アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

20171105 DIMENSION LIVE NO.1

 行ってきました! 11/5「Gate’s7」の「LIVE DIMENSIONAL−2017 〜30〜」!

 「LIVE DIMENSIONAL−2017 〜30〜」のツアー2本目にして早くもハイライトを迎える福岡公演。福岡公演が毎年一番盛り上がる。福岡公演では「値段以上の演奏をしている」の自覚有り。

 なぜなら小野塚さんが「騒ぎたい気分満々」だったから。カツオが「3日前から福岡へ前ノリしていた」から。1人でいけすのイカを3杯食べたから。LIVE当日も6時起きで6時半からホテルの朝食バイキングでフレッシュな健康食だけを食べてきたから。

 NO。「ゲイツ7」には,昨日日本一を決めたヤフオクドームの5倍ぐらいのお客さんが入っていたから? DIMENSIONはソフトバンクの優勝なんかに負けていません。
 最後は「胴上げ」はあるは,最後の最後に金のクズが落ちてくるは,アンコールでカツオが客席にダイブするは…。カツオのダイブはマイケル・ジャクソン並みでしたよっ。

 ただし,今回の福岡公演の入場順は14番。諸事情により例年よりもチケット入手が遅れてしまった。だから鼻からいつものスミイチの指定席はあきらめ,ステージ全体を見渡すべく中央ブロックの前から3卓目の数えで5列目。
 「胴上げ」前で「金クズ」前で「ダイブ」前の,管理人熱狂の証拠写真が clubdimension
 今回は熊本のディメ仲間Sさんとご一緒させていただきました〜。

CLUBDIMENSION-1

 さて,まずは恒例のメンバー紹介から…

 ★ 増崎 孝司 : Guitar
 ★ 小野塚 晃 : Keyboard
 ★ 勝田 一樹 : Alto Saxophone
 ☆ 二家本 亮介 : Bass
 ☆ 則竹 裕之 : Drums

 DIMENSIONライブこそが真のツンデレ。演奏のカッコ良さとMCの漫談とのギャップが大きすぎる〜。MCについては明日のLIVEレポートで書くとして,やはりDIMENSIONは“超絶技巧集団”を再認識。

 恐らくはDIMENSION史上最難解であろう『30』の超高速で目まぐるしく展開が変わっていくサウンド・アレンジに,LIVEでは再現不可能か?と思ってしまったが,そんな心配など無用の息をもつかせぬ“超絶技巧”! 世界最高の演奏であった。

 特に増崎孝司側から離れ,小野塚晃側からも離れた,勝田一樹の正面から見て聴いたDIMENSIONの音&音!
 増崎孝司の至近距離から離れて増崎孝司の偉大さを知ったものだが,今回は4年振りに小野塚晃から至近距離から離れて小野塚晃の偉大さを痛感させられた。
 4年振りに小野塚晃の正面からの表情を見ながら聴いた【AN EMPTY DREAM】でのキーボードソロ。何であんなにも心を打つのでしょう。涙出そうになって必死に我慢しました。

 要所要所で前に出て,瞬時にサウンド全体をコントロールしまとめ上げていく小野塚晃に寄り掛かれるから,増崎孝司が「いつも4速ぐらいで走っているところを25速で走っている」し,勝田一樹が「4回転半ジャンプ〜5回転半ジャンプ」を決めまくる! 超カッコ良かった! 

 そうして途中でステージ上からのオーダー通りに音を作れないローディーに切れる勝田一樹を初めて見た。プロなんだなぁ。しゃべりのプロではなくてサックスのプロなんだなぁ。
 いいや,アンコールの最後の【BRIGHTNESS OF THE MORNING SUN】の最後,予定外の長尺で「会場練り歩き」を一人続ける勝田一樹がプロのエンターテイナー。マスヤンの「帰ってこい」のアクションを振り切って会場一周を続けるカツオこそがプロのエンターテイナー。

 そう言えば,先日の名古屋公演で「時間通りに始めて時間通りに終わる」プロとして,サックスソロで「腕時計を見ちゃった」のが勝田一樹。「手を抜いたわけじゃないです。時間が限られちゃってるんで。ストップ・ウォッチ入れてんだけどなぁ〜」。

 さて,この記事はLIVEレポートなので,ステージ前半のセットリストを報告しておきます。

30-1
30
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e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ) / ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ5

STRANGE PLACE FOR SNOW-1 管理人が初めて「e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)」を聴いたのは「怒涛の三部作」の第一作『STRANGE PLACE FOR SNOW』(以下『ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ』)であった。

 エスビョルン・スヴェンソンピアノが,一般的なジャズ・ピアノとは言い難く,ロックやポップスの心地よいラップトップ・サウンドを聴いているような感じがした。
 理由は主にうっすらとバックで流れているキーボードが大インパクト。サンプリングされているようでいて“生っぽい”アコースティックキーボードの“鳴り”にジャズピアニストとしての“誇り”を感じてしまう。

 軽い衝撃が持続する中『ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ』を聴き続けたある日のこと,ふとジャズ弾きでもフュージョン弾きでもない,エスビョルン・スヴェンソンの中のキース・ジャレットとつながった。

 今となっては信じられないかもしれないが,キース・ジャレットはかつてフォーク・ロックを積極的に採り入れたポップかつ前衛的な演奏をしていたことがある。ジャズ・ピアノに当時の流行を取り入れ,ジャズ・ピアノの新たな表現に挑戦したのだった。

 エスビョルン・スヴェンソンキーボードでエレクトロニックを,ドラムンベースでクラブ系を表現する「ジャズを越えていくための実験的な試み」は,かつてのキース・ジャレットが探求していた,新しいジャズ・ピアノの模索と同じなのでは?

 そう。キース・ジャレット・フォロワーを公言するエスビョルン・スヴェンソンは,新しいジャズ・ピアノの探求,その音楽性の実験という意味において,キース・ジャレットの精神性を継承したジャズピアニストなのである。

 『ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ』の時点で完成を迎えた「e.s.t.」の先進的なリズム・アプローチ,メロディックで多彩な曲調が“生っぽい”アコースティックキーボードで際立っている。
 『ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ』を聴いて,ピアノ・トリオの既成概念が幾らか崩されたと思う。初めは嫌いだった上原ひろみが好きになったのも『ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ』と同時期だったかなぁ。

 かつて,ピアノエスビョルン・スヴェンソンベースダン・ベルグルンドドラムマグヌス・オストラムの3人は「e.s.t.」について「『e.s.t.』はジャズ・バンドではなく,ジャズも演奏するポップ・バンドだ」と述べたことがある。

 管理人が『ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ』を聴いて感じた,非ジャズ・ピアノのニュアンスは当たっていたことになる。「ポピュラー音楽としてのジャズ」が,北欧のパラレルな視線でシームレスなジャズを照射している。

STRANGE PLACE FOR SNOW-2 しかしながら「e.s.t.」の考えるポップ・バンドとは,一般的なポップ・バンドではない。アルコとエレクトロックが映える複雑なリズムに,これ以上ないぐらいに見事なプリペアード・ピアノを織り交ぜたリリシズムが織りなす,奥深さに光り輝く新しいジャズ・ピアノに他ならない。

 『ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ』から始まる「e.s.t.」の新しいジャズ・ピアノは,様々な音楽を聴き続けている人だけが辿り着ける「オアシス」のような音楽だと思う。サウンドに込められたエモーションを拾い出して聴くことのできる人だけが,多くの愉しみを得ることができる音楽だと思う。

 プログレッシヴと評される通り,まさに時代の最先端を行くジャズ・ピアノ。単純にエスビョルン・スヴェンソンのヨーロッパ的で詩的なメロディ・センスだけが突出しているわけではない。
 3人の織りなすインタープレイジャズ以外の様々な要素を取り入れたグルーヴ,エフェクティヴな仕掛けの全てが時代の最先端を行く非ジャズ・ピアノを示している。「鳥肌もの」の思い出の1枚である。

  01. The Message
  02. Serenade For The Renegade
  03. Strange Place For Snow
  04. Behind The Yashmak
  05. Bound For The Beauty Of The South
  06. Years Of Yearning
  07. When God Created The Coffeebreak
  08. Spunky Sprawl
  09. Carcrash - September

(ソニー/SUPER STUDIO GUL 2002年発売/SICP-159)
(ライナーノーツ/岩浪洋三)

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スイングジャーナル主催 ジャズ・ディスク大賞 1992年度(第26回)

 「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCDLPビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。

 今回は1992年度(第26回)の発表です。

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ロマンティック★【金賞】.ロマンティック
ゴンサロ・ルバルカバ


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Spirits of Our Ancestors★【銀賞】.アフリカ(われらが祖先のスピリッツ)
ランディ・ウエストン


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Here's to Life★【ボーカル賞】.ヒアズ・トゥ・ライフ
シャーリー・ホーン・ウイズ・ストリングス


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クルディッシュ・ダンス★【日本ジャズ賞】.クルディッシュ・ダンス
山下洋輔


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ヒア・アイ・アム★【日本ボーカル賞】.ヒア・アイ・アム
伊藤君子


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ビンテージ・トラックス・オブ・フュージョン〜ザ・ヒストリー・オブ・JVC’Sワークス★【編集企画賞】.ビンテージ・トラックス・オブ・フュージョン〜ザ・ヒストリー・オブ・JVC’Sワークス(JVC)


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ストレイト・トゥ・ザ・スタンダード★【制作企画賞】.ストレイト・トゥ・ザ・スタンダード
ザ・ジャズ・ネットワークス


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トライアングル★【制作企画賞】.トライアングル
テザード・ムーン


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Rachelle Ferrell★【録音賞(海外)】.ポートレイト
 ラシェル・フェレル


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酒とバラの日々★【録音賞(国内)】.酒とバラの日々
サイラス・チェスナット


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AN ALL-STAR TRIBUTE TO THE JAZZ MASTER [LaserDisc]★【最優秀ビデオ賞】.セレブレーション!
 ディジー・ガレスピー・バースディ・コンサート



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 「テザード・ムーン」の『トライングル』が【制作企画賞】受賞!
 キース・ジャレットトリオに“肩を並べる”の菊地雅章の新ピアノ・トリオの始動は,確かに【制作企画賞】ものであろう。

 なぜって? 管理人がもう一度聴きたいキース・ジャレットトリオは,ベースゲイリー・ピーコックドラムポール・モチアンと組んだ『AT THE DEER HEAD INNアゲイン
 キース・ジャレットトリオの編成からドラマーが1人交代しただけで,こうも変わるものなのか!?

 「テザード・ムーン」の『トライングル』を聴いた感想は,キース・ジャレットトリオの編成からピアニストが1人交代するだけで,こうも変わるものなのか!?
 菊地雅章が“唸りまくる”「テザード・ムーン」の『トライングル』は,確かに【制作企画賞】ものであろう。

 いいや,プーさんに【制作企画賞】なんて評価低すぎ〜。【日本ジャズ賞】→【銀賞】→【金賞】にも相応しい。素晴らしい。

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e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ) / グッド・モーニング・スージー・ソーホー5

GOOD MORNING SUSIE SOHO-1 『ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ』が大好き過ぎて「輸入盤が購入しない。なぜなら本当に良いものならば,日本盤も待てば出るのだから」という(恐らくは的外れを自覚している)自らに課した「縛り」を解いてまでも,エスビョルン・スヴェンソンの過去作を聴きたい衝動を我慢して手に入れた,日本盤同日発売の2枚が『フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー』と『GOOD MORNING SUSIE SOHO』(以下『グッド・モーニング・スージー・ソーホー』)。

 この2枚の性格は異なる。『フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー』は,すんなりと受け入れることが出来た。『ストレンジ・プレイス・フォー・スノウ』以前の「未知のジャズ・ピアノ」として,例えるなら「スター・ウォーズ」の「エピソード4」から楽しむ「エピソード1・2・3」の気分がしたものだ。

 一方の『グッド・モーニング・スージー・ソーホー』が引っ掛かる。キャッチーなメロディー・ラインは【GOOD MORNING SUSIE SOHO】と【SPAM−BOO−LIMBO】ぐらいであるが,聴き終わった後にもう一度再生ボタンを押したくなる。そんな空気感のアルバムだった。

 『グッド・モーニング・スージー・ソーホー』を聴いていると「静と動」が交互に押し寄せてくるのを感じる。気分が上がってそのまま激しく突っ走ってほしいところで,抑え目で少しダークな世界観が浮かび上がってくる。
 これがクラシック大国に囲まれた「北欧ジャズ」の特徴なのだろうが,澄んだ空気の曇り空のような音風景…。

 そう。『グッド・モーニング・スージー・ソーホー』で初体験した不思議サウンド。カラフルで万華鏡のようで,エモーショナルでアグレッシヴで,詩的で繊細にしてダーク…。そんな相反するような言葉のどれもが当てはまる不思議サウンド…。

 いつしか,大人しめで落ち着いたサウンドの『グッド・モーニング・スージー・ソーホー』を一日に一度は聴かないとこちらが落ち着かなくなってしまった。
 ヨーロピアンジャズならではの耽美的なメロディーを紡ぎながらも,ドラムンベースのグルーヴ感を強調し,エフェクターを効果的に駆使した「プログレッシヴなピアノ・トリオ」が『グッド・モーニング・スージー・ソーホー』の中で鳴っていたのだった。

 この時点ではまだ大声では言えなかったが『グッド・モーニング・スージー・ソーホー』のサウンド・メイキングは真に「ジャズ・ピアノの革命の1枚」で間違いない。

GOOD MORNING SUSIE SOHO-2 オーソドックスなピアノ・トリオでありながら,リリカルにして凶暴なエスビョルン・スヴェンソンが繰り出す“ポスト・ロック的な”音楽表現が実に多彩である。
 控え目にエフェクトを使用し音色面での幅の広さをベースに,音楽性そのものも雑多なジャンルを消化・吸収し,自分たちの陰影あるカラーで再構築してアウトプットしてみせる。「ロックするピアノ・トリオ」が完成されている。 

 こう書きながらも「e.s.t.」の軸足は,いかにも白人的な音楽性というか「北欧ジャズ」らしい純粋培養な美しさで満ちている。
 基本的にはアコースティックで美しく,エレクトロニックで装飾し,時にラジカルでアグレッシブになるが,それこそ今息づいている“ジャズ表現そのもの”なのである。

 ジャズの中でユニークな開拓をやってのけるのは並大抵の事ではない。その大仕事を北欧スウェーデンの3人の若者たち,ピアノエスビョルン・スヴェンソンベースダン・ベルグルンドドラムマグヌス・オストラムがやってのけたのだ。

 「e.s.t.」の挑戦的な姿勢が素晴らしい。洗練されているのにそれでも相当に斬新なのだ。「e.s.t.」の独創的な創造性は称賛に値すると管理人は思う。

  01. SOMEWHERE ELSE BEFORE
  02. DO THE JANGLE
  03. SERENITY
  04. THE WRAITH
  05. LAST LETTER FROM LITHUANIA
  06. GOOD MORNING SUSIE SOHO
  07. PROVIDENCE
  08. PAVANE - THOUGHTS OF A SEPTUAGENARIAN
  09. SPAM-BOO-LIMBO
  10. THE FACE OF LOVE
  11. REMINISCENCE OF A SOUL 〜 (Hidden Track) UNTITLED

(ソニー/SUPER STUDIO GUL 2000年発売/SICP-349)
(ライナーノーツ/青木啓)

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安藤 まさひろ / メロディ・ゴー・ラウンド4

MELODY GO ROUND-1 “メロディー・メーカー”安藤まさひろ2ndMELODY GO ROUND』(以下『メロディ・ゴー・ラウンド』)は“スクェアそのまんま”なソロ・アルバムである。

 1stメロディー・ブック』に続く「スクェアの外典」をソロ・アルバムで作り続ける意味はあるのだろうか?
 その答えが【湖の恐竜】にあるように思う。【湖の恐竜】とは則ち【SNOWBIRD】のことである。

 T−スクェアの『NATURAL』収録の【SNOWBIRD】は『NATURAL−U.S.VERSION』にも収録済。つまり公式には3番目の【SNOWBIRD】が【湖の恐竜】なのである。

 【SNOWBIRD】のメロディは美しい。これはギターで弾くから“様になる”名バラードである。
 しかし【SNOWBIRD】が真価を発揮するにはカッティング・ギターがどうしても必要だった。そのことを作者である安藤まさひろが十分心得ているがゆえの再演であろう。
 客演は“あの”山下達郎山下達郎って,実は有名なギター職人なのであ〜る。

 そう。安藤まさひろソロ・アルバムで「スクェアの外典」を作り続ける意味とは「理想とするスクェア・サウンドの追求」なのだと思う。
 言うまでもなくT−スクェアはバンドである。安藤まさひろT−スクェアのリーダーではあるが独裁者ではない。自分の意見が通らないこともあるだろう。例えば【SNOWBIRD】のガス抜きが【湖の恐竜】で形になったのだと思う。

 こう考えると全てがつながる。『メロディ・ゴー・ラウンド』が“スクェアそのまんま”なのは,もしかしたら『NATURAL』用に準備した没テイク? だから『NATURAL』発売の半年後に『メロディ・ゴー・ラウンド』をリリースできた?

MELODY GO ROUND-2 個人的に『メロディ・ゴー・ラウンド』は楽曲が暗いイメージ(いいえ,アダルトなだけでした)。ただし,スクェア恒例の選考会でボツになった理由はアダルト路線のせいではなく,単純にギターソロが長かっただけ!
 『メロディ・ゴー・ラウンド』の功績の1つは,安藤まさひろがこんなにも表情豊かなギタリストであったとは…という「新鮮な驚き」にある。

 “メロディー・メーカー”安藤まさひろは当然ながらギター・メインの曲を書くが,サックスEWIキーボード・メインの曲も書く。
 サックスEWIキーボード・メインの曲ならば,バンドの話し合いで決まったアレンジで妥協することも許せるであろう。
 しかしギター・メインの楽曲で譲るのは「顔で笑って心で泣いて」なのかもしれない…。

  01. Tonight's the night
  02. 三月のライオン
  03. Blackeyed Susan
  04. 湖の恐竜
  05. Mystery
  06. Knock on the door, Look for happiness
  07. Mr. Moon
  08. Cool
  09. 摩天楼の殺人者
  10. Good-bye blue wind

(CBSソニー/CBS/SONY 1990年発売/CSCL-1545)

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e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ) / フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー5

FROM GAGARIN'S POINT OF VIEW-1 「e.s.t.(エスビョルン・スヴェンソン・トリオ)」こそが,解散後,誰にも受け継がれることのなかった,キース・ジャレットアメリカン・カルテットの後継バンドと認識する。
 同じピアノ・トリオキース・ジャレット・トリオでもなく,同じ北欧出身のヨーロピアン・カルテットでもなく,絶対にアメリカン・カルテットであると認識する。

 その確信の根拠を問われれば『FROM GAGARIN’S POINT OF VIEW』(以下『フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー』)を聴いてほしい,と答えることにしている。
 (全曲いいのだが)【DEFINITION OF DOG】を聴いてほしい。『フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー』は【DEFINITION OF DOG】の1曲に億千万の価値がある。

 なぜならば【DEFINITION OF DOG】こそが,キース・ジャレットアメリカン・カルテットの『SHADES』収録【SOUTHERN SMILES】の変奏曲。
 つまりはエスビョルン・スヴェンソンによるキース・ジャレットへ捧げたオマージェの発露であり,誰も継承することのできなかったアメリカン・カルテットの後継バンド宣言に思えるからだ。

 一般にアメリカン・カルテットと来れば,土臭くアバンギャルドで濃厚な演奏をイメージしてしまい,人気の点でヨーロピアン・カルテットの後塵を拝しているようだが,オリジナリティー,洗練度,斬新さ,美しさの点で他のプロジェクトを凌駕しているように思う。
 ほぼ全てのアルバムが「オール5」のキース・ジャレット名盤群の中にあって,異質な美しさが頭一つ抜きん出ている。

 聞けばエスビョルン・スヴェンソンキース・ジャレット好きを公言しているようだ。
 でもそんな言葉など必要ない。管理人のようなキース・ジャレットの大ファンなら【SOUTHERN SMILES】“一発”でエスビョルン・スヴェンソンの中に宿っているキース・ジャレットの音楽観を聴き取れるものと思っている。

 切れ目なく3曲一気に疾走する,リリカルなミディアム・テンポの【DATING】【PICNIC】【CHAPEL】が管理人の大好物! スタートから一気に惹き込まれる。エスビョルン・スヴェンソンによる16分音符の息の長いパッセージを昇降するピアノが最高にクリティカル!
 そうして地ならしされた後に登場するキラー・チューン=4曲目【DODGE THE DODO】の新録バージョンが最高に“COOL”なジャム・ポップ。ドラムン・ベース炸裂のシャウト感がたまらない! 素晴らしい仕掛けであろう。
 5曲目【FROM GAGARIN’S POINT OF VIEW】で,静かに流れ出す美旋律バラードは,深い藍色を呈するバルト海をゆっくり遊覧する豪華客船から眺めるフィヨルドを想起させてくれる。

( 6曲目【THE RETURN OF MOHAMMED】の緩やかに浮遊する優しいメロディーは,これまた管理人の鉄板=パット・メセニー・グループを連想させてくれる。余談だが「e.s.t.」と“相思相愛”なのはキース・ジャレットだけではない。何を隠そうパット・メセニーも「e.s.t.」を大絶賛していた。キース・ジャレットパット・メセニーなのだから管理人が“のぼせる”気持ちも分かるでしょ? )

FROM GAGARIN'S POINT OF VIEW-2 そう。『フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー』での「e.s.t.」がワイルドなのに美しい。とにかく異次元の美しさを感じる。とにかく最初の一音から最後の一音までが感動する。
 『フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー』を耳にして,ずっとこんなアルバムを聴きたいと願っていたことを思い出した。キース・ジャレットアメリカン・カルテットのような音楽を探していた。そしてついに巡り会えたのだ。この管理人の喜びを理解していただけますか?

 管理人の結論。『フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー批評

 「e.s.t.」の真髄とは『GOOD MORNING SUSIE SOHO』以降の「ロックするピアノ・トリオ」で間違いない。
 その意味でエフェクター,ディストーション,ディレイにリズムマシンまでも駆使したアコースティック楽器の電気武装以前 → アコースティックの鳴りそのまんまな『フロム・ガガーリンズ・ポイント・オブ・ヴュー』は「e.s.t.」の“最後にして最高の”ジャズ・アルバムである。

  01. Dating
  02. Picnic
  03. Chapel
  04. Dodge The Dodo
  05. From Gagarin's Point Of View
  06. The Return Of Mohammed
  07. Cornette
  08. In The Face Of Day
  09. Subway
  10. Definition Of Dog
  11. Southwest Loner

(ソニー/SUPER STUDIO GUL 1999年発売/SICP-348)
(ライナーノーツ/杉田宏樹)

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