2009年11月14日

寺井 尚子 / BEST / STOLEN MOMENTS5


 『BEST』の9曲目は【STOLEN MOMENTS】(以下【ストールン・モーメンツ】)。


 寺井尚子の【ストールン・モーメンツ】は,同トラック数ある名演の中でも“ダントツ”のカッコよさ! オリバー・ネルソンの作曲のイメージに,寺井尚子ヴァイオリンほどマッチする楽器もないと思う。オリバー・ネルソン自身のサックス以上の相性である。

 マイナー・ブルースのテーマを流麗なユニゾンで示してから,寺井尚子ヴァイオリン野力奏一ピアノ坂井紅介ベースによる各ソロに入ってゆくのだが,このオーソドックスなユニゾンとアドリブの対比が肝!
 テーマで聴かせる寺井尚子の重音! オリバー・ネルソンの【ストールン・モーメンツ】はフロントの3管ユニゾンであるが,寺井尚子の【ストールン・モーメンツ】は,ヴァイオリンの一人二役! この重音がジャズ史上,現れたどんなフロント陣をも凌駕する美しさ! 軽やかに&しなやかに…。尚子さまぁ〜。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

NAOKO TERAI : Violin
SOICHI NORIKI : Piano, Synthesizer
BENISUKE SAKAI : Bass
MOTOHIKO HINO : Drums


2009年11月11日

グラント・グリーン / フィーリン・ザ・スピリット / SOMETIMES I FEEL LIKE A MOTHERLESS CHILD4


 『FEELIN’ THE SPIRIT』の5曲目は【SOMETIMES I FEEL LIKE A MOTHERLESS CHILD】(以下【時には母のない子のように】。


 【時には母のない子のように】は,タイトル通りの「うら淋しい」夜のブルースである。

 グラント・グリーンの,スナップの効いた強烈なギター・リフが耳に痛い! これがまたネチッコイうえにリズミカルときている! 【時には母のない子のように】のような“ザ・ブルース”は,お腹一杯の時に聴いてはいけない。
 3分15秒からのハービー・ハンコックピアノ・ソロがいい。重厚であるがグラント・グリーンのような満腹感は覚えない。黒い。ただそれだけ。これはライカの黒である。

 【時には母のない子のように】には,グラント・グリーンハービー・ハンコックの他にもう一人主役がいる。それが2人のソロのバックで“時間正しく暴れ出す”ビリー・ヒギンズドラミングが楽しい。
 トラックに耳が慣れてきたなら,読者の皆さんにもビリー・ヒギンズドラムだけを追いかけてみて欲しい。「なるほど。オーネットコールマン」と合点がいくと思う。素晴らしいドラマーである。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

GRANT GREEN : Guitar
HERBIE HANCOCK : Piano
BUTCH WARREN : Bass
BILLY HIGGINS : Drums
GARVIN MASSEAUX : Tambourine


2009年11月07日

ブライアン・ブロンバーグ / ポートレイト・オブ・ジャコ / TEEN TOWN(BASS VERSION)4


 『PORTRAIT OF JACO』の3曲目は【TEEN TOWN(BASS VERSION)】(以下【ティーン・タウン(ベース・ヴァージョン)】。


 ジャコパスウェザー・リポート時代の18番=【ティーン・タウン(ベース・ヴァージョン)】は“トータル・ミュージシャン”であったジャコパスへのトリビュートで溢れている。

 超絶技巧のブライアン・ブロンバーグからすると,オリジナルよりスロー・テンポで演奏される【ティーン・タウン(ベース・ヴァージョン)】が意表を突いている。遅めのテンポで振り下ろされる指&指。ストリングスとの融和性が強調されている。

 ウッド・ベースエレクトリック・ベースの掛け合いが聴き所であるが,スロー・テンポゆえこちらも物足りなさが残ってしまう。
 コンビネーション重視のアドリブが連続するのだが,3分9秒からのウッド・ベース・ソロは,本来の弾きまくりがスパークした名演である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

BRIAN BROMBERG : Acoustic Bass, Fretted Bass, Fretless Bass, Horn Arranging
DAVE KOCHANSKI : Keyboards and Loop Programming
DLOC : Drums
GANNON ARNOLD : Guitar
JEFF LORBER : Electric Piano
GREGG MATHISON : B3 Organ
GARY GRANT : Trumpet
JERRY HEY : Trumpet
DAN HIGGINS : Saxophone
LARRY WILLIAMS : Saxophone
ANDY MARTIN : Trombone


2009年11月04日

市原 ひかり / SARA SMILE / I'VE GOT IT4


 『SARA SMILE』の5曲目は【I’VE GOT IT】。


 【I’VE GOT IT】は,キャッチーなメロディと実直な演奏力が共存する“ザ・市原ひかり”な名演である。

 ブルージーなメジャー調のテーマが端正に演奏されていくが,ビートの効いたリズム隊が“渋め”のアクセントをつけていく。
 一転,1分22秒からの市原ひかりドミニク・ファリナッチによる,ツイン・トランペットのハーモニーが美しい。このサビは管理人の“ツボ”である。

 中盤は,2分15秒からのピーター・ワシントンベース・ソロこそ,フューチャリング【I’VE GOT IT】だし,
3分35秒からの市原ひかりトランペット・ソロ〜5分11秒からのアダム・バーンバウムピアノ・ソロの流れは,即興演奏も作曲と捉える,コンポーザー兼アレンジャーとしての市原ひかりの才能であろう。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

HIKARI ICHIHARA : Trumpet & Flugelhorn
ADAM BIRNBAUM : Piano
PETER WASHINGTON : Bass
LEWIS NASH : Drums
DOMINICK FARINACCI : Trumpet


2009年11月01日

MODERN JAZZ BEST SELECTION TOP500-47


 《 アメリカが生んだ文化・芸術であるジャズは,国の歩みと同様に,融合,発展,解放,そして時には模索と,最も人間臭い過程を繰り返してきた。
 『ジャズ名曲なし,名演あるのみ』の言葉通り,瞬時のインプロヴィゼーションに自己の感性と創造性の全てを賭けたアーティストたちの演奏は,テンションとなり,リラクゼイションとなって漂い流れる。
 そして,最も人間的な文化所産であるが故に,時代を超えた生命力を持ち続けているのだ。
 ジャズは生きている。モダン・ジャズ珠玉の名演。 》

 「MODERN JAZZ BEST SELECTION TOP500」。
 今回は255〜257位の発表です。

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アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション★257.TIN TIN DEO
MEETS THE RHYTHM SECTION
アート・ペッパー

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Last Date★257.MISS ANN
LAST DATE
エリック・ドルフィ

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ザ・マン・ウィズ・ザ・ホーン★257.THE MAN WITH THE HORN
THE MAN WITH THE HORN
マイルス・デイビス

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Clifford Brown with Strings★257.SMOKE GETS IN YOUR EYES
CLIFFORD BROWN WITH STRINGS
クリフォード・ブラウン

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ブルースの真実★255.STOLEN MOMENTS
THE BLUES AND THE ABSTRACT TRUTH
オリバー・ネルソン

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ホワッツ・ニュー★255.WHAT'S NEW
WHAT'S NEW
ビル・エヴァンス

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 クリフォード・ブラウンの【煙が目にしみる】は,ジャズ史にさん然と輝く“粋な”名バラードである。クリフォード・ブラウンの諸作の中では評価の低い『ウィズ・ストリングス』であるが【煙が目にしみる】だけは別格! 【煙が目にしみる】を演奏するジャズメンが“決して避けては通れない”絶品のストリングス・アレンジとNO.1ソリスト=ブラウニーの“粋な”アドリブに,ジャズメン魂が宿っている。

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