高度なフレージングが多く登場するのに非常に耳馴染みが良い。聞き流しても良いし,聞き入っても良い。「メロディーが連続している」感じなのです。

SWEET THING-2 『スウィート・シング』が流れていると気分が落ちついてくる。無心になってくる。
 そう。なんだかんだで管理人は『スウィート・シング(ニュー・エディション)』の10曲の楽曲ではなく,ボニー・ジェイムスサックスの音だけを無意識のうちに聴いている。無心になって追いかけている。そんな自分に気付くことがある。

 ボニー・ジェイムスはいい。絶対にいい。まだまだ『スウィート・シング(ニュー・エディション)』が聴き飽きない。

  01. East Bay
  02. Nothin' But Love
  03. Words (Unspoken)
  04. Sweet Thing
  05. It's All Good
  06. After The Rain
  07. Innocence
  08. I Still Dream
  09. Ivory Coast
  10. It's All Good (Bonus Remix)

(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 1999年発売/WPCR-10611)
(ライナーノーツ/中田利樹)

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高中 正義 / ジャングル・ジェーン5

JUNGLE JANE-1 『JUNGLE JANE』(以下『ジャングル・ジェーン』)こそが高中正義の“最高傑作”である。

 とにかく曲が良い。全曲口ずさめるキャッチーなメロディー。鼻歌で歌うことはできるのだが,でもやっぱりギターでないと歌えない。
 もっと言うと『ジャングル・ジェーン』は高中正義でなければ歌えない。同じギタリストであっても『ジャングル・ジェーン』の名曲は野呂一生安藤正容和田アキラではこんなにも歌うことはできないのだ。

 そう。『ジャングル・ジェーン』こそが,管理人のイメージする「タカナカ・サウンド」の理想形。
 『ジャングル・ジェーン』以前は『夏・全・開』での「夏サウンド」ベッタリだったのだが『ジャングル・ジェーン』は,もはや「夏一本」を離れて“ギターフュージョン”に寄せているから表現できる,高中正義独自の世界観,が眼前にそびえ立っている。

 こんな「タカナカ・サウンド」は,大好きなキティ時代には予想できなかった。東芝EMIに移籍してブラコンをやったからこそ!

 そう。ブラコンをやって“リリカルに歌う”術を身に着けた高中正義が「これまで誰も作ることのできなかったギターでないと歌えないインスト」を作り上げた“作品”が『ジャングル・ジェーン』なのだろうと思う。

 「ザ・タカナカ・サウンド」の総決算的な【JUNGLE JANE】と【SHAKE IT】が盛り上がる。
 「トロピカル・サウンド」の総決算的な【WARM SUMMER WOMAN】と【BAY STREET FIX】が気分アゲアゲ。

JUNGLE JANE-2 つべこべ言うのは『ジャングル・ジェーン』には似つかわしくない。管理人が『ジャングル・ジェーン』を絶賛する理由は,第一に理屈ではなく他との比較でもなく素晴らしいアルバムだから…。

 『ジャングル・ジェーン』を聴いていると,アルバムの最初の1秒から最後の1秒に至るまで,楽曲に磨きをかけた高中正義の強烈な自我に一瞬で引きずり込まれてしまう…。
 こんな体験,音楽でないと味わえない。『ジャングル・ジェーン』でないと味わえない。高中正義でないと味わえない。とにかく最高なのである。

  01. JUNGLE JANE
  02. EXOTICA
  03. WARM SUMMER WOMAN
  04. SHAKE IT
  05. ILLUSION
  06. SONNA BAHAMA!
  07. BAY STREET FIX
  08. WHEN YOU'RE NEAR ME
  09. RA-KU-DA

(東芝EMI/EASTWORLD 1986年発売/CA32-1262)

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チック・コリア / ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク5

THE MUSICIAN-1 『THE MUSICIAN』(以下『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』)は,チック・コリアの音楽生活50周年を記念して,と書き始めたのは『ランデヴー・イン・ニューヨーク』の紹介方法であるが『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』の紹介方法は,チック・コリアの生誕70周年記念と書くのが良いようである。

 『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』は,2011年11月にニューヨークブルーノートで行なわれた,全部で10バンド,総勢27名のジャズメンが共演した全23日間連続公演のハイライトを記録した「超豪華」3枚組みスペシャル・ライブ盤。

 プログラムは収録順に,スタンリー・クラークレニー・ホワイトフランク・ギャンバレとによるリターン・トゥ・フォーエヴァーアンプラグドゲイリー・ピーコックブライアン・ブレイドとによるチック・コリアトリオジョン・マクラフリンケニー・ギャレットジョン・パティトゥッチブライアン・ブレイドとによるファイヴ・ピース・バンドボビー・マクファーリンとのデュオゲイリー・バートンとのデュオ(WITH ハーレム・ストリング・カルテット・フューチャリング・ゲイル・モラン・コリア),ウォレス・ルーニーゲイリー・バーツエディ・ゴメスジャック・ディジョネットとによるフロム・マイルスコンチャ・ブイカカルレス・ベナベントホルヘ・パルドジェフ・バラードニーニョ・ホセレとによるフラメンコ・ハートマーカス・ロバーツとのデュオ(フューチャリング・ウィントン・マルサリス),ハービー・ハンコックとのデュオフランク・ギャンバレエリック・マリエンサルジョン・パティトゥッチデイヴ・ウェックルとによるエレクトリックバンド

 『ランデヴー・イン・ニューヨーク』での2枚組から『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』では3枚組へとスケールアップしているが,演奏の量だけではなく演奏の質までが更に良くなっているように思う。

 中には眉間にシワ的なお披露目エキシビションも含められていると予想したのが大間違い。全セット&全トラックが最高に素晴らしい。どれがどうだと細かく指摘するのは意味を持たない。「軒並み」最高の演奏が続くので「月並み」最高という言葉で統一しようと結論したい。

 『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』を聴く限り,他の誰よりもチック・コリアが一番この演奏を楽しんでいる!
 全ての主演者,関係者,観客からの祝福を受けたチック・コリアさん,音楽生活50周年おめでとうございます!

 チック・コリアが『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』でのスペシャル・ライブを楽しんだ最大の理由は,それぞれの経験を糧にしたフレンズたちとの「新感覚のコミュニケーション」にあると思う。
 それぞれのユニット毎に,そのユニットでの代表曲を演奏しているのだが,単なる過去の焼き直しでは終わらない,斬新なアレンジで歌い上げるチック・コリアの極上のピアノが響いている。

 『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』は,スペシャル・ライブの性質上,チック・コリアの“音楽性の広さ”を堪能するためのプロジェクトであるが,どの演奏にもグッと来てしまう“音楽性の深いつながり”も感じられる。
 やっぱりチック・コリアこそが「ジャズフュージョン」界の“スーパー・スター”であった。

 『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』を聴いていると,何だか『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』がダイジェスト盤のように感じてくる。この後に発売される「本編プロモーションのための予告編」のように思えてくる。
 そう。『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』における「チック・コリア・オールスターズ」の“演り逃げ”を聴かされては,到底満足などできやしない。2枚組では足りないのだ。1ユニット1曲か2曲では欲求不満を覚えてしまう。あの23日間連続公演のコンプリート盤を渇望してしまう。

 それにしても『ランデヴー・イン・ニューヨーク』と『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』とでは,ほとんどのセットリストが被っていないではないか!
 この事実に本当に驚かされた。そして改めてチック・コリアの音楽性の「幅と深さ」に圧倒されてしまった!

 特に(チック・コリア・フリークとしては恥ずかしいのだが)管理人的に“初共演”となる,ゲイリー・ピーコックとのトリオマーカス・ロバーツとのデュオウィントン・マルサリス,そして「タッチストーン」の後釜となった「フラメンコ・ハートセッション。これらの名演を聴き逃してきたのは猛反省! またチック・コリアを集め始めます!

THE MUSICIAN-2 あとチック・コリアだけを純粋に聴いていられない,自分自身のキース・ジャレット体質とも対峙した。チック・コリアトリオを組んだゲイリー・ピーコックの,いつになく重いベースに焼きもちを焼く。

 久々に聞いたチック・コリアジャック・ディジョネットとの共演も判断基準として,どうしてもキース・ジャレットを聴いてしまう。キース・ジャレットを離れたジャック・ディジョネットも自由なのが鼻につく。なんでなのだ〜。

 あるいはハービー・ハンコックつながりのはずのウィントン・マルサリスが,なんでハービー・ハンコックではなくマーカス・ロバーツなのだろう。いろんな知識が邪魔をして来るんだな。これがっ。

 『ランデヴー・イン・ニューヨーク』ではアコースティック・バンドオリジン。『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』ではリターン・トゥ・フォーエヴァーエレクトリック・バンド。憎いね〜,チック・コリア

 『ランデヴー・イン・ニューヨーク』と『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』でのレギュラーはゲイリー・バートンボビー・マクファーリン。憎いね〜,チック・コリア

 …で,実は『ザ・ミュージシャン〜ライヴ・アット・ブルーノート・ニューヨーク』の発売時点で,チック・コリアの生誕75周年記念のスペシャル・ライブが既に決行済と来た。ますます憎いね〜,チック・コリア。第3弾は4枚組確定なのかな?

  CD1
  <RETURN TO FOREVER UNPLUGGED>
  01. Captain Marvel
  02. Light as a Feather
  <CHICK COREA TRIO WITH GARY PEACOCK & BRIAN BLADE>
  03. I Hear a Rhapsody
  <FIVE PEACE BAND>
  04. Spirit Rides
  05. Special Beings
  <CHICK COREA & BOBBY McFERRIN DUET>
  06. I've Got the World on a String
  07. Spain

  CD2
  <CHICK COREA & GARY BURTON WITH HARLEM STRING
   QUARTET
>
  01. Overture
  02. Your Eyes Speak to Me
  <FROM MILES>
  03. If I Were a Bell
  04. Nefertiti
  <FLAMENCO HEART>
  05. Zyryab
  06. Mi Nina Lola

  CD3
  <CHICK COREA & MARCUS ROBERTS DUET>
  01. CC's Birthday Blues
  02. Caravan
  <CHICK COREA & HERBIE HANCOCK DUET>
  03. Hot House
  04. Dolphin Dance
  05. Cantaloupe Island
  <THE CHICK COREA ELEKTRIC BAND>
  06. Ritual
  07. Silver Temple

(ストレッチ・レコード/STRETCH RECORDS 2016年発売/UCCO-1185/7)
(☆SHM−CD仕様)
(CD3枚組)
(ライナーノーツ/ロビン・D.G.ケリー,熊谷美広)

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高中 正義 / TRAUMATIC 極東探偵団4

TRAUMATIC 極東探偵団-1 レコード会社移籍が先なのか? 音楽性の変化が先なのか? 『TRAUMATIC 極東探偵団』で「タカナカ・サウンド」の“夏サウンド”が変化した。

 『TRAUMATIC 極東探偵団』も高中正義の基本である,夏は夏なのだが「灼熱」でも「トロピカル」でもなく「哀愁の夏」へと変化した。
 『TRAUMATIC 極東探偵団』が「寂しい夏の終わり」のBGMの一番手である。

 管理人の抱いた「時期遅れの夏」のイメージ。9月と10月の「誰も遊んでいない海」。これって【渚・モデラート】1曲の印象なのだろう。
 『TRAUMATIC 極東探偵団』は1曲1曲の個性が強い。しかし他のトラック全部をブッチギッて【渚・モデラート】1曲のインパクトがアルバム全体のイメージを支配している。

 『TRAUMATIC 極東探偵団』のテーマは「東南アジアの夏サウンド」。だから9月や10月でもまだまだ熱い「時期遅れの夏」のイメージがするのだろう。
 『TRAUMATIC 極東探偵団』で高中正義が目を付けたのは「極東とは危険な場所」→「波止場・埠頭」。その香港マフィア?系の危うさのエッセンスが見事に“デジタル・ファンク”の大仕事で散りばめられている。

 ズバリ,高中正義が『CAN I SING?』『夏・全・開』で打ち込みを採用してきたのは,来るべき『TRAUMATIC 極東探偵団』のようなブラコンとかダンス・ミュージックへとシフトするための布石であったと思う。

 『TRAUMATIC 極東探偵団』のキーワードはデジタル・チックとヴォーカルヴォイス)である。
 ザックリと分かりやすくイメージだけを書き記すと,過去に共演したオルケスタ・デ・ラ・ルスのようなサウンドであり,この後共演することになるマイアミ・サウンド・マシーンのようなサウンド,その中での「ギター1強」なのである。
 「ギター1強」と,ギターを補完する打ち込みとヴォーカルの「黄金のバランス比」が完成している。素晴らしい。

 高中正義と来れば,今となってはキティ時代の「初夏〜盛夏」の夏サウンドが大好きなのだが,学生時代には東芝EMI時代の「残暑〜晩夏」の夏サウンドがたまらなく好きだった。
 (ビジュアル的には)ダサイ系の高中正義が,見事に垢抜けて,都会的で,何となくオシャレになって,やんちゃな大人に背伸びしたイメージに共感していたのだろう。

 【渚・モデラート】に日本版シャカタクの【NIGHT BIRDS】や【INVITATIONS】を思い重ねていたりして…。
 あっ,シャカタクもこの時期『DOWN ON THE STREET』『CITY RHYTHM』でデジタル・ファンク路線を進んでいたんだっけ?

 『TRAUMATIC 極東探偵団』のレヴューを書いていて,初めて気付いてしまった?
 もしかして・タ・カ・ナ・カ〜。確信犯だったのか〜。

※ 『TRAUMATIC 極東探偵団批評ジャケット写真はミュージック・カセット・テープ版です。

  01. Teaser
  02. China
  03. The Line Is Busy
  04. 渚・モデラート
  05. Traumatic
  06. Jackie's Trail
  07. Chase
  08. Struttin' on Broadway
  09. Lagoon Music

(東芝EMI/EASTWORLD 1985年発売/ZH28-1545)

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エバーハルト・ウェーバー/ヤン・ガルバレク/パット・メセニー/ゲイリー・バートン / オマージュ5

HOMMAGE A EBERHARD WEBER-1 エフェクターで加工したアコースティックベースの独特な響きがトレードマークのエバーハルト・ウェーバー

 エバーハルト・ウェーバーECMベーシストとして重要な位置付けにあるのは事実だと思うが,個人的にエバーハルト・ウェーバーの演奏目当てでCDを買った経験がない者としては,生誕75周年記念のトリビュートライブが豪勢に執り行なわれ,尚且つ,その場に“ギターの巨匠”のパット・メセニーサックスの巨匠”のヤン・ガルバレクヴァイヴの巨匠”のゲイリー・バートンが“揃い踏み”してしまったとは…。

 その上で『HOMMAGE A EBERHARD WEBER』(以下『オマージュ』)と題されたライブ盤としてリリースされてしまうとは…。

 実は『オマージュ』をパット・メセニー目当てで購入した管理人としては,エバーハルト・ウェーバーの偉大さ,人徳と言うものをこのアルバムで初めて認識した次第なのです。
 『オマージュ』にサブタイトルを付けるなら「ついに明らかにされたエバーハルト・ウェーバーの偉人ぶり」ってのはどうですか?

 『オマージュ』の主役であるエバーハルト・ウェーバー。実は2007年に脳梗塞で倒れ,せっかくの晴れ舞台でベースを演奏することはできなかった。
 ゆえに『オマージュ』のトリビュートライブは,過去のエバーハルト・ウェーバーの「テープ音源」を流し,その上に生演奏を被せるという変則のステージ進行。

 そんな「キワモノ」な企画だったのに『オマージュ』のステージに上がったジャズメン全員が,非常に真摯でクリエイトしているのが素晴らしい。エバーハルト・ウェーバーへの“リスペクト”がそこはかとなく感じられる。ECMらしくない?温かい音がする。

 そうは言っても『オマージュ』のトリビュートライブの主役を張ったのは,ECMに久しぶりに帰ってきたパット・メセニーであった。
 『オマージュ』でのパット・メセニーの出演は【HOMMAGE】1曲のみ。でもこの1曲が完璧であって,見事にエバーハルト・ウェーバーの過去の演奏テープとシンクロしてみせている。
 エバーハルト・ウェーバーのテクスチャーを彷彿とさせる響きが,31分を超えるメセニー・サウンドの文脈の中で結実している。素晴らしい「長編小説」としてのオマージュなのだと思う。

HOMMAGE A EBERHARD WEBER-2 いいや,パット・メセニーの演奏がここまで光っているのはパット・メセニー1人の力量ではない。
 『オマージュ』のトリビュートライブのステージに上がったヤン・ガルバレクソプラノサックスゲイリー・バートンヴィブラフォンの演奏が相当にいい。

 そんな全ての“お膳立て”の上に乗ったパット・メセニーギター! そしてその頂点に祭り上げられているのがエバーハルト・ウェーバーベース・ヴァーチャル〜!

 ECMのかつてのスター・プレイヤーが再集結してエバーハルト・ウェーバーへのオマージュを奏でる。ビッグ・バンドの雄大なアンサンブルがシンフォニーしている。

 全編統一感のある『オマージュ』の「音の香り」の好感度が非常に高い。新旧ECMの空気感を堪能できる『オマージュ』の至福に聴き入っていると「夢の中を彷徨っている」ような豊かな気分に満たされる。

 『オマージュ』はECMレーベルの長い歴史が産み落とした,名盤ライブの1枚だと思う。

  01. RESUME VARIATIONS
  02. HOMMAGE
  03. TOUCH
  04. MAURIZIUS
  05. TUBINGEN
  06. NOTES AFTER AN EVENING

(ECM/ECM 2015年発売/UCCE-1151)
(スリーブケース仕様)
(ライナーノーツ/パット・メセニー,エバーハルト・ウェーバー,原田和典)

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